エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1236
2023.01.01 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ミドルタワーPCケースにはそれに合ったルールが存在するように、ボックス型PCケースにも暗黙の法則がある。基本的に、最低限の基幹パーツ数に変わりはないため、よほど奇をてらわない限り、自ずとパーツの位置取りも”そうあるべき場所に”収まっていく。
今回取り上げるASUS「TUF Gaming GT502」の外観を初めて見たとき、似て非なる他社製PCケースを思い浮かべた読者は少なくないだろう。選択肢が少ないボックス型PCケースというスタイルがその思いを強くしているワケだが、そもそもミドルタワーPCケースの多くは同じような格好だし、これを否定したら製品が成り立たなくなる。
ASUS「TUF Gaming GT502」 市場想定売価税込29,800円(2022年10月28日発売) 製品情報(ASUS) |
ここはモロモロの先入観を捨て、TUF Gaming GT502を純粋に楽しみたい。筆者が触れる久し振りのこのスタイルは、どのあたりに特徴をもち、どんな仕掛けが用意されているのか。さらに製品の”括り”であるTUF Gamingらしさはどこにあるのだろう。どうやら見所は満載のようだ。
TUF Gaming GT502を見たとき真っ先に目に付くのが、トップパネルに装備されたキャリーハンドルの存在だろう。編集部に届けられたメーカー資料および10月27日付プレスリリース記事によると、耐荷重は30kg。一般的なミドルタワーPCケースに最低限の構成パーツを組み込んだ状態で15kg程度だから、”かなりタフ”である事が分かる。
ASUS「TUF Gaming GT502」の外観上、最もキャッチーな部分がキャリーハンドルだろう |
安定感こそセールスポイントだが、設置場所はある程度必要。ボディサイズはよく確認しておこう |
とかくTUF Gaming GT502のボックス型スタイルは、主に長方形の見慣れたミドルタワーPCケースに比べ、ドッシリとした安定感がある。Cube型のコンパクトな印象とも違い、重量級構成パーツを組み込んでもビクともしない様相。この安心感こそTUF Gamingシリーズの主張だろう。そして忘れてはならないのが、ゲーミング要素を含む点だろう。後に紹介する前面と左側面の強化ガラス仕様は、いかにも主張の強いPC向けのプロダクトである事が分かる。
実機に触れる前に、TUF Gaming GT502をスペック表から読み解いていく。資料によると、分類はミドルタワー。本稿では冒頭より敢えてボックス型PCケースと呼んでいるが、そんな筐体スタイルを生かし、内部はデュアルチャンバー設計を採用。メインチャンバー(左エリア)と背面チャンバー(右エリア)で構成され、構成パーツを左右に振り分けている。後に解説する内部セッションのキモとなる部分だろう。
対応マザーボードはATX、MicroATX、Mini-ITXで、筐体主素材はスチール、副素材にプラスチック、後に紹介する2箇所には強化ガラスが使われている。デュアルチャンバー構造を採用するこの手の筐体は、一般的なミドルタワーPCケースに比べて大型で、設置場所は事前に想定しておきたい。気になる3サイズは幅285mm、奥行き450mm、高さ446mmで、重量はカラの状態で11kgもある。そういえば例のキャリーハンドルは耐荷重30kgだから、自重で既に残り19kgが構成パーツ分の計算。それでも十分だろう。
当然パッケージもお馴染みの長方形よりも「函」といった様相で、サイズは実測で幅約380mm、奥行き約560mm、高さ約520mmで、付属品および緩衝材を含んだ総重量は13.2kgと記されている。もし筆者が店頭購入でそのまま持ち帰りを選択するなら、迷わずキャリーカートを準備していくだろう。なおグローバル市場には兄弟モデル「TUF Gaming GT502 PLUS」が存在しているが、国内市場での販売予定は無いという。