エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1315
2023.07.22 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
最後は「GALLERIA ZA9C-R4x」の消費電力をチェックし、各種検証を締めくくりたい。高負荷時の数値はストレステストの「3DMark Speed Way Stress Test」を動作させた際の数値で、起動後10分間何もせず放置した際の最低値をアイドル時として、それぞれワットチェッカーによる計測を行った。
アイドル時に100W近くまで上昇している点は気になるが、そこはハイパフォーマンスを要求されるウルトラハイエンド構成のマシン、許容できるユーザーが多数派ではないだろうか。そしてフルロード時は最大661Wまで上昇するという、Core i9-13900KFとGeForce RTX 4090構成らしいパワフルな結果に。
ただし標準構成でも1000Wの大容量電源ユニットを搭載していることから、マージンは十分に確保されている。長期間の使用で多少電源がヘタってしまったとしても、システムが不安定になる心配は無用だ。
ドスパラが販売を開始した“動画配信向けモデル”は、2機種ともかなりのハイスペックパーツで構築された“イカつい”構成が組み込まれている。ハイエンド~ウルトラハイエンド級が採用されているCPU・グラフィックスカードをはじめ、メモリやストレージも一般的なBTOを上回るスペックが標準で指定され、カスタマイズメニューもいたずらに低いスペックはオーダーできない構成だ。
これはプロ仕様のハイグレードな配信を目指すユーザーをターゲットにしているためで、決して配信入門者まで裾野を広げる“ユルい”PCではない。ヘビー級の負荷でも涼しい顔で安定した配信をこなしてくれる、ストリーマーが全幅の信頼をおけるマシンというわけだ。
実際に「GALLERIA ZA9C-R4x」の配信検証時においても、ゲームプレイと配信の同時進行ながらパフォーマンスの落ち込みはほとんどナシ。負荷の大きさを感じさせない、ド安定な挙動を見せてくれた。
もちろんこうした分かりやすいスペック面に留まらず、配信者向けに特化したマザーボードの採用による、サイドを固める配信デバイスの扱いやすさも大きなトピック。配信向けアクセサリやゲーミングデバイスを好き勝手に接続できる余裕のUSBポートを備え、安定した電力供給と各種推奨ポートにより不意の認識エラーの心配も無用だ。
いずれにせよ「意識せずにやりたいことが全部できる」というのは、配信だけに集中したいストリーマーにとって嬉しいポイント。しかもこうした特別な構成にも関わらず、当たり前のように3日以内の納期で手元に届く、ドスパラならではの“普通感”も素晴らしい。誰でも簡単に配信できる時代だからこそ、思い立ってすぐにプロ級の配信ベースを手にできるマシンもまた、必要とされているはずだ。
協力:株式会社サードウェーブ