2016.06.10 00:00 更新
2016.06.10 取材
クラシックPC救済委員会が手がける、メガドライブ用のRGB 21pin変換ケーブル「SEGA ALL IN ONE CABLE Comverter」の販売が、今週から三月兎1号店で始まっている。早々にデモ環境を整えていた原田さんが、首を長くして待っていたこのケーブル。なんと面倒なアレコレをケーブル1本に収めた結果、日産1本という超スローペースな職人仕様になってしまった。
実はメガドライブは、背面のDIN 8pin(U型)からネイティブでRGBの信号が出ているんです。これを使ってなんとかRGBで出力できないか・・・と四苦八苦したユーザーは、昔の私を含めたくさんいました。そもそも外部端子を用意しておきながら純正ケーブルを出さなかったセガのせいなんですが(笑)、そうとなればケーブルを自作するしかない。
でもそのままだと出力信号が弱すぎて画面がチラチラするわ、音声がモノラルしか出ないわで、単純に端子を変換すればいいワケじゃないんです。普通は間にアレコレ面倒な処理をするユニットをかませたりするところ、なんとそれを全部ケーブル1本でやっちゃうという無茶な製品が出てきました。
ちょっと前置きが長くなりましたが、それがこの「SEGA ALL IN ONE CABLE Comverter」です。フロントから出力させたステレオミニジャックをDIN 8pinに合体、とこれだけでも大変なところ・・・さらにRGB 21pinのソケットに基板を仕込んで、映像終端回路+アンプ回路+CSync生成回路+音源フィルターを内蔵しちゃったというから、ビックリですよ。この狭いソケットにICやらトランジスタやら抵抗やら、かなりの数の部品がギュウギュウに詰め込まれてるワケで、これが普通のケーブルに見えるところがスゴイ(笑)。相当面倒なことをやってるせいで、テストを含めると生産は1日1本が限界だと聞いてますが、それも納得ですよ。
ケーブル入荷のかなり前に完成していた、メガドラのデモ環境。RGBモニターへの出力には、「まず史上初の仕様」というRGB 21pinの8入力に対応したセレクター「Super Selector CS」を使用している |
ちなみにこのケーブルはマイコンソフトさんのアップスキャンコンバータ「FRAMEMEISTER」用に作ってあって、それで使った時にちょうどいい色味が出るようになっています。クラシックPCさんいわく、メガドラ本来の味を出すために、明るさの調整などをやらない“ピュアな信号”を出している、という次第。RGBのモニターに直結するには出力が強すぎる場合があるので、その場合はさらに抵抗をかましてやるとか、多少の味付けが必要かもしれませんね。
「メガドラがOKならこっちもイケるはず」と原田さんがゴソゴソと取り出した、セガ・マスターシステムでの動作も確認。なぜすぐ動く実機が転がっているんだろう・・・ |
文: GDM編集部 絵踏 一
三月兎1号店: https://www.gdm.or.jp/shop/usagi-1/