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最終更新日 2023年3月30日 18:00

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【ササキチのアキバガジェット Vol.044】創業は明治30年。今も残る古き秋葉原を「岡昌裏地ボタン店」に訪ねよう

2016.03.28 00:00 更新

2016.03.28 取材

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ササキチ

 アキバのあちこちと繋がる、アキバブロードキャスターのササキチがお送りする「アキバガジェット」。今回は、かつて秋葉原が“羅紗屋”の街だった頃の面影を今に残す「岡昌裏地ボタン店」にお邪魔します。創業は明治30年、お店の建物も築約90年というこの場所にて、まさにアキバの生き字引なご店主を相手に昔話と洒落込もう。

岡昌裏地ボタン店
所在地:東京都千代田区神田須田町二ノ十五ノ三

どうもこんにちは、アキバ大好きササキチです!皆さんもこの街に色んなイメージを持っていますよね。電気街だったりオタクの街だったり・・・でもずっと前は、テーラーさんや生地屋さんが軒を連ねるアパレルの街でした。今はもうほとんどその面影はないワケですが、今回お邪魔する「岡昌裏地ボタン店」さんには、当時そのままの雰囲気が色濃く残っています。スーツの裏地やボタン、絹糸を扱う、いわゆる“羅紗屋”さんで、創業はなんと明治30年!以来ずっとこの場所にお店を構えているという、超老舗ですよ。今日はいつもとちょっと趣向を変えて、古いアキバの歴史の1ページを覗きにいきましょう!

今回ササキチが向かったのは、かつて“羅紗屋”さんが軒を連ねた神田須田町。もうすっかり様子が変わってしまった中で、今でも往年の面影を残しているのが、ここ「岡昌(オカショウ)裏地ボタン店」だ
こちらは三代目のご店主である岡武夫さん。齢70を超えるアキバの長老の1人だが、とにかく元気で声もデカい。老舗の店主とあって取材を受ける機会も多く、それを知ったササキチが「アキバの昔のこと教えてください!」と乗り込んでからの付き合いだとか

今ではスーツを買おうと思ったら、アオキや青山で既成品を求めるのが普通かもしれません。でも昔はスーツといったらオーダースーツのこと。バブルの頃までは、「岡昌」さんのある須田町から岩本町にかけて、びっしりとテーラーさんや羅紗屋さんが並んでいたそうです。当時は神田の“羅紗屋街”といえば超有名で、わざわざ地方からスーツを仕立てにやってくる人も大勢いたとか。次から次に注文が舞い込んで、それはもう大繁盛だったそうですよ。売り出しの時は、街中に紅白の幕が垂らされて盛り上がったとかで、想像するだけで壮観です。
 そしてお店の方では、買ってくれたお客さんのために抽選会を開いたり、「肉の万世」の割引券をプレゼントしたり・・・このあたりのサービスは、昔からあったものなんですね(笑)。当時はアキバにスーツを仕立てに来て、その足でステーキを食って帰る、といった具合だったんでしょうか。

さぁアキバが羅紗屋街だった頃にタイムスリップ!お店の中を見せてもらいましょう。お店の中のレイアウトは、当時からほとんど変わっていないとのこと
カウンターの中に並ぶ道具の数々が気になるササキチ。ここにはテーラーさん御用達の道具が集結、中には最近めっきり流通量が減ってしまった、職人手製のハサミもアリ。メチャ切れそうであります
奥の棚には、ズラリ縫製用の糸がメーカー別に並んでいる。既成品のスーツはほとんどが工業用テトロンを使っているところ、こちらで売られているのはすべて高品質な絹糸ばかり。ちなみに使う箇所に応じて、3タイプの糸を使い分ける
「これやってみたかった!」というテーラー用のメジャーや定規、染み抜きなどの必需品も。裁縫やるなら誰でもお世話になる、型紙も各種揃っております
やはりコレは外せない、入り口近くには高級ボタンが収められたボタン棚が。中には800種類のボタンが入っているとのこと、よそではなかなか手に入らないような、珍しいボタンも多い
ちなみにこのボタン棚、東日本大震災の際は大いに揺れてご店主を焦らせたとか。「これが壊れたら商売にならん」と、必死で押さえて揺れをやり過ごしたらしい
さてその建物といえば、なんと今年で築88年になるという往年の“看板建築”。関東大震災後に多く建てられた近代建築の一様式で、復興特需で地方から大挙やってきた大工や棟梁が設計。前面に銅板やモルタルなどを貼り付けた衝立のようなデザインが特徴だが、今はほとんど姿を消してしまっている

そんな「岡昌」さんのお店ですが、実は一度関東大震災(大正12年 / 1923年)の時に焼けてしまっています。今の建物は昭和3年(1928年)に建てなおされたもので、なんと今年で築88年!しかも単に古いだけじゃなく(失礼)、近代建築史上に名を残す“看板建築”って様式なんですよ。なんでも震災後の復興期にたくさん建てられた様式で、建物の前面が看板兼用の衝立みたいになっているからそう呼ばれるとか。当時はこの辺り一面が同じような看板建築のお店だったところ、業界の需要が落ち着いてくると、ほとんどのお店が廃業したりして、すっかり姿を消してしまいました。今じゃあ残っているのは、この「岡昌」さん含めほんのちょっとだけですよ。
 ちなみにバブルの時期には、「岡昌」さんにも「10億で土地を譲ってくれないか」なんて話があったそうです。「10億で売ってたらどうなってたかな」なんてご店主は笑ってますけど、たぶん昔に戻っても結局売らないで終わりそうな気がする(笑)。江戸っ子らしい頑固さというか、ずっとここで商売を続けてきたこだわりを感じますね。

戦時中の大空襲の際には、総出で水をかけるなどの苦労を経て焼け残った店舗。ハンガーが吊るされた天井は、檜の格天井になっている
奥に進んだ先は、スーツの裏地がたくさん並んでいる。まさに熟練の手つき、裁断の様子につい見入ってしまうササキチでありました
ちょうど取材の最中に、近くのテーラーさんがお客さんを引き連れて裏地選びにやってきた。「この色がいいよ」とあれこれ提案する様子を、許可を得て撮らせてもらうことに
そして家具にも歴史アリ。裁断用の台の引き出しには、購入当時の書き付けが残っていた。昭和32年の9月に井原家具店より購入したもののようだ。そしてお会計となれば、いまだに現役なソロバンの出番であります
実はお母さんが編み物の先生だったとかで、ササキチには見覚えのある道具が多かったとか。店先で万十を手にニコリご満悦。そして日々アクセ制作を行っているだけあって、個性的なボタンを求めてちょくちょく買い物にも訪れている

周りのテーラーさんが減ってしまったのもあって、今では「岡昌」さんも個人のお客さんを相手にする方が多いらしいです。実はこのササキチもちょくちょくボタンを買わせてもらってまして、アクセ制作に重宝しています。何しろここにしかないような、カッコいいボタンがたくさんあるんですよ。裏地の方はまだご用がないですけど・・・その内ビッグになってスーツを仕立てる段になったら、ぜひココで選びたいですね。“アキバで仕立てたスーツ”とか、まさにこのオレに相応しい(笑)!街の様子は変わってしまったかもしれないけど、「岡昌」さんには昔のアキバそのままに、ずっと営業を続けて欲しいですね。

まさに「伝統の香り」漂う店内にて、往年のCrombieのポスターを背にキメるササキチの図。「岡昌」さんは朝8時から夕方6時まで、日曜・祝日以外は毎日営業しているぞ

文: GDM編集部 絵踏 一
岡昌裏地ボタン店: 
CoreRare(ササキチ): http://www.corerare.com/

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