エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1670
2026.06.11 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
Antec(本社:アメリカ カリフォルニア州)国内正規代理店、株式会社リンクスインターナショナル(本社:東京都千代田区)から5月12日(火)に一斉配信されたプレスリリース。その中で筆者を思わず“二度見”させたのが、Antec「ST20M」の市場想定売価だった。
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Antec「ST20M」 市場想定売価税込3,480円(2026年5月16日発売) 製品情報(Antec / 株式会社リンクスインターナショナル) |
価格高騰が続き、暗雲立ち込める自作PC業界において、PCケースが税込3,480円という価格で登場したインパクトは大きい。MicroATX規格対応のコンパクトなミニタワーとはいえ、業界トップクラスの老舗ブランド・Antec製という点もあり、多くの自作ユーザーの注目を集めたに違いない。
果たして「ST20M」は、価格なりに割り切られた格安PCケースなのか。税抜3,164円という“超手頃価格”のミニタワーを、実機ベースでチェックしていこう。
まずはST20Mの立ち位置を、エルミタなりに定義していこう。Antecのグローバルサイトを確認すると、現在PCケースは大きく12のシリーズに分類されている。ST20Mはその中でも「Smart」シリーズに属する新製品だ。
ちなみにSmartシリーズについてAntec本社スタッフに確認してみると、PerformanceシリーズやFLUXシリーズのようなグローバル展開を前提とした主力モデル群ではなく、サイトにも表記されている“Regional Product”(地域向け製品)として、販売地域や案件ごとに展開されるラインナップ群なのだという。なるほど馴染みが薄いわけで、日本国内市場におけるAntec Smartシリーズは、ST20Mが第1弾になるそうだ。
今回、日本導入に至った経緯について聞いてみると、Antec自身が日本国内の主要PCパーツショップへヒアリングを行った結果、バイヤーからの評価が高く、現在の普及価格帯をさらに下回る“コストパフォーマンス重視の定番機”として条件に合致したモデルがST20Mだったという。
実際、5月16日の発売開始前には初回ロット分が完売。さらにセカンドロットも早々に売り切れ、現在はバックオーダーを抱える状況になっているという。
次にスペック表から、ST20Mの概要を把握しておこう。対応マザーボードはMicroATXおよびMini-ITXで、一般的なカテゴリ分けをするならミニタワーPCケースに該当する。
素材はスチール製で、実機を見る限り樹脂パーツはほぼ見当たらない。現在のPCケースでは、フロントベゼルや脚部、内部ブラケットなどにプラスチック素材を組み合わせる構造が一般的だ。しかしST20Mは、外装から内部構造に至るまで、ほぼスチールプレスのみで構成されている。
これは環境配慮というより、工業製品としての合理性を突き詰め、装飾をそぎ落とした結果だろう。ともすれば無骨になりがちな構成ながら、角部分に丸みを持たせるなど、単なる事務用筐体で終わらせていない点も興味深い。そこには、コンシューマ向けPCケースとして成立させようとする設計思想が見て取れる。
なお、外形寸法は幅180mm、奥行き275mm、高さ352mmで、重量は約2.01kg。これらの数値から、エルミタで取り上げるPCケースとしては、かなりコンパクトなミニタワーであることがわかる。さらにパッケーズサイズは幅235mm、奥行き400mm、高さ335mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は約2.48kgに収められている。店頭購入からの場合でも、小脇に抱えて持ち運べる程度の大きさだ。

