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最終更新日 2026年7月17日 23:14

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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.32

– 禁断の電源ユニットばらしシリーズ(全3回)-
またばらしました。 Antec TPQ-1200編

2010.03.29 更新

文:テクニカルライター Jo_kubota

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Antec 禁断の電源ユニットばらし

AC入力1次回路:サブ回路

ここは主にスイッチングの制御、3.3V/5V、+5VSBへの出力を生成している
【サブ回路】サブ回路の部品をすべて外したところ 【トランス】スペックは不明ながら、3.3V/5Vラインへの出力はこのトランスが受け持っている
【PFCコントローラ】基板に載っているICは、Texas Instruments製の「UCC28070」。PWM制御のPFCコントローラだ 【保護回路?】この小さな基板は、リセッタブルヒューズとチップトランジスタで構成されていることから、保護回路と推測されるが、具体的な目的は不明
【トランジスタ】ON Semiconductor製の「MJE182G」は、NPNトランジスタだ。恐らくパワーオン回路の検知用と思われる 【コイル】サブ回路に使われているコイル。いずれも基板の上にコイルが実装され、エポキシ系樹脂で固定されている
【パワーMOSFET】FAIRCHILD製のパワーMOSFET「FQPF8N80C」。トランスに入力するスイッチングの役目を担っている 【フォトカプラ】「PC123」はポピュラーなフォトカプラ(光スイッチ)。電気的に分離できるため、ATXパワーオン回路の必需品だ。ATX電源では必ず使われている
【その他】その他の部品。TPQ-1200には多くの電解コンデンサが使われているが、そのほとんどが日本ケミコン製となっている
サブ回路部分を取り外した状態。面積的に50%の部品を外したことになるが、部品点数的には70%くらい外している

DC出力:3.3 & 5V 回路

【コンデンサ】コントロール基板付近に実装されていたコンデンサ。すべて電解コンデンサかと思ったら、固体コンデンサも使われており、なぜか収縮チューブでコーティングされていた 【コイル】3.3V/5Vライン用のスイッチング用コイル。太巻きのコイルには中央のように収縮チューブで鳴き止めがされている
【IC】左の「BT169D」はメジャーなサイリスタ。右の「1431A」は、基準電圧を生成するためのICで、3.3V/5Vラインの基準電圧を作っている 【3.3V/5Vサブ基板・表】表側にはコイルと固体コンデンサが実装されている
【3.3V/5Vサブ基板・裏】裏側にはヒートシンクが装備され、これを剥がすとパワーMOSFETが現れる。3.3V/5Vがサブ基板として実装されることは、最近の電源ユニットではよく見る光景だが、ここまでしっかりとしたヒートシンクを装備している製品は初めてかもしれない
【過電圧・過電流保護回路】基板に載っている「PS232S」は、6チャネルの電圧を監視することができるモニタリン グICだ。これによりOCP(Over Current Protection/過電流保護)、OVP/UVP(Over-Voltage/過大電圧保護、Under-Voltage Protection/過小電圧保護)を実現している サブ基板も外され、残るはメイントランスと、出力側のスイッチング回路のみとなった

サブ回路その2

12Vのメインスイッチング回路のコントロールや、-12Vなどを扱うサブ回路部分
【コントロール基板】16ピンQSOPが「6752AA」と書かれていることから、Intersil社の 「ISL6752」のようだ。このチップ、電圧ゼロでのスイッチングを可能にするPWMコントローラで、TPQ-1200の謳い文句の一つである「最小負 荷電流0A」というのは、このチップによって実現しているようだ サブ回路を剥ぎ取り、中央に残るトランスを外したいところだが、例によってガッチリとハンダ付けされているため、筆者のハンダ除去工具では残念ながら外すことは叶わなかった

DC出力:12V回路

【コンデンサ】12V出力のコンデンサを全部外してみたところ(画像右)。使われているのは日本ケミコン製の電解コンデンサで105℃品
【温度センサー】12V出力用のパワーMOSFET部分のヒートシンクに、この温度センサーが取り付けられている。電圧読みではなく、抵抗読みするタイプの極一般的な温度センサーのようだ 【最終形態】12V出力側のコイルおよびトランスは、かなりガッチリ付いているため、全く外れる気配がなく、今回はここまでとした。面積にして約75%、部品点数にして90%は外せた

あとがき 「ばらばら」は体力気力勝負。

お借りしたAntec「TPQ-1200」をバラして思ったことは、基板サイズがやや大きい分、分解がラクということ。前回のENERMAX「PRO87+」は、かなり詰め込んでいたが「TPQ-1200」は無理なくまとめ、基板上にも若干の余裕が見られる。

本製品の最安値は2万7000円程度と、80PLUS SILVERで1200Wと考えれば非常に買い得感が高い製品だ。安さの秘密は個体コンデンサではなく、高品質の電解コンデンサを使っていること、回路的に無理をしない設計などによってコストダウンを図っているようだ。とはいえ、1200Wもの容量を扱うための対策は万全であり、コントロールICを駆使することによって、各種保護回路を実装するなど、ハイエンドとしての素質を十分持っていると言えよう。

この電源ユニットを選ぶ決め手は、ズバリ、マルチGPU構成をするか否かに掛かっていると言える。消費電力の大きなハイエンドPCを構築するなら、選択肢として大いに魅力ある一台だろう。
 ちなみにファンの音だが、消費電力が350W程度では、ATI Radeon HD 5870のGPUファンの音が気になり、電源ユニットの音はほとんど聞こえない。最大回転数は4000rpmを超えるが、今の時期はほとんど温度が上がら ないため、ほぼ最低回転の1000rpm以下という超低速で回るため、ファン騒音が気になることは皆無だ。

しかし、ここまでバラするのは非常に疲れる。次回も作業が終わったら非常にグッタリしそうだ。ハンダを長時間使うため、換気のために窓を開けると花粉症の筆者にとっては、かなりの地獄。今回は鼻水、涙目と戦いながらの作業をしたのでありました。

【編集後記】 全3回にわたり企画した「禁断の電源ユニットばらしシリーズ」は折り返し地点となる第2回が無事終了した。筆者Jo_kubota氏の“泣き”で締めくくられたAntec「TPQ-1200」編であったが、確かにこれまでのレビュー企画には無い作業の大変さは編集側にもよく伝わってくる。
 これだけの構成部品が使われる自作パーツは恐らく他に無いだろう。この企画を通して、電源ユニットの製造メーカー側の苦労も感じる事ができ、普及価格帯であれば1万円程度で購入できてしまうというのはどこか申し訳なさを覚えてくる。もう少し注目されても良いのではないだろうか?そしてあまりにも電源ユニットについて知らないことが多い事に反省するばかりだった。
  さて、締めくくりのような雰囲気になってしまったが、次回がいよいよ最終回。有終の美を飾るに相応しく、これが最後とばかりこれでもかとバラバラにしてみたい。しかしながら、Jo_kubota氏の体力は持つのであろうか?そちらも併せてご注目頂ければと思う。

協力:株式会社リンクスインターナショナル
Antec
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