エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1651
2026.04.09 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
市場には毎月のように新しいPCケースが投入される。その中で埋もれないためには、ひと目で伝わる“分かりやすい特徴”が求められる。近年で言えば“ピラーレス”がそれにあたる。ガラスをシームレスにつなぎ、“パノラマビュー”を実現する手法は一気に広まり、いまや定番となった。しかし、それは同時に「次の一手」が求められる段階に入ったことも意味している。
今回取り上げるTRYX(本社:中国 上海)のミドルタワー「FLOVA 50」シリーズは、“ファブリックフロントカバー”と“TCF(TRYX Cross-Flow)ファン”という2つの特徴を備えている。いずれも従来のPCケースとは異なるアプローチであり、ピラーレスデザインが一巡した現在において、新たな方向性を提示する存在と言える。
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TRYX「FLOVA F50」シリーズ 市場想定売価税込21,990円前後(2026年2月6日発売予定) 製品情報(TRYX / CFD販売株式会社) |
ここでTRYXについて簡単に触れておこう。Shanghai TRYX Technology Co. Ltdは2023年に中国・上海で設立されたPCパーツメーカーで、日本では2025年よりCFD販売株式会社(本社:愛知県名古屋市)が取り扱いを開始している。COMPUTEX 2025ではブース出展を行うなど露出も増えており、新興ブランドながら注目度は着実に高まっている。
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| COMPUTEX 2025会場の一画にブースを構えたTRYX。新しい企業だけに、チャレンジする新作の数々が目を引いた |
ちなみにエルミタでは挨拶代わりに、大型AMOLED(有機EL)ディスプレイを備えたオールインワン型水冷ユニット「PANORAMA 360 ARGB」の検証をお届けしている。こちらも是非ご一読いただきたい。
ここで冒頭でも触れた「FLOVA F50」がアピールする2つのポイントについて、さらに詳しくみていこう。出荷時、リアパネルに設けられた結束バンド用フックには、ファブリック素材を象徴するタグが取り付けられていた。
タグには実際に使用されている生地のサンプルに加え、洗濯表示やブランドロゴが記されている。PCケースとしては珍しい演出だが、ファブリック素材を主役に据えた本製品のコンセプトを象徴するディテールと言える。
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そしてもうひとつは「TRYX Cross-Flowファン」だ。コンシューマ向けPCケースでは過去にも採用例があり、サーバー用途でも使用されるクロスフローファンを、フロント左手の内部に標準で装備し、ミドルタワーPCケースにおけるあらたなエアフローがFLOVA F50における非常に重要な構成要素になっている。
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| 標準装備の「TRYX Cross-Flowファン」。本体に固定された状態で出荷され、側面には運用前に剥がすことを前提としたガイドラベルが貼り付けられている |
実機に触れる前に、スペック表からFLOVA F50の概要を確認しておこう。カラーバリエーションはブラック(型番:C-F500F-FM1E-G0K)/ ピンク(型番:C-F500F-FM1E-G0Q)/ ホワイト(型番:C-F500F-FM1E-G0W)の3色。本稿ではピンクモデルを用いて検証を行う。
外形寸法は幅240mm、奥行き481mm、高さ501mmのミドルタワーで、搭載できるマザーボードはATX、MicroATX、Mini-ITX。さらにATX規格の背面コネクタマザーボードにも対応している。左サイドパネルに強化ガラスを採用することから、魅せるPCケースのベース筐体という要素が強い。主な素材はスチールで、一部にプラスチックが用いられている。
スペック表には記載されていないが、外装パッケージの表記によれば本体重量は約8.82kg(Net Weight)。容量は58リットルで、製品保証は2年間とされる。
なおパッケージサイズは実測で幅約335mm、奥行き約575mm、高さ約570mm。梱包材、パッケージ、緩衝材などを含む総重量は10.81kg。パッケーズは比較的大きいため、店頭購入からの持ち帰りにはカートの用意が無難だろう。

