エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1594
2025.10.06 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
CPUクーラー有効スペースは公称160mm、実測163mmだった。これだけのスペースがあれば、サイドフロー型CPUクーラーの選択肢は豊富だが、今回はオールインワン型水冷ユニットをチョイスした。最大の理由は右サイドファン搭載スペースの活用で、魅せるPCを組む上で空きスペースをそのままにしたくない”埋めたい衝動”は共感頂けるのではないだろうか。
搭載テストには、360mmサイズラジエーターを備えたオールインワン型水冷ユニット、Thermaltake「TH360 ARGB Sync V2」(型番:CL-W362-PL12SW-A)を用意した。国内市場では2023年10月より販売が開始されており、ラジエーターにはアドレサブルRGB LEDファン3基を搭載している。
作業時にひとつ注意したいのが、組み込みの順序だ。今回の検証ではAMD Socket AM5マザーボードを使用したが、Intel系マザーボードの場合、多くのCPUクーラーで背面から独自のバックプレートを取り付ける工程がある。この作業を行う前に電源ユニットを先に搭載してしまうと、CPUクーラーメンテナンスホールのカットアウト部が塞がれてしまい、背面からのアクセスがほぼ不可能になる。
筆者も過去にこの“構造上の落とし穴”を経験しており、作業の手戻りが発生した。デュアルチャンバー設計で電源ユニットをマザーボード背面に配置するPCケースでは、Intel系CPUクーラーを使用する際、事前にクーラーを組み込んでおく必要がある点に留意したい。
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フレームと右サイドパネルの空きスペースは約30mm。前方からも広く空間が確保できている事が分かる。これは背面コネクタマザーボードに有利なだけでなく、ケーブルマネジメントのしやすさにも繋がっている。デュアルチャンバー設計による恩恵の大きさが実感できる |
グラフィックスカードの有効スペースは、フロントパネル裏にラジエーターを搭載すると長さ390mmまで、非搭載時で長さ420mmまで。ここに幅142mm、長さ336mm、厚さ78mmで、3スロット占有デザインのMSI「GeForce RTX 4080 16GB SUPRIM X」を用意した。
搭載方法は、拡張スロット金具固定用ネジを覆うカバーを取り外し、必要な数のスロット金具を外したうえで、グラフィックスカードをインチネジで確実に固定する。その後、カバーを元に戻せば作業完了。手順はシンプルで、装着もスムーズに行うことができた。なお搭載後のクリアランスは、フロントパネルまでは約90mmを残した。
さらに標準装備されているGPUホルダーを装着する。VGAカバーを支えるステイは2パターンが用意されており、グラフィックスカードの形状やVGAファン位置に応じて選択できる。今回はステイ受け側が短いタイプを採用し、グラフィックスカード末端の高さに合わせて調整を行っている。ちなみに使用感は、さすがにフレーム一体型の設計とあって、汎用性の高さ、剛性、共に及第点以上。しっかりと役割を果たしてくれそうだ。
COMPUTEX 2025取材班から届いた素材を見た瞬間、そのインパクトは強烈だった。見慣れたピラーレスデザインを一新するような、流れる曲面強化ガラスのフォルム。その存在感が、PCケース全体の質感を一気に引き上げている。さらにバターキャラメル色──このポップでキャッチーなカラーリングこそ、View 390 Airの魅力を最も引き出している。自作PCは自由かつ楽しくなくっちゃ。
私情はさておき、PCケースとしての完成度は“さすがThermaltake”といった印象だ。全体からは”作り慣れている”メーカーならではの安定感を強く感じる。
デュアルチャンバー構造のケースはすでに多くの製品が市場に流通しているが、違いが生まれるのは主に「寸法」だ。設計者のさじ加減ひとつで、組み込みやすさ、外観バランス、そして設置のしやすさが大きく変わる。その点、View 390 Airは自作派のニーズを的確に捉えた、“ちょうどいい塩梅”のPCケースと言えるだろう。これらはもちろん[○]な部分だ。
そして[△]に近い[×]なポイントは、フロントファンがオプション扱いであることだ。すでに触れた通り、この点については秋葉原のPCパーツショップの一部からも同様の意見が出ている。9月15日より国内販売が始まった「CT200 ARGB Sync PC Cooling Fan Single Pack Black」(型番:CL-F179-PL20SW-A)は税込4,980円前後。これを2基揃えると、約1万円の追加出費だ。
そもそもCOMPUTEXで展示されていた展示機や宣材写真では、ほぼ確実に200mmファンが2基搭載されている。製品名に「Air」と冠している通り、エアフロー性能は“オプション品をそろえることで”最大限に発揮される設計。もちろん140mm/120mmファンにも対応するが、やはり200mmファンで仕上げたい。
こればかりは仕方ないが、フロント200mmファン2基を標準装備とし、その他をオプション化したバリエーションモデルの登場にも期待したい。
提供:Thermaltake Technology
株式会社アスク

