エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1689
2026.09.07 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
グラフィックスカードの搭載テストには、NVIDIA「GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition」を用意した。カード長304mm、幅137mm、厚さ61mmで、3スロットを占有するハイエンドモデルだ。
搭載時は、下部のツメで固定されたプラスチック製の「Rear Cover」を背面から取り外し、ハンドスクリューで固定された3段分の拡張スロットカバーを外す。続いてグラフィックスカードを挿入し、3本のハンドスクリューでネジ留め。Rear Coverを元に戻せば、搭載作業は完了する。なお、グラフィックスカードの有効スペースは、最大で長さ368mm(フロントに冷却ファンを搭載した状態)とされている。
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プラスチック製「Rear Cover」は拡張スロット金具とハンドスクリューの頭を隠す「化粧カバー」。楽屋裏をそっと隠す、Fractalのこだわりでもある |
搭載後は、グラフィックスカード先端からフロントパネルまで、実測で約60mmのクリアランスが残った。カード長は公称304mmのため、ほぼ仕様通りの結果。一部の超大型モデルを除けば、十分に対応できるスペースが確保されている。また作業性については開口部も広く、ストレスなく完了できた。なお、グラフィックスカード底面からPSUシュラウドまでの距離は約70mmだった。
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| 16ピン(12+4ピン / 12VHPWR)電源ケーブルは、PSUシュラウド付け根のスルーホールを介し、最短で接続ができている |
最後に、GPU Support Bracketの使用感を確認しておこう。アームの首振りや上下スライドなど可動域は十分で、グラフィックスカード長250mmクラスから利用できる汎用性の高さも、よく考えられている。ゴム製の支持部で長尺・重量級グラフィックスカードを下から支えるため、その効果も分かりやすい。
一方、出荷時の配置では、下段の「Cable Aligners」がGPU Support Bracketの固定ネジと重なってしまう。ブラケットの高さを調整するには、一度Cable Alignersを取り外さなければならない。この時点ですでに配線や結束を済ませていたため、一度バラす必要があった。ここまでほぼ文句なしに作業できただけに、組み込み手順上の惜しいポイントとして印象に残った。
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下段の「Cable Aligners」を外すと、GPU Support Bracketの固定ネジ(下段)が露わになる。着脱は容易だが、束ねたケーブルを一度バラすことになってしまった |
歴代Defineシリーズに触れてきた記憶を呼び起こしながらの検証作業となった。新作「Define One」は、Fractal Designがこれまで築いてきた静音性と拡張性を両立する設計思想を受け継ぎ、現代のPCパーツ事情に合わせて上手に再構築されている。
特徴的なのは、Defineシリーズが得意とする静音対策だ。工業グレードの吸音材を備えたクローズドフロントを筆頭に、右サイドパネルの内側にもビチューメン系の防音材を備えている。類似のPCケースはいくつも存在してきたが、静音設計に関しては、やはりDefineシリーズに一日の長がある。もちろん、ここは[○]な部分だろう。
Define 7から奥行きを65mm短縮し、設置面積を約14%削減しながら、グラフィックスカードは最大長368mmまで対応する。一方、トップ部への360mmラジエーター搭載を見送った点は評価が分かれそうだ。ハイエンド志向の強い自作派には敬遠する理由になり得るが、筐体サイズと外観のバランスを優先した結果と考えれば、Define Oneの立ち位置は明快だろう。単純に[×]な部分とは言えない。
組み込みやすさも歴代モデルの流れをくむ。着脱できるトップブラケットやフロントファンブラケット、ツールレスで外せる各パネルが作業をアシストしてくれる。Define R6あたりから、やや詰め込み過ぎではないかと感じていたが、無駄を省いたシンプルな設計へ戻った点は大いに評価したい。
興味深いのは、Define 7に用意されていた本格水冷用ポンプやリザーバーの設置場所、注水口が省略されたことだ。オールインワン型水冷クーラーが広く普及した現在の自作PC事情が、ケース設計にも反映されているように感じる。
明確な[×]を挙げるなら、GPU Support Bracketの高さを調整する際、出荷状態では下段のCable Alignersを一度取り外す必要がある点だ。組み込み手順を把握していれば回避できるものの、配線や結束を終えたあとでは作業を戻すことになる。全体の作業性がよく練られていただけに、惜しいポイントとして印象に残った。
派手なライティングや内部パーツの見せ方を前面に押し出すのではなく、静かに、使いやすく、生活空間へ自然に溶け込むPCケースを目指したDefine One。歴代モデルの単なる小型版ではなく、Defineシリーズが今の時代に提示する新たなスタンダードと呼べる一台であり、紛れもなく、筆者が知るDefineシリーズそのものだった。
提供:Fractal Design
株式会社アスク

