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最終更新日 2026年7月12日 11:31

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エルミタ的業界インタビュー「オピニオン」 Vol.22

Fractal Designのトップが語る 「PCケースが日本でヒットした理由」

2014.12.19 更新

文:GDM編集部 Tawashi

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Fractal Design
  • 編集部:
    今回来日した主な目的をお聞かせください。
  • Hannes氏:
    第一の目標は、日本のPC市場を実感しておきたいという点です。これは私の個人的な意見ですが、日本人が持つモノ作りへの哲学と、Fractal Designが目指す哲学には「忍耐強く完璧なものを常に追及する姿勢」という共通点があると思っています。高品質なものを適正な価格で市場に提供するコストパフォーマンスは世界から注目されており、実際に自分自身の目で見ておきたかったのです。
  • Frances氏:
    Fractal Designには、「Think globally, act locally」というコンセプトがあり、常にワールドワイドの市場を見て製品を開発しています。そして、製品自体は世界のどこで買っても同じですが、販売する際はその地域の文化や市場に沿った方法を取るようにしています。ですから、こうしてFractal Designの製品を販売している国へ行き、その空気を肌で感じる事が重要です。
  • 編集部:
    具体的に日本文化が製品に影響を与えることはあるのでしょうか。
  • Hannes氏:
    「職人文化」です。ヨーロッパにおいても独自の職人文化はありますが、日本の職人文化に興味を持っています。実に簡単なタスクに見えても、何回も何回も試行錯誤を繰り返し、効率よく完璧なものに仕上げていく。この考え方に共感しています。
     Fractal Designの製品は、ミニマリスト(最小限主義者)という考え方を持っており、モットーとして掲げている言葉に「Less is more」(より少ないことは、より豊かなこと)というものがあります。例えば、PCケースをデザインする際にも、エッセンスはなにか、ユーザーからは何が必要とされているのか。また不要なものはないか、といった点を常に考えています。余計なものを削ぎ落としていく事で、より洗練された“スカンジナビアデザイン”となり、それが市場に受け入れられていくのではないでしょうか。
日本語で「Craftsman」と書くとどういう文字になるのか?ということで、ホワイトボードに書いた「職人」の文字。日本が誇る「職人文化」は、Fractal Designの製品に大きな影響を与えている
  • 編集部:
    実際にそれを実現するのは、簡単な事ではないですよね。
  • Ingemar氏:
    Fractal Designは非上場企業のため、株主からのプレッシャーがなく、じっくり製品作りに集中できる環境があるのです。私は以前ある上場企業に勤めていたのですが、スケジュールや売上に左右される製品開発を優先するあまり、本当に良いモノ作りが出来ないという現場を何度も見てきました。そのため、熱意をもったスタッフが集まって、エンドユーザーやリセラーの声を聞いた最適な製品を作り上げていくという、現在のFractal Designが目指す方向には非常に満足しています。
     さらに、企業風土という点でも感じるところがあります。日本の企業は世界的にみると、今でも人とのコミュニケーションや繋がりを重視するところがあります。メーカーとして、販売店や代理店、エンドユーザーとの繋がりはとても重要です。また、すぐに結果を求めず、物事を比較的長期に捉える点にも共感しています。
  • 編集部:
    日本市場では、わずか数年で人気のメーカーへと成長しましたが、他国はどうでしょうか。
  • Hannes氏:
    地元の北欧はもちろんですが、ドイツやアメリカでも好調に伸びています。アジアでは、日本と中国、オーストラリアが好調ですが、日本はまだまだポテンシャルは秘めていると思っていますので、これからさらに注力していきます。また、今後はシンガポールとフィリピン、香港での本格展開も開始する予定です。
  • Ingemar氏:
    ただ、マーケットシェアはあくまでも指標であり、ゴールではありません。我々が注目しているのは、どれくらいのユーザーに感動を与えられているか。また、我々の製品がどれくらいユーザーの心に響いているかです。
  • 編集部:
    ここ最近のPCケース市場をどのように捉えていますか。
  • Hannes氏:
    2014年を振り返ると、今まで売れていたエントリークラスのシェアが落ちていると感じています。主にオフィス用途のPCが、ノートPCやタブレットに代わってきたのが要因でしょう。ただ、反対にハイエンドケースのシェアは世界的に伸びています。今後もこの傾向は続くと考えていますので、Fractal Designの製品開発もハイエンドケースに注力することになります。
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