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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.178

ドスパラ×ZALMAN共同企画モデル Z9PLUS-DIV-U3検証

2012.09.27 更新

文:GDM編集部 松枝 清顕

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PCケース

実際に組み込んで分かったこと

「Z9PLUS-DIV-U3」の細部をチェックしたところで、実際に組み込みを行ってみよう。各々のギミックから視野を広げ、PC全体を見渡すことでさらに「Z9PLUS-DIV-U3」の性格が明確に見えてくるはずだ。


拡張カード有効スペース

ドライブベイが上下フラットに設計されている「Z9PLUS-DIV-U3」は、開口部も及第点レベルで、ATXマザーボードを組み込むにあたり、さほど窮屈な印象はなかった。
 では次にPCケースの善し悪しを決める重要なポイントである、拡張カードの有効スペースを計測してみよう。

電源ユニット搭載部の有効スペースは、実測値で約300mmと十分。これだけの余裕があれば、プラグイン/非プラグイン問わず、好みの電源ユニットがチョイスできる

今回テストで使用したグラフィックスカードは、MSI「N660GTX-Ti Twin Frozr IV PE OC」。基板サイズは実測値で約250mmだが、これを装着すると、拡張カードスペースにはまだ約40mm強の空きができた。つまり「Z9PLUS-DIV-U3」の拡張カードスペースは約290mmとなり、一般的ミドルタワーPCケースになんら遜色ない空間が確保されている。

CPUクーラー有効スペース(高さ)

こちらも構成部品選びで重要となる、CPUクーラー搭載スペース(高さ)も計測しておこう。現在の自作市場で主流となるサイドフロー型CPUクーラーの高冷却を謳うモデルは、軒並み高さ160mmクラス。トップフロー型に比べ、冷却ファンの吸気スペースが不要である分、ケース幅ギリギリまで大型化できるワケだ。
 さて実際にマザーボードからサイドパネル部までの距離を測ったところ、奇しくも実測値で約160mm。件の大型サイドフロー型CPUクーラーを収めるにはギリギリといったところで、ヒートパイプ等の突起物に干渉する恐れがある。CPUクーラー選定は、事前に搭載例の情報収集をするか、実際に店頭で現物確認した方がよさそうだ。なおサイドパネルには標準ファンに加え、120mm口径ファンが増設できるが、これを搭載するとさらにCPUクーラー有効スペース(高さ)は低くなる事も覚えておきたい。

M/B補助電源コネクタとSATAポート

なにも「Z9PLUS-DIV-U3」特有の話ではなく、ミドルタワーPCケース全般で言える事だが、敢えて指摘しておきたいことを2点。
 1点目は、マザーボード上のATX12Vコネクタ。マザーボードレイアウトに依存する事だが、トレイに固定した後でATX12Vコネクタを挿そうとすると、空きスペースが異常に狭く、たいへん苦労する場合がある。今回のテストでも同様のパターンに陥り、たったコレだけの作業で15分程度を要してしまった。意外に気が付かない点だが、仮り組み段階で目視するしかなく、あまりにもスペースが狭い場合はマザーボードをネジ留めする前にコネクタを挿しておこう。

もう1点はSATAポートの向きとコネクタの兼ね合い。「Z9PLUS-DIV-U3」は、ミドルタワークラスのスペースは確保されているが、それも十分とは言えず、基板に対しSATAポートの向きが水平方向になる場合は、ドライブベイとの隙間がやや狭く感じる。ストレートタイプのSATAコネクタで、一世代前によくあったコネクタ部が妙に長いケーブルは要注意。ケーブルにストレスが掛かるだけでなく、そもそも挿す事ができなくなる可能性もありそうだ。回避方法としては手持ちのSATAケーブルの形状を確認し、必要であれば「L字型」汎用ケーブルを用意しよう。

必要最低限のケーブルマネジメント機構とスルーホール

どんな安価なモデルにも標準仕様となってきたケーブルマネジメント機構とCPUスルーホール。「Z9PLUS-DIV-U3」でも例外ではなく、いずれも装備されている。

CPUスルーホールの開口部は実測値で縦140×横130mm。ソケットレイアウトからX79マザーボードではバックプレートが全て露わにはならなかった

電源ユニット横の開口部は広く、ケーブルはマザーボードトレイ表裏を自由に“行き来”できる

複数台ストレージを搭載させる構成でも、ケーブル取り回し用の穴が要所に用意されている事で、容易にケーブルマネジメントを行うことが可能

ファンコン使用によるケース内温度と動作音を計測する

「Z9PLUS-DIV-U3」には、フロントパネル部にファンコントローラー機能と温度表示機能が装備されている。ファンコントローラーはボリューム式の2ch仕様で、単に電圧をコントロールする仕組みらしく、LED内蔵ファンに接続した場合、回転数を絞ることでLEDの光もぼんやりと暗くなる。
 この活用方法だが、恐らく高負荷を掛けるアプリケーション使用時や室内温度が高いシーンでは最大回転、負荷の掛からない軽いアプリケーション使用時や涼しい季節は最小回転で使用するといった使い分けが一般的ではないだろうか。そこで、ここからはファンコントローラーの最大/最小設定で、どれほどPCの挙動に変化があるのかを探る。なお2chファンコントローラーは、フロント120mm吸気およびトップ120mm排気(いずれもBlue LEDファン)に接続し、両者連動で回転数を制御。温度センサーは、5.25インチベイと3.5インチシャドウベイ間にテープで固定した。

Blue LED搭載のトップファンがよく見えるように、敢えてトップフロー型CPUクーラーをチョイス。リア120mm口径ファン同様、動作音は至って静かだ

フロント120mm口径ファンは、HDDを直接冷却する役割を果たし、ケース内部に外気を取り込む重要な役割を担う

サイドパネルのBlue LED内蔵120mm口径ファンも美しく発光。ドレスアップ要素も妥協しない点も、人気モデルたる由縁

ファン回転数最小値/最大値におけるケース内温度の違い

(室内温度27.2℃)

ケース内温度は、3Dベンチマークソフトの定番、「3DMark 11」実行時に計測している。実はCPUに高負荷を掛ける「OCCT 4.3.1」でも同様に温度計測を試みたところ、ファン回転数による違いが全く表れなかった。そこでグラフィックスカードに負荷を掛けてみたところ、最小回転時で31℃、最大回転時で27℃だった。両者の違いは4℃で、フロント120mm吸気およびトップ120mm排気の回転数制御は、一定の効果があるとみていい。なおアイドル時のケース内温度だが、いずれも27℃~28℃程度で、回転数の違いによるアドバンテージを感じる事はできなかった。

ファン回転数最小値/最大値における動作音の違い

(室内騒音値29.1dBA)

次にデジタル騒音計による動作音をチェックする。室内騒音値29.1dBAで、最小回転時は38.7dBA、最大回転時は40.2dBAとなった。いずれもアイドル時の計測結果だが、数値だけを見るとその差は1.5dBAと誤差の範囲と思える程度。PCケースに耳を近付けるとその違いは明確に感じられるものの、いずれも静音の範疇から外れる事はない。
 以上2つの計測結果から、静音性も確保でき、ケース内温度が下がる最大回転での運用が正解のようだ。ただし念のためお断りしておくと、PCからの駆動音は構成パーツにより違いが出る事はいうまでもない。あくまで参考値と考えて頂ければと思う。

売れるには、それ相応の理由がある

「Z9PLUS-DIV-U3」は、国内市場で既に高い評価を得ているモデルの派生型だけに、ネット上では多くの使用例や評判を目にする事ができる。読者の中でも既に所有している人も少なくないだろう。
 当然PCケース担当としては「Z9 PLUS」の存在は無視できないと気にはなっていたものの、実機に触れるタイミングを完全に逸していた。今回のドスパラモデルリリースは、絶好の機会となった。
 敢えて巷の評価や販売店の声に耳を傾けず、「Z9PLUS-DIV-U3」と共に数日間を過ごしたが、この出来映えとギミックで税込5,980円の売価は、これまでの常識に当てはめると、“値付けの間違い”または“処分価格”以外ではまず不可能なレベル。コストパフォーマンスの高さは他に類は無く、「安かろう悪かろう」を覆す“非常識”なモデルだ。
 とは言え、細かい事を言えば脇の甘い部分は確かにある。しかしそれを言ったところでこの売価なら指摘する方に無理があるというもの。あら探しをしても仕方が無い。
 国内市場のみならず、ロシア市場を筆頭に世界的に売れているという「Z9 PLUS」。ライバルモデルが登場しない限り、快進撃はまだまだ続くだろう。


機材協力:ZALMAN Tech/株式会社ドスパラ
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