2026.06.09 17:30 更新
2026.06.09 取材
MSIブースでは、グラフィックスカードの冷却性能をさらに高める次世代VGAクーラーのコンセプトモデルが展示されていた。GeForce RTX 50シリーズの高性能化に伴い、グラフィックスカードの発熱も増加する中、同社はさらなる冷却性能の向上に向けた研究開発を進めているという。その中でも注目を集めていたのが、新設計のベースプレート構造だ。
|
|
|
| 新ベースプレート(右)では、ダイヤモンドと銅を混合した新素材が積層構造になっていることがわかる | |
ベースプレートは銅など単一素材による一体成型が主流だが、今回のコンセプトモデルでは銅層に加え、熱伝導率に優れる「ダイヤモンドと銅を混合した新素材」を積層。ベースプレートの熱輸送効率を向上させているという。
|
また、高クロック化によって発熱が増加したGDDR7メモリ向けには、ダイヤモンドを混合した新設計のサーマルパッドを採用。熱を効率よくベースプレートへ伝達できるよう工夫されている。
|
|
さらにベースプレートから移動した熱を拡散するヒートパイプには、内部の溝を斜めに刻むことで表面積を拡張した「Advanced Spiral-Groove Heat Pipe」を採用。作動液の循環効率を改善し、ヒートパイプ全体の熱移動効率は約8%向上したとしている。
|
|
冷却ファンには新世代の「メタルファン」を導入した。従来の樹脂製ファンと比べてブレードの強度が大幅に向上しており、フィンの厚さを0.8mmまで薄型化。高速回転時の安定性向上とともに、エアフローは最大16%向上しているという。
これら複数の改良により、グラフィックスカードの温度は現行モデル比で最大約2℃低下するとしている。今回展示された技術はコストや重量増加など解決すべき課題も残されており、現時点ではコンセプト段階にあるものの、今後の製品への展開に期待したい。
|
一方でMSIは、冷却性能だけでなくグラフィックスカードの安全性向上にも取り組んでいる。同社が展示していた「セーフガード」は、これまで主に電源ユニット側が担っていた過電流などの保護・検知機能をグラフィックスカード側にも搭載するというもの。電流の異常や不均一な流動を検知すると、LEDやビープ音でユーザーへ通知する。
|
さらに異常検知から一定時間が経過すると、グラフィックスカードの消費電力を自動的に70%まで抑制。ユーザーが安全にシャットダウンやゲームの終了操作を行えるよう配慮されている。
|
| 補助電源コネクタの下には繰り返し使える「E-Fuse」を搭載 |
加えて、補助電源コネクタ付近には再利用可能な電子ヒューズ「E-Fuse」を実装。万が一ヒューズが飛んだ場合でも、グラフィックスカード本体を交換することなく復旧・再利用できる仕組みも検討されているという。
文: 編集部 池西 樹
MSI(Micro-Star Int’l Co.,Ltd.): https://www.msi.com/
COMPUTEX 2026 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2026/
COMPUTEX 2026: https://www.computextaipei.com.tw/

