2025.04.27 00:00 更新
2025.04.27 取材
決して広くはないお店に、同人ハードやレトロゲームなどがあふれるカオス空間。ここ家電のケンちゃんにて、“家電のHRDちゃん”こと店長の原田さんにディープなアレコレを語ってもらう「教えて!HRDさん」。今回は、原田さんの自室を“発掘”して出てきたレアなPlayStation関連のデバイスを紹介してもらうことに。実機を巨大化させたような開発機から始まって、激レアな幻のコントローラも見つかった?
長くアキバで店員をやってると、よく分からんモノを入手する機会も多いもんです。原田の自室にはそういうシロモノが積み上がっていて、正攻法(?)では入れないような状態なんですが・・・少し前から片付けという名の発掘作業をやってるんですよ。こんなのあったなー的な懐かしいアイテムがゴロゴロ出てきまして、中には結構レアなモノも。ここにあるPlayStation 2の開発機「DTL-T10000」もその一つですね。
![]() |
見た目はデカいPlayStation 2と言ったところ、大きさはミニタワーのPCくらいでしょうか。PlayStation 2実機と並べてみると、その大きさが実感できると思います。側面に「TOOL」の文字が入っている、オシャレでカッコいいソフト開発機です。ソニーは開発機も自社製で、そのせいかデザインにもかなりこだわっていたみたいですね。
![]() |
ちなみに中にはLinuxが入っているとか聞いたことがありますが、正直なところよく分かりません。随分前に入手してそのままになっていたシロモノで、まともに動かしたことがないんですよ。店に持ってくる前に一応動作チェックはしまして、通電するのだけは確認しました。それ以外は未チェックの状態で、家電のケンちゃんにて絶賛120,000円で販売中・・・だったんですが、ほどなく好事家が購入していきました。
![]() |
![]() |
![]() |
なお、まだ店頭に残っている「DTL-H10100」は88,000円。こっちはデバッグ用に使われていた開発機で、DVD-RやCD-Rも読めるようになっています。見た目も大きさもほぼPlayStation 2ですが、側面の文字が「TEST」になっていますね。
![]() |
そしてもう一つプレステ関連で見つけた面白いモノが、この「DTL-H500C」というコントローラ。分かる方は結構なゲームマニアでしょう。実は初代PlayStationのごく初期の試作機のために作られたコントローラなんです。
右手側のボタンは6つあるし、十字キーのデザインも違っていて、LRボタンも1つずつ。何よりグリップの形状が全然違いますよね。もちろんこれにはちゃんと理由があります。
![]() |
![]() |
もともと初代PlayStationは、ソニーが任天堂と一緒に開発していた「NintendoPlayStation」というハードが源流になっています。それはSFCカセットとCDが一緒に使える“SFC版ツインファミコン”みたいなハードだったんですが、諸事情があって製品化の直前でキャンセル。それを受けて、ソニーが当時のプロジェクトを下敷きにして開発した独自ハードこそ、初代PlayStationなんですよ。
![]() |
![]() |
そんなわけで、初期の試作機に用意されたコントローラにもNintendoPlayStationだった時代の名残があります。LRボタンがある丸いグリップ部なんて、SFCコントローラそのものですよね。当然ながら開発が進む中で“任天堂型”のデザインは姿を消していったわけですが・・・当時の複雑なゲーム業界の痕跡が、このコントローラに残っているというわけですな。
なお、こちらは先ほどの開発機と違って、販売予定はありませんのであしからず。
文: 編集部 絵踏 一
家電のケンちゃん: https://www.gdm.or.jp/shop/2017/0101/193926