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最終更新日 2026年7月3日 19:26

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トップ > レビュー > 一点突破

絵踏一のKeyboard一点突破 Vol.4

最大多数の最大幸福をご提供。コンパクトメカキーの新定番「Majestouch MINILA」をじっくり試す

2013.05.08 更新

文:GDM編集部 絵踏 一

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徹底的にホームポジション!「MINILA」が見つけた最適配列とは

MINILA
コンパクトに収まった67キー(英語配列)の「MINILA」。やはり使いこなすには「親指ダブルFnキー配列」をマスターする必要があるのだろうか?

DIPスイッチによるカスタマイズも完了。いざ「MINILA」を叩いてみることしばし、やはり「違和感が少ない」と謳う「親指ダブルFnキー配列」であっても、コンパクトキーボードでは定番の“洗礼”を浴びてしまう。確かに普段遊ばせている親指の活用はナイスアイデアなのだが、逆にいつもと違って第一線で働かせるには少しの“リハビリ”が必要だった。個人差はあると思われるものの、概ね慣れるまでは1週間ほどの習熟期間(≒パフォーマンス低下)を満喫しなければならないだろう。もっとも「MINILA」には通常Fnキーとの押し合わせになりがちな方向キーも独立で配置されているため、Fnキーを駆使しなくともそこそこ使えてしまうという特徴もある。とはいえこのキーボードを真に理解するには「親指ダブルFnキー配列」を使いこなすしかないと、素直に習熟期間を楽しむことにした。

「親指ダブルFnキー配列」を頑張って使ってヒントを探してみる

MINILA MINILA
右手側と左手側にそれぞれ固まっているFnキー使用の共通キー。打つキーと同じ側の手を使う「同時打鍵」か、反対側の手を使う「クロス打鍵」かはお好みで。個人的には負荷が集中しにくいクロス打鍵がオススメだ

それでは誰しも初めは苦労するであろう、「親指ダブルFnキー配列」についてじっくり見ていこう。結果的に非常によく考えられた配列だったのだが、初見ではやや中央寄りな共通キーのレイアウトに驚かされた。概ね通常のレイアウト通りに配置された機能キーはさて置き、まず気になったのは「E/S/D/F」キーに配置された方向キーだろう。
 一般的に左手側に方向キーを配置するとき、FPSなどでおなじみな「W/A/S/D」キーを思い浮かべていた。「MINILA」ではそれが1キー分中央に寄っているわけだが、これは「→」キーが配置された「F」キーと、右側で「Insert」キーが配置された「J」キーに気付けばその意図が理解できる。つまるところ、この配列はホームポジションのポジションマーカーをFnキーとの押し合わせの際にもマーカーとしても利用しようというコンセプトに基づいているというワケだ。Fnキー自体をスペースキーの両脇に配置したのも、すべてはホームポジションを崩さないため。「MINILA」の真髄とは、まさに“ホームポジションの徹底活用”に尽きる。確かにホームポジションを維持し続けられれば手の移動も最小限で済み、結果的にかなり高速に入力できるようになるだろう。

MINILA
方向キーやBackspaceキーも手を動かさずに打てる。ホームポジションを維持することに腐心した「親指ダブルFnキー配列」は、マスターできればかなり入力速度を上げられそうだ

気になるMINILAにほんの少しの注文

最後に、「MINILA」を使ってみて気になった“難点”を少しだけ挙げておこう。完成度はかなりの域に達している本製品ではあるものの、如何せんチルトスタンドが低すぎるのには閉口した。「MINILA」のスタンドは「Majestouch」シリーズのそれと共通のパーツを使用しているのだが、立てても角度がかなり緩い。そこで筆者はチルトスタンドの頑丈さとゴムストッパーを利用し、中途半端に立てた“アマダチ”状態で使っていた。意外なことに使用中ぐらついたりというシーンはほとんどなかったのだが、やはりもう少し角度をつけるか、さもなくば「2段チルトスタンド」のような機構が欲しかったと切に思う。
 ほかにも実質パームレストが必須な全高(やや高め)や初見で押し分けにくいFnキー(キートップ形状を変えて欲しかった)など気になる点はあるものの、それらは「MINILA」のメリットとリッチな打鍵感の前には無視できる問題だった。

MINILA MINILA
「これで終わり?」と驚いてしまった、低すぎるチルトスタンド。幸いスタンドが丈夫でゴム足がしっかりしていたため、右のような“アマダチ”状態で使うことができたけれど・・・
MINILA MINILA
手前側がやや高めなため、入力の際はパームレストがあると嬉しい。スペースキーと同じ形状のFnキーもできれば形状を変えて欲しかった

新配列を駆使するもせざるもよし。小さい「MINILA」の懐は深かった

端的に、「Majestouch MINILA」は欲しい、そして使いたいと思わせるに十分なキーボードだった。これまでも“コンパクトキーボード”を標榜するメカニカルスイッチ搭載製品は存在したものの、品質、打鍵感、そして風格を兼ね備えたモデルはなかったように思う。そもそもよほどの高級品か普及品かという価格差の激しい分野において、1万円ちょっとという“スキマ”な価格設定も市場で好感されている理由だろう。
 さらに普段遊ばせていることの多い親指を有効活用、ホームポジションを徹底して崩さない「親指ダブルFnキー配列」はかなり大きな“発明”だ。使いこなせれば今以上に効率よく、かつ高速に入力できるに違いない。キーボードに一家言もつ愛好家もこの見目新しい配列には興味がわくはずで、実際にもう飛びついてしまった人も大勢いることだろう。

MINILA
違和感が少なく馴染みやすい新配列、さらに“使いこなさない”人への配慮も万全。「MINILA」は、このサイズでベストと言える高品位なメカニカルキーボードだった

しかし使いこなす“必要のある”モデルというものはどれも敷居が高く、カルト的な人気に終わってしまう場合がある。その点「MINILA」を手に取ってみると、本来削れたはずの方向キーなど、設計にはFnキーを使わない人へ向けた配慮もにじむ。言葉にするなら「最大多数の最大幸福」の追求とでも言えるもので、新開発の「親指ダブルFnキー配列」など独自の提案も交えつつ、“誰でも使えるコンパクトキーボード”が出来上がった。
 Cherry軸搭載キーボードの最高峰「Majestouch」シリーズの遺伝子を継ぐ「MINILA」は、完成度の点でもトップクラス。このサイズで迷わず手に取れるメカニカルキーボードが、ついに登場したと言えそうだ。


協力:ダイヤテック株式会社
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