エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1589
2025.09.20 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
グラフィックカードの有効スペースは長さ420mmまで。そこで搭載テストにはNVIDIA「GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition」を用意した。カード長は304mm(幅137mm、厚さ61mm/3スロット占有デザイン)で、この数字からも余裕で搭載ができる計算だ。
搭載方法はシンプルで、占有する3スロット分の拡張スロットを一旦外し、GeForce RTX 4080 SUPER F/Eを装着。3本のハンドスクリューでしっかり固定する。なおグラフィックカード固定後のフロントパネル(強化ガラス)までのクリアランスは、実測で約115mmだった。
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| 12V-2×6コネクタケーブルは、マザーボードトレイとPSUシュラウドの付け根部分にあるスルーホールを利用。最新ロットからは新設されるPSUシュラウド天板の穴が便利になる |
最後に、重量級グラフィックカードを支える付属品「GPUサポートステイ」(型番:GB-001)について触れておこう。結論から言えば、今回の検証環境では使用できなかった。
仕組みとしては、マザーボードの2列目中央と3列目中央のスタンドオフに専用のロングスタンドオフを取り付け、その上にネジ穴付きのステイを固定し、さらにL字型ヒンジでカードを支える構造だ。ところが、グラフィックカードを支えるL字型のヒンジの固定ができない。使用したマザーボードは、M.2スロット全体を覆うカバー(ヒートシンク)が装着されているため、ステイにネジ留めできなかった。
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| 付属のネジでL字型ヒンジを取り付けてみたところ、カバー(ヒートシンク)に突き抜けてしまうだけでなく、しっかり固定することができなかった |
短いネジを使えば固定はできそうだが、重量級のグラフィックカードを支える強度が確保できるかは心もとない。GPUサポートステイに求められる“汎用性”については、改善の必要性が感じられた。
数年前なら、売価1万円クラスの製品は「1万円相応」と思わせる出来が多かった。しかし今回検証した「Vector V100」は、市場想定売価こそ1万円ながら、その価格を感じさせない設計と独自性を備えている。価格設定は企業努力の成果とも言えるが、ライバルひしめくピラーレスデザインPCケース市場において、しっかりと“LIAN LIらしさ”を主張できている。ただし、長所と短所がはっきりと見える製品でもある。
まず[×]な点は、ストレージ収納力だ。2.5インチSSDと3.5インチHDDを各1台搭載すれば満載となり、拡張の余地がない。いくらM.2 SSDが主流とはいえ、この割り切りを熱心なエルミタ読者がどう評価するかは気になるところだ。加えて、フィギュア用“お立ち台”の傾斜により、実質的に3.5インチHDDの収納力を1台分削る形になっている。せめて2台分の確保があった上でのトレードオフなら、ユーザーの判断に委ねられただろう。また、3.5インチHDDの底面3点留めもやや不安が残る。
一方[○]な点は、拡張性の高さだ。LIAN LIが用意する豊富なオプションパーツを組み合わせれば、エントリークラスのケースがミドルレンジからハイエンド志向へと進化していく。今回は冷却ファン非搭載モデルを選び、自由にファンを組み合わせてみたが、コストは掛かるものの“魅せるPCケース”としての完成度は格段に高まった。
これらは拡張性の裏付けであり、同時にLIAN LIの懐の深さを感じさせる部分でもある。他社パーツとの相性も十分楽しめるが、あえてLIAN LIの“術中”にハマってみるのも面白いだろう。良い意味でも悪い意味でも、Vector V100は“LIAN LI独自の言語”で設計された個性派PCケースであることに間違いはない。
提供:Lian Li Industrial Co., LTD,
株式会社アユート

