2026.09.25 08:30 更新
2026.09.24 配信
もの凄く雑に言うと、「水冷が必要になるほど高発熱なCPUやGPUを、冷却液を使わず空気だけで冷やせないか」という研究。
Noctua(本社:オーストリア)は2026年9月24日(現地時間)、米Forced Physics DCTとの研究パートナーシップ締結を発表した。Forced Physics DCTが開発するマイクロチャンネルアレイ冷却技術「JouleForce」と、Noctuaが培ってきた静音冷却やファン技術を組み合わせ、将来的なデスクトップPCへの応用可能性を探る。
ただし、現時点で具体的な製品化が決まったわけではなく、特定製品や発売時期に紐づかない長期的な研究開発プロジェクトとなる。
|
|
「JouleForce」は、微細な流路を多数並べたマイクロチャンネルアレイへ空気を通すことで、一般的な空冷ヒートシンクで熱伝達を妨げる境界層の形成を抑え、効率よく熱を奪う冷却技術。冷却液やポンプを使わず、高い熱負荷への対応を目指している。
一方、微細な流路へ空気を通すには非常に高い静圧が必要で、現状では一般的なPC用軸流ファンが扱う範囲より1桁以上大きな圧力損失が発生する。そのため、産業用ブロワーや高速遠心ファン、真空ポンプなどが必要になるという。
NoctuaのCEOを務めるRoland Mossig氏は、現在必要となる圧力について「誰も机の上や下に置きたくないような機器」によって供給されていると表現。静かなデスクトップPCで実現するには困難な長期的エンジニアリング課題になるとの認識を示している。
またNoctuaのJakob Dellinger氏は、エルミタージュ秋葉原の取材に対し、現在の高い圧力要求を克服する方法として、「現在のPCファンよりも高い静圧を実現すること」と「JouleForceアレイ自体が必要とする圧力を引き下げること」の2つを挙げた。
静音PCへの実装という最終目標を達成するには、両方のアプローチが必要になる可能性があるとしており、現在は双方を並行して研究しているという。
|
|
そこで今回の共同研究では、冷却性能を維持しながら必要な圧力を低減する方法と、PCで許容できる騒音レベルのまま高い静圧を発生させる方法を検討。高圧環境でのシーリングやPCケースに収めるためのサイズ、モジュール性なども研究していく。
Forced Physics DCTのFounder & CEO、Scott Davis氏も、デスクトップPCやワークステーションにはデータセンターとは異なるエアフロー上の課題があると説明。静音かつ高圧のエアフロー技術を持つNoctuaを、課題を共同で解決する理想的なパートナーとしている。
文: 編集部 松枝 清顕
Noctua: https://www.noctua.at/

