エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1454
2024.09.04 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここまでFV270 RGBの特徴的な内外装をくまなく見てきた。どのモデルとも異なるFV270 RGBの世界観は、多くの熱心な自作派の感心を集めている。どうしても外観に興味がいきがちだが、実際に組み込みを行ったところでどのように評価されるだろうか。最終セッションでは構成パーツを用意し、実際にPCを組み上げる工程をご覧いただく。製品本来の善し悪しは、やはり内部設計がキモとなるだろう。
FV270 RGBの対応マザーボードは幅が広いものの、やはり主となるのはATX規格だろう。搭載テストにはMSI「MPG Z790 CARBON MAX WIFI」を用意した。
搭載方法は通常通り。予め装着済みのスタンドオフ(台座)に付属のミリネジ合計9本でネジ留めを行う。FV270 RGBはフロントパネルもまるっと外れるため、作業はしやすい部類だろう。なおマザーボードの右手に装備されるケーブルマネジメントカバー(with graphic card holder)については、装着したままで作業ができそうだ。
E-ATX規格では移設する必要があるケーブルマネジメントカバー。今回はATX規格マザーボードだが、どんな作りかチェックしておこう |
ケーブルマネジメントカバーについて触れておくと、出荷時にはATX規格用のポジションで固定。E-ATX/CEB規格のマザーボードを搭載する場合は一度取り外し、前方へ移動する。役割はATXメイン24pinケーブルやSATAケーブルなど、マザーボードの右端縦列に接続するケーブル類をカバーで隠す事ができる。背面コネクタマザーボードなら不要なアイテムだが、多くのユーザーはその恩恵を受ける事ができるだろう。
ひとつだけ注文をつけると、シャーシへの固定には3本のネジを使用。そのうちボトムカバー付け根部分の2本のネジは傾斜した面にあり、ネジ留めには小さな金属製ヒンジを背面にあて、ネジ留めを行う。そのヒンジが小片のパーツで、ネジを緩めるとほぼ確実に後方へ脱落してしまう。元に戻す際はマザーボードトレイ表裏での作業になるため、これがまた厄介だった。着脱頻度は低いものの、もう少し簡単な固定方法に改善してほしい。
マザーボードを固定したところで、CPUクーラーの有効スペースをチェックしておこう。公称値は高さ180mmだが、CPUの上にレーザー距離計を設置し、マーカーを付けた強化ガラス製左サイドパネル内側までを計測すると、デジタル表示は199mmを示した。
続いてマザーボードトレイ背面から、CPUクーラーメンテナンスホールのカット部も見ておこう。開口部は幅約175mm、高さ約130mmで、マザーボードのCPUクーラーマウントホールは十分に露出できている。
計測にあたり一度3.5インチHDDトレイを外している。ストレージを組み込むまで、この状態が扱いやすいだろう |