エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1329
2023.08.30 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
最も興味深い冷却テストを実施する前に、マザーボードへの搭載手順を確認しておこう。JF13K DIAMONDは、Intel LGA1200/115x/1700、AMD Socket AM4/AM5に対応するが、ここではテストセッションで使用するLGA1700の搭載方法を見ていく事にしよう。
特異なスタイルのJF13K DIAMONDだが、搭載方法は思いのほかシンプルで、ネジを留める作業は1回(4箇所)しかない。これで大丈夫なのか?という声も出そうだが、バックプレートを使った搭載方法は一般的なCPUクーラーと変わらず、問題にするところは見当たらない。ただし左右に大きく広がるヒートシンク形状だけに、表面からのネジ留め作業は困難だけあって、近頃ではあまり例が無い背面からのネジ留め式が採用されている。
Intelマウント用プレート両端には可動式のネジを装着。LGA1700は外側、LGA1200/115xは内側の位置にスライドさせておく | 受熱ベースプレート横のネジ穴にIntelマウント用プレートをネジ留め |
マザーボードのCPUマウントホールにシールワッシャーを貼り付ける | CPUにグリスを塗り、本体を仮置き。マザーボード背面からピンが露出している事を確認する |
Intel用六角ナットを六角ナット用ソケットを使い固定していく | 計4箇所は均等に締め付けて行く事がセオリー |
冷却ファンを外す事なくマザーボードへの固定は完了。出荷時より2基の冷却ファンは配線されており、電源は1本だけ接続すればいい。なお2基のコネクタ位置がキニナルなら面倒でも一度冷却ファンを取り外して付け替えをしておこう |
拍子抜けするほど簡単に固定は完了。テスト直前のタイミングで、固定後の周辺クリアランスを見ておきたい。最も気になるのはメモリスロット上空のスペースだろう。固定後に基板からヒートシンクまでの距離を測ると、約60mm確保できていた。
また今回の搭載テストには、G.SKILL「Trident Z RGB」シリーズを使用。ヒートスプレッダ付きのDDR5メモリは高さ約43mmだが、上空にはまだ空きエリアが確認できる。近頃流通しているハイエンド志向のオーバークロックメモリの多くは、大型ヒートスプレッダ装着時でも高さ約50mm以下に抑えられている。これを踏まえると、実測約60mmのクリアランスは十分と言えるだろう。
次にマザーボードのバックパネル側に位置する左手を確認すると、搭載テストに使用したASRock「Z690 Steel Legend」のバックパネル裏に装着されている、電源回路用ヒートシンクの高さは実測で約43mm。ヒートシンクまで約8mmを残し、物理的に干渉することなく搭載ができている。
整理すると、メモリスロット上空クリアランスは十分で、マザーボードバックパネル側も計算通りだ。CPUの冷却はJF13K DIAMONDの主たる仕事だが、「オールレンジ冷却」も製品コンセプトの軸になっているだけに、CPU・メモリ・VRMそれぞれの効果を見る必要もあるだろう。
メモリスロットおよび電源回路用ヒートシンクそれぞれの上空クリアランス。いずれも十分に確保できている |
ATX規格マザーボードの横幅は244mm、JF13K DIAMONDの左右幅は241mmだから、ほぼ基板サイズすべてを覆う格好 |