エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1522
2025.03.27 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
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まず最初に実行するストレステストは、定番の「OCCT」の最新バージョンである「OCCT 13.1.14」だ。CPUとGPUの両方に強力な負荷をかける「Power」プリセットを選択し、システムに最高レベルの負荷がかかった際の挙動を見ていこう。なお、テスト時間は30分に設定している。
ちなみにCore Ultra 9 285KとGeForce RTX 5080を搭載したシステムによる、テスト中の消費電力はなんと最大950W。通常ここまでの負荷がかかるシチュエーションはほとんどないものの、定格容量の95%という強烈な負荷でどのように動作するかは見ものだ。
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ATX 3.1規格のデザインガイドにおいて、+12Vは+5%/-7%の電圧変動が許容されている。その範囲内なら問題のない動作になるところ、すべての部位で電圧変動が1.5%以内の上振れに収まっていた。主電源のATXは最も変動が少なく最大で1%程度、さらに全部位共通でフルロード中の変動は0.02Vと少なく、最大級の負荷が連続して続く状況でもブレのない動作を見せてくれた。
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次は主にグラフィックスカードに強い負荷がかかる「3DMark」から、「Steel Nomad」ベースのストレステストである「Steel Nomad Stress Test」を実行する。DirectX 12対応の4Kテストを連続実行するもので、先ほど同様30分間に達するまでループで動作させることにした。
そして今回の消費電力は最大519Wで、OCCT時よりだいぶ落ち着いた感がある。Steel Nomadは重量級ゲームの4Kプレイに相当する重い負荷のかかるテストであり、むしろこちらの方が現実的な負荷と言えそうだ。なお、システム負荷率はほぼ50%で、電力変換効率の面では理想的な環境だった。
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やはりすべての部位で電圧変動が1.5%未満の上振れに収まるという、極めて高い安定性が確認できた。フルロード中の挙動も驚くほど安定しており、グラフもフラットでブレがない。どの部位でも一定の出力を維持できる信頼性の高さを備えているようだ。
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続いてはより実際のゲームプレイに近い負荷を再現するため、長時間のループ実行に対応したゲーム系ベンチマークを使用して検証を行っていく。まずは人気MMORPG「ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー」の公式ベンチマークテストを実行。グラフィックスは「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットに設定し、30分間連続で動作させた。
なお、テスト中における消費電力は最大378Wで、今回の検証では最も少ない数値だった。
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特にGPUのグラフ波形に大きく変動が見られるのは、頻繁にロードを挟むことで負荷とアイドル状態を繰り返すテストのため。実際に変動幅を見ていくと、12V基準で最も変動の大きいCPUとGPUでも1.5%未満の上振れに留まっている。目まぐるしく負荷の強弱が変わるようなシチュエーションにおいても、極めて安定した動作が期待できそうだ。