2026.06.06 13:00 更新
2026.06.06 取材
Noctua(本社:オーストリア)はCOMPUTEX 2026において、ポンプレス水冷ユニット「Two-phase thermosiphon」の最新プロトタイプを展示した。2024年から継続して開発が進められているプロジェクトであり、今年も大幅な改良が加えられている。
「Two-phase thermosiphon」は、内部に封入された特殊な冷媒を利用する冷却システムだ。CPUの熱によってウォーターブロック内で冷媒が気化し、蒸気となってラジエーターへ移動。その後、冷却ファンによって再び液化した冷媒がCPU側へ戻ることで循環を実現している。ポンプを使用せずに冷却を行える点が最大の特徴だ。
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今回展示された最新モデルでは、エバポレーター内部にガイド溝を追加。気体と液体の流れを最適化することで、冷媒の循環効率を大幅に高めたという。
さらにエバポレーター表面には、沸騰を促進する独自のマイクロレイヤーコーティングを採用。気泡の発生量を増やすことで熱移動効率を高めている。担当者によれば、コーティングの厚みや粒子サイズによって性能が大きく変化するため、ここに至るまで相当な試行錯誤を重ねたとのことだ。
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| マイクロレイヤーコーティングなし | マイクロレイヤーコーティングあり |
こうした改良の効果は大きく、昨年展示されていたサンプルではRyzen 7 9000X3Dを使用していたのに対し、今年はTDP 230WのRyzen 9 9950X3Dでの動作デモを実施。会場ではオールインワン型水冷ユニットとの比較展示も行われており、冷却性能はすでにかなり近いレベルまで到達していた。
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| Ryzen 9 9950X3Dを使った「Two-phase thermosiphon」(左)とオールインワン型水冷ユニット(右)の比較テストでは、すでにオールインワン型水冷ユニットにかなり近い冷却性能が発揮できていた |
Noctuaでは最終的に「オールインワン型水冷ユニットと同等のパフォーマンス」を目標として開発を継続している。現時点ではプロトタイプ段階ながら、その完成度は着実に高まっており、順調に進めば来年のCOMPUTEXでは完成形に近い姿が見られるかもしれない。
文: 編集部 池西 樹
Noctua: https://noctua.at/
COMPUTEX 2026 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2026/
COMPUTEX 2026: https://www.computextaipei.com.tw/

