エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1671
2026.06.16 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
テストセッションの最後は、80mm PWMファン「NF-A8」を搭載する「NL-LC1」シリーズ専用補助冷却ファン「NL-ACF1」の効果を確認していこう。CPUにはRyzen 9 9950X3D2 Dual Editionを使用し、ストレステストには「OCCT 16.11.1:CPU」を用いた。
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| ファンなし:アイドル時のサーモグラフィ | ファンなし:高負荷時のサーモグラフィ |
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| ファン搭載:アイドル時のサーモグラフィ | ファン搭載:高負荷時のサーモグラフィ |
Ryzen 9 9950X3D2 Dual Editionは最大230W近いPackage Powerに達するため、補助ファン非搭載時のVRM温度は79℃まで上昇した。一方、「NL-ACF1」を装着すると温度上昇は大幅に緩和され、最高温度は65℃に抑えられている。サーモグラフィでも周辺回路の最高温度が約20℃低下しており、「NL-ACF1」がVRMをはじめとするマザーボード周辺回路の冷却に高い効果を発揮していることが確認できた。この結果から、特に高負荷CPUを長時間運用する環境では、有効なオプションになりそうだ。
テストに使用したCore Ultra 9 285KおよびRyzen 9 9950X3D2 Dual Editionはいずれも現行ハイエンドCPUに属する発熱の大きなモデルだが、「NL-LC1-36」は両環境で安定した冷却性能を発揮。特にCore Ultra 9 285Kでは250W級の高負荷時でも平均80℃前後に収まり、十分な冷却余力を確認できた。またポンプ設定による温度差は小さく、静音性を重視した「Quiet」設定でも実用上ほぼ遜色のない結果を残している。
静音性も印象的だった。近年のAIO水冷ユニットは冷却性能競争の影響もあり、高負荷時に2,000rpmを超える高回転ファンを採用する製品が少なくない。一方、「NL-LC1」は最大1,800rpmに抑えられたファン制御と、防振構造を備えたポンプユニットの組み合わせにより、高い冷却性能と優れた静音性を両立している。耳障りな高周波ノイズが少なく、Noctuaらしい上質な動作音に仕上げられている点も評価したい。
また、オプションの補助冷却ファン「NL-ACF1」の効果も明確だった。VRM温度を大きく低減できるため、長時間の高負荷運用やオーバークロック用途との相性も良い。単なるアクセサリではなく、「NL-LC1」の設計思想を補完する実用的なオプションと言えるだろう。
市場には数え切れないほどのAIO水冷ユニットが存在する。しかし「NL-LC1」は、派手なスペック競争やベンチマーク至上主義ではなく、冷却性能、静音性、品質、そして長期運用時の快適さを高いレベルでバランスさせるというNoctuaらしい価値観を形にした製品だった。17年という時間は決して短くない。しかし、その長い歳月を費やした意味は、この完成度を見れば十分に理解できる。
なお今回の検証では、主力モデルと位置付けられる360mmラジエーターモデル「NL-LC1-36」を中心に紹介したが、編集部では240mmモデル「NL-LC1-24」と420mmモデル「NL-LC1-42」の検証も進めている。次回はラジエーターサイズによる冷却性能や静音性の違いにも踏み込みながら、2モデルの実力をさらに詳しくお届けする予定だ。
協力:Noctua

