エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1659
2026.05.01 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次に両サイドパネルを見ていこう。最大の特徴となる4mm厚の曲面強化ガラスは、フロントパネルから左サイドパネルまでをシームレスにつなぎ、いわゆる270°パノラマビューを実現している。
現在流通するピラーレスデザインPCケースの中でも、見晴らしの良さはトップクラス。大型グラフィックスカードや水冷クーラー、イルミネーションで彩った各種パーツをしっかり見せたいユーザーには、かなり魅力的なスタイルだ。
この曲面強化ガラスは、背面側3つのヒンジによる開閉式を採用。固定は左側面の上下に設けられた突起を、シャーシ側のプラスチック製キャッチ(OD Clip)で受ける構造となっている。
|
| 4mm厚の曲面強化ガラスの着色は僅かでほぼクリアな視界が広がる |
少し気になったのは、フロント側にはロック機構が用意されていない点だ。固定は側面のみのため、出荷時に貼られている「Pull to open」タグを外した後は、開け始めに多少の慣れが必要かもしれない。一体型の大型曲面ガラスだけに、開放時の衝撃を避ける意図もありそうだが、使い勝手の面では少し気になるポイントと言えそうだ。
|
| 後方ヒンジ部と上下の突起部だけにスチール製プレートを装着。90°に曲げられたフロントパネル面は4mm厚のガラスのみで成立している。「Pull to open」タグは最後まで剥がさずにいた方が良さそうだ |
右サイドパネルは、スチール製のいわゆるソリッドパネルだ。パネルサイズは実測で幅約415mm、高さ約365mm。シャーシへの固定は、下部を溝に引っ掛けたうえで、上部2本の突起をシャーシ側のプラスチック製キャッチ(OD Clip)で受けるツールフリー方式が採用されている。
ただし単なるフラットパネルではなく、合計2箇所にパンチング加工によるハニカム状の通気孔がある。1つ目はサイドファン用で前寄りの縦列に、2つ目は電源ユニットの吸気用として後方にレイアウトされている。
次に後方へ回り、リアパネルのレイアウトを見ていこう。全体を眺めると、Vision 330 CR ARGBが一般的なミドルタワーとは異なる、デュアルチャンバー構造を採用していることが分かる。最も象徴的なのが電源ユニットの搭載位置で、左手中央から下部にかけて設けられた大きな開口部がそのスペースにあたる。
電源ユニットを一般的なボトムマウント方式としないことで、筐体の横幅を活かしつつ、全高を抑えた設計を実現しているわけだ。加えてデュアルチャンバー構造は、マザーボード背面の裏配線スペースを広く確保しやすく、さらに熱源を左右に分散しやすいという利点もある。
そして上段右手には標準装備の120mmファンを搭載し、その左側の縦列にはマザーボード用バックパネル開口部、その下には拡張スロット金具を配置する。背面レイアウト自体はオーソドックスだが、電源ユニットを独立区画へ移したことで、全体の印象は一般的なミドルタワーとは大きく異なることがお分かりいただけるだろう。
本体を逆さまにして、ボトムパネルを確認する。底面にはトップパネルと同じく、大判のダストフィルターが装着されていた。固定はマグネット式で、外形寸法は実測で幅約215mm、奥行き約385mmだった。
ダストフィルターを取り外すと、底面の大部分にハニカム状のパンチング加工が施されており、通気孔として機能している。さらに内部に3基の120mm標準ファンが搭載されている様子も確認できる。
そして四隅には、プラスチック製のインシュレーターを装備。脚高は約20mmで、筐体全体を下支えしつつ、設置面との間に吸気用のスペースを確保している。底面吸気を活かすための、実用的な設計と言えるだろう。
|
プラスチック製インシュレーターの設置面には、幅約20mm、長さ約28mmの滑り止め用ラバーが装着されている |

