エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1126
2022.04.11 更新
文:撮影・ジャイアン鈴木
最後にノートPCとしての基本的な使い勝手について、気に入った点、不満を感じた点をお伝えしよう。なんと言っても特筆すべきは有機ELディスプレイの画質。色域を実測したところ、sRGBカバー率100.0%、AdobeRGBカバー率97.0%、DCI-P3カバー率100.0%とスペックどおりの広色域を確認できた。
色域だけでなく、コントラスト比は1,000,000:1、輝度は最大500cd/m²と優れている。AERO 16のディスプレイは、一度観た映画やミュージックビデオをもう一度見返したくなるほどハイクオリティだ。
実測したDCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は112.3% |
YouTubeやNetflixなどのHDRコンテンツを、締まった黒、鮮やかな発色で心ゆくまで堪能できる |
インターフェイスの構成については好みが分かれる。Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen.2 Type-C×1、3.5mmコンボジャック×1のみなので、マウスのドングルやUSBメモリを接続する際は何度も不便を感じた。冷却口を最大限の広さで確保するためにUSB Type-A端子を排除したとのことだが、まだまだ数年のスパンで必要となる端子だと思う。
右側面にThunderbolt 4×2(右側のみ100WのUSB Power Deliveryに対応)、左側面にUSB 3.2 Gen.2 Type-C×1、3.5mmコンボジャック×1を装備 |
有線LAN、USB 3.1 Gen.1 Type-A、miniDisplayPort、HDMI端子を増設するための「AERO Hub USB-C 4 in 1」が同梱されている |
最後まで慣れることができなかったのがキーボード。Enterキーの右にDel、Home、PgUp、PgDn、End、右カーソルキーが配置されているうえ、「,」「.」「/」「\」キーの幅が狭められているために誤入力が頻発した。ボディサイズの都合で記号キーの幅を狭めているのならまだ納得できるが、Enterキーの右横にキーを配置するために記号キーの幅が狭められているのは、本末転倒のように思う。せっかく日本語キーボードを用意するのなら、日本語入力時にはEnterと句読点キーをひんぱんに打鍵することを考慮してデザインしてほしい。
エディターソフトなどでHome、PgUp、PgDn、Endキーを多用する方にはよい配列なのだろうが、Enterキーの右にキーがあることで(筆者の場合は)誤入力が多発してしまった |
3,840×2,400ドット、16:10の16型4K有機ELディスプレイを採用したAERO 16は、第12世代Intel CoreプロセッサのHシリーズと、NVIDIA GeForce RTX30シリーズのディスクリートGPUを組み合わせつつ、あくまでもクリエイティブワークに軸足を置いたマシンだ。写真現像、動画編集などを生業にしているプロクリエイターにもってこいの一台だ。
協力:日本ギガバイト株式会社