エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1687
2026.08.25 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
テストセッションのラストは、Core Ultra 9 285Kで「OCCT 17.0.14」を動作させた際のヒートシンクの様子をサーモグラフィーで確認しておこう。
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| アイドル時のサーモグラフィー結果 | |
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| 高負荷時のサーモグラフィー結果 | |
サーモグラフィーの結果を見ると、受熱ベースに近いヒートシンク下部ほど温度が高く、上部に向かうにつれて低下していることが分かる。また、ヒートパイプ部はアルミニウムフィンより温度が高くなっており、受熱ベースからヒートパイプを伝って熱が移動している様子がうかがえる。
自作派の誰もが知っているアイネックスの知名度に比べれば、「BLUE AIAS」はまだまだ浸透していない。そんなブランドから市場に投入された「Testudo Formation」に、大きな期待を抱かなかった読者も少なくないかもしれない。それも無理はないだろう。しかし、ここまでの検証結果を見てどう感じただろうか。
冷却性能については、正直なところ想像以上だった。Ryzen 7 9800X3Dでは、Package Powerが150W前後に達する高負荷時でもサーマルスロットリングと思われる挙動は見られず、CPUの性能をしっかりと引き出すことができた。一方、TDP 200WのRyzen 9 9950X3D2 Dual Editionでは、OCCT実行時に最大動作温度の95℃付近まで上昇。大きな性能低下こそ確認されなかったものの、このあたりがTestudo Formationにおける冷却性能の限界と考えていいだろう。
一方で、興味深いのはCore Ultra 9 285Kの結果だ。Package Powerが250W前後で推移するOCCTでも最高温度は100℃にとどまり、CPUクロックやPackage Powerも安定していた。つまり、公称の「TDP 275W対応」という数字だけで冷却能力を一律に判断することはできず、CPUの構造や発熱特性によって結果は大きく変わる。それでも、250W級の負荷を継続して受け止められた実力は、ツインタワー型CPUクーラーとして十分評価できる。
また、高負荷時には2基の120mmファンが公称最大値となる2,000rpm前後まで回転するものの、騒音値は40dBA前半。オープンフレーム環境でも耳障りに感じることはなく、冷却性能と静音性のバランスも良好だ。ハイエンド志向の空冷クーラーのひとつとして、既存モデルとは十分に肩を並べることができている。
ここまでなら、よく冷えるCPUクーラーで終わるところだ。ただし、「BLUE AIAS」を展開しているのは、“あのアイネックス”だ。同社の強みは、圧倒的な販売網にある。
冒頭でも触れた通り、自作PCには欠かせない製品を数多く手掛けるメーカーとあって、PCパーツ専門店はもちろん、大手量販店やカメラ系量販店でも数多くの製品が取り扱われている。こと入手性という点では、自作PC関連メーカーの中でもトップクラスと言っていい。
そして「Testudo Formation」は、秋葉原の主要PCパーツショップで税込6,980円。RGBイルミネーションやディスプレイといった付加機能は持たず、CPUを冷やすという本来の役割に徹した製品だ。それでいて今回確認できた冷却性能と静音性を備え、この価格で手に入る。後発のツインタワー型CPUクーラーながら、十分に競争力のある1台に仕上がっている。
“あのアイネックス”のCPUクーラーという意外性から始まった今回の検証だが、終えてみればブランドの珍しさだけで語る製品ではなかった。
協力:株式会社アイネックス
