エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.404
2015.03.28 更新
文:GDM編集部 Tawashi
それでは、定番のCGレンダリングソフトである「CINEBEHCN R15」を使い、Xeon E5-2699 v3の実力を確認しておこう。テストで使う機会が少ないハイエンドCPUだけに、パフォーマンスが気になるところだ。
CINEBENCH R15(cb) |
シングルコアの数値は104で定格2.3GHzのモデルらしく控えめなスコア。一方、マルチコアの数値は驚異の2,400オーバーを記録。8コア/16スレッドのCore i7-5960Xを4.5GHzにオーバークロックした「X99 Extreme11」の検証結果が1,745であったことを考慮すれば、まさに圧巻。36スレッドの効果が如何なく発揮されていた結果と言えるだろう。ちなみに、「CINEBEHCN R15」のマルチコア計測に要した時間はわずか数秒で、Xeon E5-2699 v3の実力を肌で実感する事ができた。
「CINEBEHCN R15」実行中の様子。36スレッドの同時処理が行われるため、マルチコアテストはあっという間に計測が終了する |
「CINEBEHCN R15」と並行して、消費電力についても確認しておこう。計測にあたっては「CINEBENCH R15」実行時における最も高い数値を高負荷時、起動直後10分間放置した際の最低値をアイドル時として、ワットチェッカーによる計測を行った。
消費電力(W) |
さすがにオンボードインターフェイスが豊富なハイエンドモデルということもあり、アイドル時の消費電力は高めの印象。さらに「CINEBEHCN R15」実行中となる高負荷時の消費電力は、約175W増と一気に上昇する。それでも、デジタル制御の12フェーズ電源回路からなる「X99 WS-E/10G」なら、安定した運用が可能だ。
Intel X99 Expressチップセット採用製品は、Core i7-5000シリーズからXeon E5-2600v3シリーズと幅広く対応する。加えて4-WayまでのNVDIA SLI/AMD CrossFire Xをサポートするなど、コンシューマ向けのハイエンドマザーボードとしても十分に使用できる「X99 WS-E/10G」だが、やはりASRockとしての位置付けはシングルワークステーションボードだ。
もちろん、その最大の理由は、Intel「X540」によりデュアル実装された10ギガビットLANポートの存在。10ギガビットと聞くと「データセンタや一部の大規模な企業ネットワークで使うもの」という印象があるが、近年は、取り扱いデータの大幅な増加により、大企業並みの大規模データを扱う中小企業も増えている。そのため、より高速なネットワークパフォーマンスを求めるニーズは大きく、ビジネスの効率化を図るうえでは必須となりつつあるのも事実だ。
「X99 WS-E/10G」は、実売100,000円オーバーの非常に高価なモデルだが、2ポートのIntel製10ギガビットLANカード(約69,000円前後)を別途購入することを考えればかなりお買い得。10ギガビットLAN環境をより身近に、かつなるべく低予算で構築するアップグレード用マザーボードとして、特にSOHOやSMB(Small and Medium Business)向けシステムのコアとして最適な1枚になるはずだ。