エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1705
2026.10.30 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
グラフィックスカードの有効スペースは長さ400mmまで。魅せるフルタワーPCケースだけに、設置スタイルは水平・垂直のいずれにも対応する。
まずは標準の水平レイアウトを試してみよう。なお検証にはASUS「ROG Astral GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 White OC Edition」(型番:ROG-ASTRAL-RTX5080-O16G-WHITE)を用意した。3.8スロット(厚さ76mm)を占有する大型クーラーを搭載しており、幅149.3mm、長さ357.6mmの重量級モデルだ。
搭載手順は、まず背面から拡張スロット右側の「グラフィックスカードスロットクランプ」を開き、2段分の拡張スロット金具を取り外す。続いてグラフィックスカード本体を装着し、クランプをしっかり締め付ければ固定は完了する。
重量級グラフィックスカードをツールフリーで固定できるのは、本製品ならではのギミック。固定後もグラつきはなく、一般的なネジ留め方式と変わらない安定感が確認できた。
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| 搭載後は16ピン電源ケーブルをPSUシュラウド上部のスルーホールから引き回した |
有効スペース400mmに対して、今回搭載したグラフィックスカードの長さは357.6mm。フロント側には十分な余裕が残されており、長さによる制約を意識することはほとんどなかった。現在流通するコンシューマ向けグラフィックスカードの大半が搭載できるだろう。
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| グラフィックスカードスロットクランプは、最近のPCケースでは珍しいツールフリー固定機構。実際に使用した限りでは、固定力や安定性に不安を感じることはなかった |
最後に標準装備の「グラフィックスカードホルダー」で、重量級カードをしっかりサポートしておこう。カードホルダーはマザーボードトレイ背面からネジ留めされており、上下約80mmの範囲でスライド調整が可能だ。
「ROG Astral GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 White OC Edition」には、4基のAxial-techファンを備えたAura Sync対応のVGAクーラーカバーが装着されている。その先端部分をホルダーが下から支えることで、重量によるカードの垂れ下がりを抑えることができる。ハイエンド志向のPCケースには欠かせない、実用的な装備と言えるだろう。
VGAクーラーを強化ガラス製左サイドパネルに正対させて固定できるのが、垂直レイアウトだ。ライザーケーブルは別途用意する必要があるものの、垂直レイアウト用のブラケットやホルダーも付属しており、試してみようというユーザーは多いだろう。
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搭載手順は、まず「グラフィックスカードスロットクランプ」で固定されている拡張スロット金具4段と、ネジ留めされている残り4段をそれぞれ取り外す。続いてグラフィックスカードに「Vertical Graphics Card Mount」をネジ留めする。
なお、このタイミングでライザーケーブルをマザーボードに接続しておこう。次に垂直マウント用金具を装着したグラフィックスカードを縦にした状態で、空いた拡張スロット部分に取り付ける。
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| 上部2段分の空きスペースは、取り外した拡張スロット金具で塞ぐ |
実際に搭載してみると、「ROG Astral GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 White OC Edition」は重量級グラフィックスカードだけに、水平マウントよりもやや安定感に欠ける印象がある。これはPSUシュラウドが縦置きのため、ライザーケーブル側の基板を固定できず、浮いた状態になることが一因だ。そこで、この不安を補うのが付属品の「Vertical Graphics Card Support Stand」だ。
出荷時より装備されている「グラフィックスカードホルダー」と付け替える格好で、マザーボードトレイ背面からネジ留め。垂直マウントしたグラフィックスカードを側面から支えることができる。水平マウント用のホルダーとはやや役割が異なり、垂直マウント時に重量級グラフィックスカードを安定して固定するには、欠かせないアイテムと言えるだろう。
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重要な役割を果たす「Vertical Graphics Card Support Stand」。グラフィックスカードとの接触面にはシリコンラバーが装着されている |
約2週間にわたって検証してきたASUS「ROG Cronox ARGB」。曲面強化ガラスや9.2インチLCDパネル、独自の冷却機構など、ROGシリーズのフラッグシップ級モデルにふさわしい装備を備えたフルタワーPCケースだった。
売価約10万円という価格に見合う価値はあるのか。まず[○]は、洗練された外観デザインと高い筐体剛性だ。曲面強化ガラスの質感や着脱機構の精巧さはもちろん、重量級パーツを満載しても捻れを感じさせない頑丈な作りは評価したい。特許取得済みの回転式サイドファンブラケットも、スムーズな可動アクションが印象的だった。
また、縦置きPSUシュラウドによって底面やリア下段に冷却ファンの搭載スペースを確保し、背面には9.2インチLCDパネルを配置。内部空間を有効活用した設計も良くできている。
一方で[×]は、細部の素材構成と垂直マウント時の安定性だろう。アルミニウムトリム構造は、実際には樹脂製ベースにアルミニウム板を組み合わせたもの。価格を考えると物足りなさが残る。また、縦置きPSUシュラウドはライザーケーブル(基板)の台座の役割を果たせず、重量級グラフィックスカードの垂直搭載では専用ホルダーによる補強でもやや心許ない。
また搭載できる冷却ファンは120mmファンのみという割り切りは、賛否の分かれるところだろう。
ともあれ、PCパーツの価格高騰が続く今、性能やコストパフォーマンスだけを追い求めることが、自作PCの楽しさのすべてだろうか。パーツを選び、試行錯誤しながら理想の一台を完成させる。その過程そのものを楽しむのも、自作PCの醍醐味だったはずだ。
「ROG Cronox ARGB」は、そんな自作PCの原点を改めて思い出させてくれる一台なのかもしれない。
提供:ASUS JAPAN株式会社

