2026.09.03 22:38 更新
2026.09.03 取材
キオクシア株式会社(本社:東京都港区)は2026年9月3日、2026年8月にアメリカ サンタクララで開催された次世代メモリ・ストレージの国際イベント「FMS 2026」(Future of Memory and Storage)で発表した製品や今後のロードマップを解説するプレス向け説明会「次世代AIインフラの実現に向けた最新技術・製品説明会」を開催した。
冒頭登壇したメモリ事業部 メモリ応用技術統括部 技術統括部長の松寺 克樹氏はまず、近年の生成AIシステムの急速な変遷について振り返った。
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メモリ事業部 メモリ応用技術統括部 技術統括部長松寺 克樹氏 |
数年前まで生成AIは一部の先進的なユーザーがテキストを中心に使用する限定的な存在だった。しかし、現在では多くの人が日常的にテキストだけでなく、画像、音声、動画といったマルチモーダルな生成AIを活用する時代になっている。さらにAI自らが判断して別のAIにタスクを割り振り、連続的に処理を行う「エージェンティックAI(Agentic AI)」の普及により、データ量が爆発的に増加しており、DRAMの需要は高まる一方だ。
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しかし、コストや物理的な制限もあり、システムに実装できるDRAM容量には限界がある。実際、現在のチップあたりの最大容量はフラッシュメモリの2Tbに対してDRAMは32Gb、容量の規模もフラッシュメモリの約1,200EBに対してDRAMは約50EBと大きな開きがあり、DRAM容量不足は深刻な課題になっている。
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| 容量規模は2030年にはフラッシュメモリが3,000EBに迫る予想なのに対して、DRAMは100EB前後で差は今後さらに広がる予定 |
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この課題を解消するためキオクシアが提案するのが、フラッシュメモリをメインメモリの一部として活用するアプローチだ。
実際のシステムにおけるメモリアクセスパターンを分析したところ、アクセスの約8割がデータ全体のわずか20%を占めるホットデータに集中し、残り80%にはアクセス頻度の少ないコールドデータが収納されていることが判明した。このコールドデータをフラッシュメモリに移動することで、パフォーマンスの低下を抑えつつより大規模な処理ができるようになるわけだ。
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ただし、フラッシュメモリはDRAMに比べてレイテンシが大きく、書き換え回数にも制限があるため、そのまま代替として使うのは難しい。そこで、同社では読込時のレイテンシが5μs未満、書き換え回数が15万~25万回という「第2世代XL-FLASH」と、データ書込や消去時に発生する長時間の遅延を抑える「レイテンシ低減機能」を備えた専用コントローラを組み合わせた「CXLメモリモジュール」を開発した。
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「CXLメモリモジュール」では、従来のフラッシュメモリに比べて遅延は90%以上改善されており、10μs以下という安定したリードレイテンシを達成している。エミュレータによるテストでは、DRAMに格納されているデータの3分の1をこのCXLメモリモジュールにオフロードした場合でも、DRAM単体構成に対する性能低下は5%以下に収まるという。
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さらに同等のコストであれば容量は2倍に拡張できるほか、メモリ不足によるボトルネックを解消する効果も期待できる。これにより、総合的なシステムのパフォーマンスは1.3倍に引き上げることができるようになるとのこと。
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