エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1000
2021.05.21 更新
文:池西 樹(検証)/文・撮影:松枝 清顕(解説)
Noctua「NH-U12S redux」をパッケージから取り出し、本体のチェックをはじめる。その前に、ベースとなるベストセラー「NH-U12S」と比較してみよう。ちなみに編集部には歴代のNoctua製品は、ほぼストックされている。
Noctua「NH-U12S」 実勢価格税込約9,000円(2013年4月発売/画像左) 製品情報(Noctua) |
背面斜め横から見比べるとさすがに兄弟モデルとあって、冷却ファンのカラーが違う程度に見えるだろう。しかし比較表で解説した通り、「NH-U12S redux」はヒートパイプの数が1本少ない。さらにヒートシンクの放熱フィン数やフィンピッチに違いはないものの、製造方法の違いが大きなポイントである事は既に触れた通りだ。
アルミニウム製放熱フィンのデザインに大きな違いは見受けられない。なお製造方法の違いとなるハンダ付けについて、見た目では判断がしにくい |
ヒートパイプは「NH-U12S」の5本に対し、「NH-U12S redux」は4本。受熱ベース部の密集具合に注目 |
ヒートシンクのトップは「NH-U12S redux」のみ4本のネジで固定されている別パーツを採用 |
ベースモデルを引き合いに概要を掴んだところで、本腰を入れて「NH-U12S redux」の細部をチェックしていこう。その昔、コーポレートカラーであるブラウンとベージュの配色についてNoctuaのプロフェッサーことJakob Dellinger氏に直接聞いたところ、その理由は「市場で多く見かける鮮やかなカラーリングとは対照的に落ち着きと静謐を連想させるため」だった。
Noctuaファミリーにあって言わば別あつらえの「NH-U12S redux」は、藍鉄色のインペラと、グレーのフレームのツートンだが、従来カラー同様の”落ち着き”は継承され、センスの良さは相変わらずといったところ。冷却機器としての信頼性も、上手く演出できている。
次に「NH-U12S redux」に触れながら、外観スタイルとヒートシンクに注目してみよう。冷却ファンのカラーは「redux」のある意味象徴だが、それを除けば「NH-U12S」の佇まいそのもの。のちにヒートパイプの異なるレイアウトを紹介するが、Noctuaの代名詞である精巧な冷却機器である点は、きちんと受け継がれている。
真正面から見る「NH-U12S redux」。冷却ファンカラーが違っても、Noctuaの意匠である事に疑いはない |
冷却ファンをワイヤークリップで固定するスタイル。重量は冷却ファンを含め755gに抑えられている |
「100% RAM compatibility」を謳うスリムタイプヒートシンクを採用。およそ8年以上前の設計だが、隣接するメモリスロットとの干渉に配慮されている |
ヒートシンクの幅は45mm(冷却ファン込みで71mm)。ヒートパイプの真上にレイアウトされている事がわかる |
アルミニウム製放熱フィンは50枚で構成。世界中の自作PCマニアを魅了するNoctuaは、性能のみならず外観の美しさにもこだわりが感じられる |