エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1671
2026.06.16 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
|
| Noctua Jakob Dellinger氏(2026.6.5 Taipei) |
Noctuaは創業当初より、空冷によるCPU冷却に対して特別なこだわりを持ち続けてきた。製品開発にまつわるプロセスや各種データを惜しみなく開示する姿勢、そして何より同社の哲学が詰め込まれた完成度の高い製品群は、多くの自作派を魅了し続けている。決して安価な製品ではないにもかかわらず、である。
ここで、現在のオールインワン型水冷ユニットの歴史を少し振り返ってみたい。それまで一部のユーザー向けだった水冷を、オールインワン型のパッケージとして広く普及させた存在が、2009年に登場したCORSAIR「Hydro Series H50」だ。Asetek製プラットフォームを採用し、メンテナンス不要の手軽さと高い冷却性能を両立。現在主流となっている密閉型AIO水冷ユニットの原点のひとつであり、以後のAIO市場拡大の大きなきっかけとなったことは間違いない。
|
2011年、エルミタージュ秋葉原初登場時のJakob Dellinger氏(画像中央) |
折しもその2009年11月、現在の空冷最強クラス「NH-D15 G2」の源流とも言える「NH-D14」がデビューを果たしている。発売当時、同社の頭脳であり、創業時からのメンバーであるJakob Dellinger氏にAIO水冷について聞いたところ、「Noctuaの空冷で十分に冷却が可能」という趣旨の回答を得たことを、筆者は今でもはっきりと覚えている。ツインタワー型ヒートシンクとデュアルファンで構成された同モデルは、産声を上げたばかりのAIO水冷と比べても、非常に高いパフォーマンスを発揮していた。
|
| 当時検証したNoctua「NH-D14」(2009年11月発売)。ちなみにこのモデルが2024年に発売された「NH-D15 G2」の元祖とされている。当時のパッケージはホワイト基調だった(コーポレートカラーはすでにブラウン) |
そしてH50登場から17年。AIO市場を長らく静観してきたNoctuaがついに参入し、文字通り満を持して投入するのが「NL-LC1」というわけだ。Noctuaの空冷の歩みを見続けてきた筆者にとっても、これはJakob氏にも負けないくらい感慨深いできごとなのである。
ここで「NL-LC1」の製品ラインナップをご紹介しよう。用意されるのはラジエーターサイズ違い(240mm /360mm / 420mm)で合計3種類だ。市場想定売価は240mmサイズが219.90ドル、360mmサイズが249.90ドル、420mmサイズが279.90ドルと発表されている。参考までに「NH-D15 G2」は149.90ドルだから、決して安価なAIO水冷ではないことは確かだ。
冒頭でも触れたとおり、編集部には既に全種類の評価サンプルが到着しているが、本稿では最も売れ筋と予想される「NL-LC1-36」を取り上げる。追って「NL-LC1-24」「NL-LC1-42」の検証結果もお伝えすることにしよう。
|
| 今回第1弾として検証を行う「NL-LC1-36」 |
|
| 「NL-LC1-24」(上段)と「NL-LC1-42」(下段) |
各モデルのスペックは以下の通りで、対応ソケットはIntel LGA1700 / 1851、AMD Socket AM5 / AM4。製品保証は6年間とされる。

