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エルミタ的一点突破 Vol.28

Noctua「NH-L9i」「NH-L9a」検証

2012.12.26 更新

文:GDM編集部 松枝 清顕

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「NH-L9i」実力テスト ~冷却能力編~

Noctuaの自信作、「NH-L9」シリーズの概要を把握したところで、CPUクーラーたる肝心の冷却能力をチェックしてみよう。今回使用したマザーボードは、先日のレビューでもご紹介したIntel B75 Expressチップ搭載MSI「B75IA-E33」を使用した。なお、「NH-L9i」の対応TDPは65W(Ivy Bridge)と明記されているものの、ケース内部のエアフローが十分に確保され、さらにTurbo Boostをdisabledにした場合のみTDP77Wも共用範囲という。そこでCPUはIntel Core i7-3770K(TDP77W / Turbo Boost disabled設定)をチョイスし、実稼働におけるCPUコア温度をチェックしてみよう。なお製品にはファン回転数減速ケーブル「Low-Noise Adaptor」(L.N.A.)が付属することから、2パターンでの計測を行っている。
NH-L9i
NH-L9i

CPUクーラーテストレギュレーション(計測室内温度14℃)
1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する
(ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る
2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う
3.CPUに100%負荷をかけ、計5回のテストを実行
4.騒音値は、ファンから30cmの距離で計測
5.高負荷状態はストレステストツール「OCCT 4.3.2」を使用
(アイドル時および高負荷時(100%/30分)の数値を計測)
6.CPU温度計測には「OCCT 4.3.2」を使用(全コア平均値)
7.ファン回転数は「SpeedFan 4.47」を使用
【参考モデル】Intel Core i7-3770K同梱純正CPUクーラー 
アイドル時
高負荷時
2012年6月27日計測時(24.3℃) 37.0℃(33.9dBA) 86℃(40.5dBA)
NH-L9i
上段:Low-Noise Adaptor(L.N.A.)使用時 下段:ファン標準回転時
※Intel Core i7-3770K(Turbo Boost disabled)

もう一度お断りしておくと、今回テストで使用したIntel Corei 7-3770KはTurbo Boostをdisabledの状態で計測を行っている。よって、これまで検証してきたレビュー検証結果との直接比較はできない点は、留意する必要がある。
 結果を見ると、同梱されるファン回転数減速ケーブル「Low-Noise Adaptor」(L.N.A.)使用(グラフ上段)で、アイドル時29℃、高負荷時59℃。一方、標準回転時では、アイドル時28℃、高負荷時55℃となった。室内温度が低かった事も手伝って、アイドル時は30℃を切り、高負荷時でも50℃台に収まっている。高さ37mmのCPUクーラーという点を考慮すれば、非常に良好なスコアだ。ちなみに「Low-Noise Adaptor」(L.N.A.)使用で4℃の差は、エアフローの強弱が機敏に反応している証拠と言える。

「NH-L9i」実力テスト ~ファン回転数編~

NH-L9i
上段:Low-Noise Adaptor(L.N.A.)使用時 下段:ファン標準回転時
※Intel Core i7-3770K(Turbo Boost disabled)

次に冷却ファン回転数を「SpeedFan 4.46」で確認したところ、標準でアイドル時956rpm、高負荷時2,547rpm、「Low-Noise Adaptor」(L.N.A.)使用時では、アイドル時910rpm、高負荷時1,609rpmとなった。アイドル時は誤差の範囲内として、高負荷時を見比べると、「Low-Noise Adaptor」(L.N.A.)は約40%ほど減速されている。単純に言えることではないが、回転差938rpmはCPUコア温度テストで計測された“4℃分”という事になる。

「NH-L9i」実力テスト ~騒音値編~

NH-L9i
上段:Low-Noise Adaptor(L.N.A.)使用時 下段:ファン標準回転時
※Intel Core i7-3770K(Turbo Boost disabled)

次にデジタル騒音計を用いて、騒音値を計測。計測ポイントは冷却ファンから30cmの距離とした。約40%ほど減速できるLow-Noise Adaptor(L.N.A.)使用時では高負荷時34.5dBA、標準では高負荷時39.4dBAとなった。その差は4.9dBAだがこれはあくまで数字上。アイドル時が32.3~33.2dBAの静音状態であることから、さすがに耳で感じる高負荷状態の騒音値を低く感じることはない。“PCケースに入れれば気にならない”という常套句も、Mini-ITXケースが小型であることから、説得力にも限りがある。音の感じ方はそれぞれだが、40dBAに届こうという値だけに、人によって気になるかもしれない。

NoctuaブランドのNoctuaらしいCPUクーラーの秀作

NH-L9

セカンドPCとしての役割を果たせばそれでよかったMini-ITX。しかしそれは一昔前のはなしで、現在市場に出回る製品の多くは、デスクトップ向けチップセットを搭載した、立派なメインPCが構築できるベースへと進化した。高性能化は自作派にとって喜ばしいことであり、対応PCケースも選択肢が増え、手持ち資産を活かして「いっちょ作ってみるか」と、その気にさせてくれる。一方で無くてはならないCPUクーラーにいたっては、限られたモデルで妥協しなければならない状況が続いている。
 そんな中、今年11月に国内での発売が開始された「NH-L9i」「NH-L9a」は、にわかに活況なMini-ITXフォームファクタにはまさにモッテコイ。得意の工作精度の高さから生み出される冷却性能は、期待を裏切らないものだった。今回は機材の関係から、Intel用「NH-L9i」のみのテストになってしまったが、「NH-L9a」はASRock「FM2A75M-ITX」あたりとの組み合わせがいいだろう。機会があれば是非試してみたい。

【静音性】 4.0ポイント
高負荷時の騒音値を考慮すれば、4.0ポイントは意見の分かれるところだろう。ただしアイドル時は静かで、Low-Noise Adaptor(L.N.A.)を使用すれば、最大回転付近でも30dBA台半ばで抑えられている。ロープロファイルである事を考えれば、妥当なところではないだろうか。100%高負荷状態が続くようなシーンはさほどないだろうと想像し、ギリギリ4.0とした。
【冷却性能】 5.0ポイント
これもロープロファイル仕様である事を考えれば、5.0で文句は無い。ただし冷却テストセッションでは触れなかったが、Intel Core i7-3700KのTurbo Boostを有効にした場合は、さすがに少々辛かった。製品情報にもあるように、Turbo Boostは無効にした上で、対応TDP内で使用すべき。
【取り付け易さ】 5.0ポイント
Intel純正CPUクーラーのプッシュピン式には劣るものの、ネジ留め式でこれ以上楽な製品はない。4本のネジだけで固定できるシンプルさは、同梱品を最小限に抑えることができ、無駄がない。スマートなNoctuaブランドらしい、スマートなマウント方法が採用されている。
【コストパフォーマンス】 4.5ポイント
凝ったパッケージ、工作精度、冷却能力を総合すると、4,000円台後半の売価は妥当。Mini-ITXユーザーなら買って損は無い。
Noctua「NH-L9i」総合評価

協力:RASCOM Computerdistribution(Noctua)
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