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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.11

~CoolerMaster特集~ キーワードは「imaginationからinnovationへ」 GLADIATOR 600を速攻Check編

2009.06.22 更新

文:GDM編集部

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Cooler Master

「GLADIATOR G600」レコメンド CPUクーラー「Hyper TX3」編
クーラー担当・プロダクトマネージャーに聞いてみる

Hyper TX3

CoolerMasterではミドルレンジクラスのモデルとなる「Hyper TX3」は、今回の主役であるPCケース「GLADIATOR 600」には最も適したCPUクーラーである。ケースの発売時期と前後して2009年7月中旬にもリリースが予定されている「Hyper TX3」は、市場想定売価2,980円とコストパフォーマンスに優れ、間違いなく市場では定番のモデルとなるであろう。

その細部を見て行く前に、CoolerMasterのCPUクーラー担当プロダクトマネージャー(PM)Sean H. Yu氏に質問をぶつけてみたい。これを本稿の最後にしなかった理由は、製造側の製品に込めるメッセージを読みとった上で、詳細を見て頂きたかったからに他ならない。もう少し砕けて言うならば、市場に既に流通しているモデルと外見が似通っている上に、その違いが見いだしにくい性格を「Hyper TX3」が持っているからだ。

ここでは率直にエルミタ編集部が知りたい3つのポイントについて尋ねているので、その回答を念頭に製品の詳細を見て頂ければと思う。

Q1. CoolerMasterでは「Hyper TX3」が採用するダイレクトヒートパイプ構造に関し、どのように考えているのか?
A.  性能を向上させる効果的な方法である事に関しては立証されていません。ただし、ダイレクトヒートパイプは、ヒートシンク(CPUクーラー)の製造コストを下げる事においては非常に良い概念です。これは「Hyper TX3」が市場で選択できる最も良い価格と性能のバランスが取れたCPUクーラーとして、大きなシェアを獲得するためには不可欠の物と捉えています。


Q2. ファン固定にワイヤークリップ式が採用されているが、ネジ留めにしなかったその理由は?
A. インテルが採用するプッシュピン式のリテンションを装着する場合、ユーザーが十分なスペースを確保する事ができるよう、ヒートシンクを搭載した後にファンを装着させる事がその解決方法だと考えました。
ファンクリップを使う事は、最も有効な事だと思います。


Q3. 「Hyper TX3」はどんなユーザーに使ってもらいたいと考えているか?
A. 「Hyper TX3」は、日常稼働させるシステムに非常に有効で、静音性とコストパフォーマンスがいずれも良いCPUクーラーを探し求めているユーザーを想定して設計されています。さらに手軽なオーバークロックシステムを構築したいと考えているユーザーも「Hyper TX3」が適したモデルである事が解るのではないかと考えています。

LGA1156に対応するスタンダードクーラーの本命「Hyper TX3」

Specifications
対応:Intel LGA775/1156
:AMD Socket 754/939/940/AM2/AM3
外形寸法:90x 51x 139mm
重量:470g
ヒートシンク:アルミニウム
ヒートパイプ:3本(φ6mm径)
ファン:92x 92x 25mm
回転数:800-2800rpm(PWM 4pin)
騒音値:17-35dBA
エアフロー:15.7-54.8CFM
エアプレッシャー:0.35-4.27mmH2O
ファン寿命:40,000h
ベアリング:Long life sleeve bearing
定格:12V
製品情報(CoolerMaster)
発売日:2009年7月予定
市場想定売価:税込2,980円前後
http://www.coolermaster.com/products/product.php?language=en&act=
detail&tbcate=1&id=6691
幅約90x 奥行き約51x 高さ約90mm
放熱フィン枚数:42枚
放熱フィン厚:約0.5mm
素材:アルミニウム
フィンピッチ:約2mm
放熱フィン総面積:192,780mm2
(※数値は編集部実測値)
アルミ製放熱フィンは約90x 51mm(最大部)で42枚から構成され、φ6mmのヒートパイプがU字に貫通されている。ヒートパイプが熱を放熱フィンに伝導させて拡散、ファンが強制冷却させる構造。放熱面積が広ければ単純に冷却には有利な事は言うまでもない。ちなみに「Hyper TX3」のフィンをバラバラにして広げると、B4用紙2枚以上の面積となる
オーソドックスなスタイルを敢えて市場に投入する「Hyper TX3」 ファン装着にワイヤークリップ式を採用。同梱ファンは1基となるが、付属されるもう一式のワイヤークリップを使えば、最大2基のファンを搭載させる事ができる
パッケージ底面に記載された対応CPUソケットに、“Intel LGA1156”の文字が確認できる 同梱品内容を確認。ファンは自由な向きにセットできるようにデフォルトではヒートシンクにセットされていない
Intel系用のリテンションは4構成で、それぞれを同梱のネジでヒートシンクに装着。なおネジは(+)だが、ネジ山が非常に小さいため、通常のドライバーではなく精密ドライバーを用意した方がよいかもしれない M/Bにはリテール同様プッシュピンタイプで装着する。なおリテンション部には2箇所のネジ穴があり、外側はLGA775用、内側はLGA1156用となり、2種類の異なるソケットに対応している

AMD系用のリテンション(Retention plate)は2つの金具から構成されている 同梱のファンは92x92x25mmの4pin PWM仕様。ワイヤークリップは、2式同梱されており、別途ファンを用意すれば強制吸気レイアウトのCPUクーラーにする事もできる
同梱のグリスは注射器タイプ

基本に忠実なスタイルと、高いCoolerMasterの工作精度

CoolerMasterが投入する新型CPUクーラー「Hyper TX3」は、オーソドックスなサイドフロータイプのユニバーサルソケット対応モデル。今やリテールクーラー以外の汎用モデルの多くがこのスタイルを採用している。

説明するまでもないが、サイドフロースタイルはケース内のエアフローにたいへん有利で、特にCoolerMasterが多くの新型ケースで採用する上面大型排気ファンおよび背面大型排気ファン(L字エアフローレイアウト)の場合に、CPUソケットの排熱をすばやく行うことができ、さらにトップフロースタイルに比べ、ケース内部のその他エアフローに悪影響を及ぼさないという点が最大の魅力だ。

今やリテールクーラー以外ではスタンダードと言えるサイドフローレイアウトを取る「Hyper TX3」は、φ6mmのヒートパイプを3本装備し、コアに直接接触させるダイレクトタッチヒートパイプ式を採用する

多くの汎用CPUクーラーが市場に溢れている中、「Hyper TX3」は非常にオーソドックスなスタイルを取る“新製品”であると言える。別段変わったところは一見見受けられない。
  ただし、後発とも言えるこのスタイルを取る「Hyper TX3」は、基本に忠実でありながら、見落としがちとなる“工作精度”が他社に比べ格段に高いものとなっている。
 ここで言う工作精度とは当然外観スタイルに寄与するいわゆる「見た目」ではない。ではどこが重要かというと、

(1)コアと接触する受熱部(アルミ)とヒートパイプの接触部
 (2)ヒートパイプが貫通する放熱フィンとの接触部

が、挙げられる。乱暴に言えば、全体に歪みがあろうがスタイルが悪かろうが、この2つのポイントに問題が無ければCPUクーラーとしての役割は十分果たすだろう。つまりこれこそが重要で、(1)について言えば、CPUコアと接触する受熱部(ベース部)は最も重要であり、ベース部とヒートパイプの密着度(接触度)が粗ければ、いくら放熱フィンが大型で大風量を当てたところで冷却能力は最大限発揮できない。
 ただし「Hyper TX3」はダイレクトタッチヒートパイプ式が採用されているため、その影響は通常のヒートパイプ式クーラーに比べ低いと言える。

(2)については、放熱フィンとヒートパイプの接触部分がさらに重要となってくる。当然の事ながら、ベース部からヒートパイプに熱が伝わり、それをヒートパイプが放熱フィンに熱をバトンタッチさせる構造になっているが、この接触部の精度が低いCPUクーラーが非常に多く市場に出まわっている。
 当然の事ながら、放熱フィンとヒートパイプの接触部分=貫通部分は、なるべく“のりしろ面積”が広く、さらに密着度が高い方が有利となる。

(1)コアと接触する受熱部(アルミ)とヒートパイプの接触部 (2)ヒートパイプが貫通する放熱フィンとの接触部

「Hyper TX3」は、上記2つのポイントを忠実に押さえ、さらに自社生産工場を持ち、CPUクーラー製造に関しては自作の歴史と共にそのキャリアを伸ばし続けるCoolerMasterならではの技術が詰めこまれている。付け加えると、コンシューマとは比べものにならないほどにクォリティが要求される工業用の冷却部材をも手がける事から、やはりCoolerMasterが本領を発揮するのは“CPUクーラー”なのだと再認識するのであった。

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