エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1694
2026.09.22 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションでは構成パーツを用意し、実際に組み込み作業をしながら「HAF II 500」の作業性について解説していく。マニュアルや製品サイトでは分からなかった部分や、組み込みにおける注意点、搭載後の周辺クリアランスまで細かくチェックしてみよう。
マザーボードにはATX規格のASUS「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」(縦305mm/幅244mm)を用意した。
マザーボードトレイには、あらかじめ9本のスタンドオフ(うち2本は段付き)が装着済み。ここにマザーボードを載せ、付属の「#6-32*5mm screw」で固定する。電源ユニットなどの固定にも使われる六角インチネジを採用しているあたり、がっちり固定するHAFシリーズらしさを感じさせる。
マザーボード搭載後の周辺クリアランスは、トップパネルまでが約75mm、フロントの220mmファンまでが約190mm、PSUシュラウドまでが約30mmだった。幅310mmまでという制限はあるもののE-ATX規格にも対応するだけに、マザーボード周辺には十分な余裕があり、組み込み作業も進めやすかった。
マザーボードを搭載したところで、CPUクーラーの有効スペースを計測してみよう。メーカー公表値は、Intel環境が全高221mmまで、AMD環境が全高220mmまで。プラットフォームによる数値の違いが明記されているのは珍しい。
これは、マザーボード基板面からCPUのヒートスプレッダ上面までの高さが異なるためで、誤差とも思える1mmの差まで正確に記載する例はあまり見かけない。実際にAMD環境でCPU上面から強化ガラスまでをレーザー距離計で測定したところ、約221mmを示した。メーカー公表値とほぼ一致しており、いずれにせよ一般的なミドルタワーPCケースより広い空間が確保されていることは間違いない。
続いてマザーボードトレイ背面から、CPUクーラーメンテナンスホールの様子を確認しておこう。カットアウトサイズは実測で幅約175mm、高さ約130mm。今回使用したSocket AM5マザーボードでは、標準バックプレートの全体が干渉することなく露出している。
CPUクーラーのマウントホールピッチは、Intel LGA1851が78mm ×78mm、Socket AM5が90mm ×54mm。いずれもカットアウトサイズを大きく下回っており、バックプレートを使用するCPUクーラーの着脱時にも、作業スペースが不足する心配はなさそうだ。
PSUシュラウド後方のスペースに、電源ユニットを搭載してみよう。検証には、ATX 12V Ver. 3.1 / PCIe 5.1規格に対応する「ELITE PLATINUM 1000」(型番:MPE-A0F1-AFP)を用意した。120mmファンを搭載しながら、奥行きを140mmに抑えたショートタイプの高効率電源ユニットだ。
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| 搭載方法は右側面から本体を挿入し、後方から4本のインチネジで固定するオーソドックスなスタイル |
HAF II 500の電源ユニット有効スペースは、ドライブケージの設置方向に依存する。出荷時の横置き(North-South Drive Orientation)では奥行き150mmまで、縦置き(East-West Drive Orientation)では奥行き210mmまで対応。本稿では、デフォルトとなる横置きの状態で検証した。
搭載後は、スタックされたドライブケージまで約70mmのクリアランスが残った。ただし、ここにモジュラーケーブルを接続して収めることを考えると、十分に余裕があるとは言い難い。大風量をもたらすハイエンド志向の大型PCケースというイメージからすれば、やや物足りなさを感じる。奥行きのある大容量電源ユニットを使用する場合は、ドライブケージを縦置き(East-West Drive Orientation)に変更するのが現実的だろう。

