エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1454
2024.09.04 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
編集部にやってきたのは、COUGARブランドの新型PCケース「FV270 RGB」だ。撮って出しレビューでは久しぶりの登場とあって、本題に入る前にCOUGARブランドについてその素性と国内市場での状況について触れておきたい。
COUGARは会社名ではなく、COMPUCASE Enterprise(本社:台湾)のいちブランドであり、HECのロゴに馴染みがある読者もいるだろう。コンシューマ向け製品に留まらず、サーバー関連やEmbedded市場など、コンピューター関連部品では大手中の大手企業だ。先に触れた通り、COUGARはその中のひとつに過ぎず、実際には決して表に出せないブランドのOEM供給を複数行っている。その実績は多岐にわたるため、知らぬ間にCOMPUCASEの製品を使っている人はたくさんいるはずだ。
そんなCOUGAR. COMPUCASE ENTERPRISEからリリースされた「FV270 RGB」は、流行のピラーレスデザインを採用。と言っても同コンセプトの既存PCケースとは一線を画し、個性的なデザインから多くのメディアやSNS等で話題になっている事はご存じの通りだ。
COUGAR「FV270 RGB Black」(型番:CGR-58M6B-RGB) 市場想定売価税込29,980円(2024年8月2日発売) 製品情報(COUGAR / 株式会社アユート) |
ちなみに本稿で取り上げるのはブラック色だが、ホワイト色「FV270 RGB White」(型番:CGR-58M6W-RGB)も同時発売。ひと頃の大ブームから定番に落ちついた感のあるホワイトに統一したPC構築には最適なベース筐体というワケだ。ちなみに市場想定売価はブラックが税込29,980円に対し、ホワイトは30,980円と1,000円の差がある。
さらにボトム部に120mm ARGBファン1基のみを標準で備える「FV270」シリーズも用意される。市場想定売価はブラック色が税込25,980円、ホワイト色は税込27,480円で、こちらは1,500円の差がある。
COUGAR「FV270 RGB White」(型番:CGR-58M6W-RGB) 市場想定売価税込30,980円(2024年8月2日発売) |
そしてオプションながら注目のギミックとして、ARGB対応の専用回転台「FV270 LUMINOUS ROTATING PLATFORM」を用意。ボトムファンユニットと換装することで、カーブのついたフロント部の強化ガラス越しに、お気に入りのフィギュアなどを飾る事ができる。冷却性能低下を懸念するポジティブ要素を吹き飛ばす、自作PCならではの楽しみ方と言えるだろう。これについては最終セッションで詳しくご紹介する。
パソコン工房 秋葉原パーツ館に展示されていた「FV270 RGB White」と「FV270 LUMINOUS ROTATING PLATFORM White」 |
実機に触れる前に、FV270 RGBの概要をスペック表から確認しておこう。対応マザーボードはE-ATX/CEB/ATX/MicroATX/Mini-ITX。中でもE-ATX/CEBに対応することで大型PCケースを連想するだろう。外形寸法は幅268mm、奥行き512mm、高さ530mmとなり、一般的なミドルタワーPCケースよりも幅が広く確保されている事がわかる。奥行きおよび高さも500mmを超えているため、エルミタ的にはフルタワーサイズだが、メーカーおよび国内代理店のアユートはミドルタワーPCケースと表記している。
その他詳細についてはスペック表を眺めるに留め、2ページ目からは要所を細かく解説していく。なおパッケージサイズは公称で幅345mm、奥行き604mm、高さ595mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は16.86kgになる。店頭からの持ち帰りにはカートが必須で、筆者のような腰痛持ちなら配送(または通販での購入)を選択したい。