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最終更新日 2026年7月8日 8:35

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エルミタ的業界インタビュー「オピニオン」 Vol.13

忘れた頃にやってくる「エルミタ的成田空港現場対談 2013 冬」

2013.01.06 更新

文:GDM編集部 松枝 清顕 / Patric Chen

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台湾 対談
PCケース1台の製造に掛かる時間
  • 編集部:
     PCケースは1台どれくらいの時間で作る事ができるんですか。
  • Patric氏:
     製品や工場の規模により違います。知り合いの会社で、今よく売れているミドルタワークラスだとゼロから完成まで45分くらいでしょうか。さらに複雑なものだと2時間くらいのようですね。
  • 編集部:
     旧正月前はオーダーが集中してたいへんだと聞きますが。
  • Patric氏:
     中国では数週間ほど工場が完全に止まるので、秋くらいから各国の代理店には早めのオーダーを依頼します。それでも大きな工場で1ヶ月10万台ほど。ある程度オーダーを見込んで、共通シャーシ等はあらかじめ組み上げておきます。
  • 編集部:
     基本的に手作業ですか。
  • Patric氏:
     人気モデルだと3つくらい金型を用意し、各部品をガチャガチャ打ち抜く。それをラインに乗せて手作業でリベットを打ち、ドライブベイや冷却ファンの取り付けなどを行っていきます。もうすぐ旧正月になるので、忙しい時期でしょう。
エルミタ的成田空港現場対談 旧正月前はオーダーが殺到。複雑な構造をもつ「COSMOS II」クラスの場合、1台の製造に数時間はかかるのではないかと言われている
「少なくても怒る、多くても怒る」日本国内ユーザー
  • 編集部:
     ところでひと頃に比べれば、PCケースの工作精度が格段に向上しましたね。2012年は売価5,000円クラスのPCケースを数台いじくりまわしましたが、どれも1万円クラスのモデルに負けていない。
  • Patric氏:
     昔なら売価5,000円だと、ペラペラなスチールを使い、いかにも華奢でしたが、上位クラスとは明らかに拮抗しています。製品の価値がよく分からないのが今のPCケースですね。それだけ市場のリクエストが厳しくなっている。
  • 編集部:
     デフレの影響はPCパーツにも出ていますね。以前なら利益率も高く、CPUよりも積極的に売りたいアイテムの代表格でした。今は保管に掛かるコストが嵩む上、輸送コストが掛かるため、やや厄介。ドル箱が無くなっちゃった。
  • Patric氏:
    エルミタ的成田空港現場対談

    多くても少なくてもダメ

     コストもギリギリなので、不良が出た時はたいへんです。日本は運送料が高いので、往復送料だけですでにマイナスです。またこんな話があります。付属品となるネジの調達先を変更したところ、同じ仕様でも若干形が違ってしまった。それでも組み込みにはなんら問題がないため、代理店に報告せず納品したところ、ユーザーからのクレームで相当怒られたそうです。逆に新しいロットから、マニュアルに表記される数よりもわずか数本ネジを多く入れたところ、これも酷く怒られた(笑)。少なくて怒るのは分かりますが、多くても怒られる。日本市場の厳しさを嘆いていました。
  • 編集部:
     なんだかありそうな話ですね。恐らく同梱本数の違う在庫が混ざることに問題があるんでしょうね。既に購入した人との不公平感もある。
  • Patric氏:
     はい。好意でも規則を破るとは何事かと。ちなみに台湾のユーザーならば、ネジが少なくても怒る人はいません。日本よりもネジのコストが安いため、自作をする人ならば余るほど所有しています。よほどの専用ネジでなければ、付属品はいらないくらいに思っているのではないでしょうか(笑)。
間違いだらけのCPUクーラー選び
  • 編集部:
     近頃CPUクーラーのヒット作が少ないように思いますが。
  • Patric氏:
     CPUの消費電力が落ち着いていることもその理由のひとつですね。劇的な技術革新もなく、どれも似たようなものばかり。なかなか売るには難しいカテゴリになっていると思います。
  • 編集部:
     PatricさんはCPUクーラーにも造詣が深いですが、なにか面白い話はありませんか。
  • Patric氏:
     面白いといえば、よくメーカーの製品サイトに、CPUクーラーの受熱ベース部分が鏡面仕上げで、ドライバーなどを鏡写しにしてアピールする画像がありますね。あれにはプロダクト・マネージャー(PM)などよく苦笑しています。鏡面仕上げ=よく冷えるというイメージがありますよね。でもマイナスな場合が多い。製品をよく見せるために、わざわざコストのかかるメッキ処理やコーティングを施している。つまり、受熱ベースに層ができてしまう事で、熱伝導の妨げになります。製品をよく見せるためにやっている事が多い。
  • 編集部:
    成田空港対談

    ベイパーチャンバーは空冷の救世主となるか?

     目の細かい耐水ペーパーでベース部を削る方法がありますね。あれは理に適っていると。
  • Patric氏:
     はい。普通では見分けが付きにくいかもしれませんが、製品の見栄えで施される鏡面仕上げをそぎ落とせば、冷却能力は向上する場合があります。実際に検証していますので、間違いありません。
  • 編集部:
     では、ヒートパイプのダイレクトタッチ式をどうみていますか。
  • Patric氏:
     あれも善し悪しです。出始めの頃は革命的なものでしたが。ちなみにダイレクトタッチ式の方が今は製造コストが安い。
  • 編集部:
     一見円型のヒートパイプをCPU接触部分だけフラットにするには、それなりのコストが掛かると思えますが。
  • Patric氏:
     確かに始めはそうでした。ただし普及してくると製造技術が向上し、簡単に作れるようになりました。どんな安価なCPUクーラーでもヒートパイプは必須になっていますが、従来通り受熱プレートの間にヒートパイプを挟む場合は、接触部分に熱伝導のよいグリスやロウ付けの処理が必要です。プレート(受熱ベース)の部材代と併せてコストが余計に掛かる。
  • 編集部:
     技術向上により、どこかのタイミングで逆転しているワケですね。おもしろい。
  • Patric氏:
     CPUクーラーだけは見た目で判断しちゃダメですよ。ヒートパイプだって含有パウダーの質などにより、6本構成でも実際に機能しているのは4本だけだったり。中には「なんでこれが売れるんだろう」と、担当者が首を捻ることも。
エルミタ的成田空港現場対談 成田空港対談
鏡面仕上げも善し悪し。技術担当者は「冷却の妨げになるので辞めたい」と言えば、セールスとPMは「見た目で売れるので辞めない」のせめぎ合いが実際に起こっているという
  • 編集部:
     ちなみにグリスはどうですか。
  • Patric氏:
     ローラーを使って受熱ベースに塗られているものは、すぐに拭き取った方がいいと思います。マザーボードのチップやグラフィックスカードのGPUで使用されているものも含め、僕は全部塗り直します。やはりシルバー含有のグリスがオススメ。なおCPUに塗る場合、中心部にグリスを盛って押しつけることはせず、やはり適量を“5点塗り”を推奨します。
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オリジナルVGAクーラー戦争勃発。買ったら1万円クラスの製品も
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