エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1037
2021.08.12 更新
文:藤田 忠/撮影:編集部・松枝 清顕
GIGABYTE「X570S UD」 市場想定売価税込27,000円前後(2021年7月31日発売) 製品情報(GIGABYTE) |
今回の主役GIGABYTE「X570S UD」は、AMD X570チップセットに搭載されていたチップセットファンを省略し、静音性を高めたGIGABYTE「AMD X570S」シリーズの一角だ。チップセット自体の性能や機能に差はないが、ハードウェアレイアウトの最適化などにより、ファンレス運用を可能にしている。2019年7月の発売以来、熟成を重ねてきたX570チップセット向けマザーボードのBIOSはそのままに、電源回路や冷却回路の強化をはじめ、当時非搭載だったUSB3.2 Gen.2や2.5ギガビットLANを搭載するなど、随所が強化されている。
GIGABYTEはクリエイター向けというVisionLINK機能に加え、特徴的なホワイトカラーのヒートシンクが特徴的な「X570S AERO G」をはじめ、同社定番の「AORUS」シリーズ3モデル、そして今回取り上げる高耐久シリーズの「Ultra Durable」に属する「X570S UD」の計5モデルを展開している。いずれのモデルも魅力的だが、「X570S UD」はシンプルなデザインや、基本をおさえた機能のなかに光るものがある。これからゲーミングやクリエイティブ、リモートワークなどのビジネス用途に十分な仕様になっている。
そのデザインに惹かれるユーザー続出中のクリエイター向け「X570S AERO G」など、計5モデルをラインナップ。【関連記事】GIGABYTE、チップセットファンを省略した「AMD X570S」シリーズ発表 |
「X570S UD」の市場想定売価は、2019年9月に税込19,000円前後で登場した「X570 UD」から8,000円前後アップしているが、随所がアップグレード。電源回路はコンポーネントコストを抑えた10+2フェーズの電源設計から、50A対応DrMOSとプレミアムチョークやコンデンサを採用する12+2フェーズに大幅強化。そのうえ冷却ヒートシンクはリアインターフェイスのカバー部に迫り出す大型タイプに変更され、冷却効果が高められている。さらにM.2スロットが、2基から3基に増加。そのうち1基にはM.2ヒートシンクが装備され、高速だが高発熱のPCI-Express4.0(×4)対応のNVMe M.2 SSDを安心して組み合わせられるようになっている。
50A DrMOS採用の12+2フェーズ電源回路を採用。大型化されたヒートシンクとともに、最大32スレッドのRyzen 9を安心して組み合わせることができる |
Intel LGA1200プラットフォーム向けの最新マザーボードに搭載されている最新インターフェース「Thunderbolt 4(USB4)」は非搭載になるが、帯域幅が10GbpsになるUSB3.2 Gen.2 Type-Cポートをリアに1基装備。また、PCケースフロント向けのType-Cヘッダーコネクタも備わっている。そのほか、ネットワークは残念ながら最新無線LAN規格のWi-Fi6こそ非搭載になるが、有線LANには安定性に定評があるRealtek製ネットワークコントローラーチップによる2.5ギガビットLANを搭載。M.2スロットと拡張スロットの動作は組み合わせるCPUで異なるが、M.2スロットはCPUソケット側からPCI-Express4.0(×4)/SATA、PCI-Express4.0(×4)、PCI-Express4.0(×4)/SATA接続の計3スロットを装備。拡張スロットも、PCI-Express4.0(×16)形状(×16/x8接続)x1、PCI-Express(x2/x16形状)×1、PCI-Express(x1)×2と必要十分だ。
M.2スロットを3基実装、うち1基にはヒートシンク「M.2 Thermal Guard」を搭載。チップセットヒートシンクの大きさは、前モデルとあまり変わらないが、ファンレス仕様 |
6層基板のPCBを採用。基板裏には、CPUバックプレートのほかは、補強プレート類は備わっていない |
そのほかにも、一体型I/Oバックパネルや、重量級グラフィックスカードをしっかりと支える「Ultra Durable PCIe Armor」、操作性に定評がある高性能ファンコントロール機能の最新バージョンとなる「Smart Fan 6」、LEDイルミネーション機能は非搭載になるが、RGB LEDデバイスを制御できる「RGB Fusion」なども備わっている。
一体型I/Oバックパネルも新たに採用。PC自作初心者に限らず、組みやすくなっている |
パッケージには「Ultra Durable」の頭文字”UD”ロゴが大きくプリントされている |
パッケージ裏面には製品スペックや特徴が記載されている | 日本語化されたマニュアルや、M.2 SDD固定ネジ、SATAケーブルが付属する |