インタビュー Vol.34

強化ガラス採用ケースの元祖In Winが語ったPCケース作りへの思い

2018.05.06 更新

文:エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi

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先日お届けした「工場編」では、台湾・桃園市にあるIn WinのPCケース工場に潜入。普段見ることのできない、貴重な製造ラインの一部始終を紹介した。続いてインタビュー編をお届けしよう。In Winが台湾製造にこだわる理由から元祖・強化ガラス製サイドパネルの誕生秘話、さらに斬新なモデルを次々と生み出すことで知られる、同社のPCケースに対する考えなどを明らかにしていく。

今回インタビューに応じてくれたのは、「工場編」で案内役を務めてくれたRegional Sales Managerを務めるAndy Tsai氏。さらにSales Managerを務めるWilliam Lu氏にも加わってもらった。

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Andy Tsai氏 William Lu氏

台湾に工場があるメリットとは

  • 編集部
    前回の工場見学は大変興味深いものでした。早速ですが、工場で生産されるPCケースは1カ月で何台ほどですか。
  • Andy氏
    生産スケジュールによって変わりますが、最大で約25万台になります。
  • 編集部
    In WinといえばOEM向けのPCケース製造が主力です。しかし、ここ数年はだいぶ変わってきたような印象を受けます。自作向け製品はどのくらいを占めているのでしょうか。
  • William氏
    本格的に自作市場へPCケースを提供し始めたのはここ5年~6年です。年々その割合は増えており、現在は約20%が自作市場向けの製品です。
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台湾・桃園市にあるIn WinのPCケース工場。普段見ることのできない、貴重な製造ラインをじっくり見ることができた「工場編」はこちらを参照
  • 編集部
    PCケースの製造国として真っ先に挙げられるのが中国です。台湾に工場があるPCケースメーカーは珍しいと思いますが理由を教えてください。
  • Andy氏
    以前は中国でも一部製品を製造していました。しかし、ご存知の通り年々人件費が上昇しています。さらに、政府や自治体の急な政策変更によって生産スケジュールが左右されることが多かった。具体的には、今まで普通に使用できた材料が急に翌月から使用禁止になるといった具合です。
  • William氏
    また、春節など大型連休の後になると、そのまま辞めて仕事に来なくなる人が多い(笑)。こちらも毎年起こることなのである程度は想定していますが、それでも休み明けの製造クオリティは落ちますし、生産スケジュールにも大きく影響を与ます。
  • 編集部
    台湾の本社近くに工場があるメリットは?
  • William氏
    自作向けケースを取り扱うほとんどのメーカーは、設計だけを自社で行い、生産は専門業者に委託(外注)する場合がほとんどです。例えば、ある工場に行くとA社のケースを製造しているラインの横でライバル社であるB社のケースを製造しているといった具合です。
  • 編集部
    製造だけを外注するOEMですね。
  • William氏
    弊社はもともとOEM向けケース製造のビジネスから始まったこともあり、設計から生産までをすべて自社で行っています。例えば、開発チームが考えたサンプルをすぐにテスト製造することだってできます。実際の量産に入る前に、問題点をいち早く見つけることができる。
  • Andy氏
    毎年COMPUTEXで発表するシグネチャーモデルがありますよね。先日発売した「WINBOT」も同様ですが、あれこそまさにIn Winにしかできないモデルです。おそらく生産台数は200台ちょっとだと思いますが、そんな小ロットで生産に踏み切るケースメーカーはほかにはない(笑)。これも本社直結の自社工場を持っているからこそのメリットです。
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日本でも3月から限定数が販売された「WINBOT」。一番売れたのは北米、その次がEU。アジア地域は3番目に売れた地域だという
  • 編集部
    目を引く新発想のモデルが印象的ですが、製品化されずに失敗したものも多いのですか。
  • William氏
    多いですね。それでも、約40人の開発チームがチャレンジしたいと思って設計したケースは、どんなに複雑な構造でもなるべく形にしたいと思っています。スローガンではないですが「成型と製造の限界に挑む」とよく皆で話しているんですよ。
  • 編集部
    今年もCOMPUTEXがまもなくですが、またビックリさせてくれそうです。どんなモデルなのかヒントを少しください。
  • Andy氏
    今年の作品は電動ギミックなどはない、「設計力」をテーマに掲げ、PCケース本来の姿を追求したといえばいいでしょうか。あとは6月までのお楽しみということで勘弁してください。
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「CES 2018」で公開された「915」。より製品版に近い状態で「COMPUTEX TAIPEI 2018」での披露が予定されている
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トップパネルはボタンを押すことで上下に開閉する仕組み。好みに応じて“強制ベント”が可能となる
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