エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1345
2023.10.12 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
付属品の総点検が済んだところで、マザーボードへの搭載方法を確認していこう。今回はテストセッションに向け、Intel LGA1700への搭載方法を解説する。AMD派をないがしろにするワケではないが、マザーボード備え付けのバックプレートを利用し、台座を組み上げて行く行程は、Intel系より若干手間が無い。台座の設置からAN600の搭載まで作業自体は共通なので、参考にして頂ければと思う。
マザーボード背面から、4つのメタル製バックプレート末端のネジ穴を、CPUクーラーマウントホールに合わせる |
マザーボード表面に露出したネジ穴にメタルスペーサー(LGA 1700/1200/115x) をねじ込む | 4つのメタル製スペーサーの突起にIntel用台座プレートを合わせる |
Intel用台座プレート末端の穴には番号が振られている。各ポジションは(2)がLGA1700、(3)がLGA1200/115xで、(1)は使用しない |
突き出したメタル製スペーサーのネジに台座プレート固定用ネジを装着。これを4箇所行えば台座部分の完成 |
AN600本体を固定する前に、付属のグリスを塗布しておく |
AN600にはヒートシンクにドライバー差し込み用のサービスホールが設けられている | ドライバーは一般的な長さのもので十分対応可能 |
AN600の搭載が済んだら、冷却ファンケーブルをマザーボードに接続し作業は完了。なお実際に組み込み作業を行う場合、台座が完成した時点(グリス塗布時)でメモリを挿しておく事が推奨されている |
AN600はいわゆるロープロファイルタイプのトップフロー型CPUクーラー。全高67mmの低さは最大のセールスポイントだが、一方でトレードオフの関係にあるメモリスロットクリアランスは大いに気になるところだろう。多少の犠牲は覚悟しつつ、実際にメモリを搭載した様子を見ていこう。
搭載テストで使用したのは、Kingston「FURY Beast DDR5」シリーズ。ヒートスプレッダ付きで高さは34.9mmとされる。真横から搭載状態を眺めると、ヒートシンク下面の段差がメモリスロットを避けるようにデザインされているため、多少の空きスペースはまだ残されている。このように、極端に大きなヒートスプレッダが装着されたメモリでなければ、十分に共存できる事が分かる。あわよくば、AN600に搭載される120mmファン「FT120-15」からの直接風を受け、温度上昇を防ぐ効果も期待できるだろう。これもトップフロー型CPUクーラーの利点のひとつだ。
搭載状態を見るため、メモリスロットはCPUに最も近いバンクから装着している |
なお製品資料によると、AN600の搭載向きを変更すると、メモリスロットクリアランスは100%になるとされる。なるほどヒートパイプをメモリスロット側にしてのマウントでは、ひさしのように張り出すヒートシンクがメモリの頭上に一切掛からない。ただしこのスタイルは、マザーボードのバックパネル側のVRM用ヒートシンクと放熱フィンが接近し、高さ42mmまでの制限が付く。ここは選択するメモリのタイプと、マザーボード搭載のヒートシンク高の関係に注意しなければならない。
AN600搭載向きによるクリアランスの違い。周辺コンポーネントの冷却も可能とする設計だけに、システムに最適なスタイルで設置方向を決めたい |