エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.794
2019.11.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
MP600シリーズ(7月5日発売) CSSD-F1000GBMP600(1TB) 実勢売価税込27,000円前後 製品情報(CORSAIR) |
現在主流のPCI-Express3.0(x4)では帯域幅が飽和し、すでにパフォーマンスが頭打ちになっていたNVMe M.2 SSD。そんな状況を打破すべく、第3世代Ryzenシリーズ(およびAMD X570チップセット)に合わせて投入されたのが、今回の主役であるPCI-Express4.0(x4)対応NVMe M.2 SSD「MP600」シリーズだ。
コンシューマ向けでは、今のところ唯一となるPCI-Express4.0(x4)対応NVMe SSDコントローラPhison「PS5016-E16」を採用 |
コントローラはPhisonとAMDが共同開発した最新IC「PS5016-E16」で、NANDフラッシュには、高い信頼性と耐久性を備えた高品質な3D TLC NANDを採用。そして大型アルミニウム製ヒートシンクを搭載することで、高速化により発熱が増えたコントローラの熱を効率よく放熱し、サーマルスロットリングによる速度低下を抑えている。なおヒートシンクはツールレスで着脱できるため、ヒートシンクを標準装備しているマザーボードでも干渉することなく使用できる。
ヒートシンクはツールレスで取り外しが可能。ただし、保証を受ける際にはヒートシンクが必要になるため、取り外した場合もなくさないように保管しておこう |
またNANDフラッシュのアクセスを平滑化して不良領域の発生を抑制する「静的・動的ウェアレベリング」、データ書込に備えてブロック管理を最適化する「ガベージコレクション」、SSDの状態をリアルタイム把握できる「S.M.A.R.T.」、データの整合性を維持する「Enhanced Error Correction」などの機能を搭載。さらにドライブの長寿命化を可能にする「オーバープロビジョニング」、高度なデータ消去を行う「セキュアワイプ」などの機能を備えた専用ソフトウェア「CORSAIR SSD Toolbox」も用意されてる。
「CORSAIR SSD Toolbox」では、SSDのモニタやメンテナンスの他、クローンの作成なども可能 |
容量ラインナップは500GB、1TB、2TBの3モデル。公称転送速度は容量によって若干異なるが、今回検証する1TBモデルでは、シーケンシャル読込4,950MB/sec、書込4,250MB/sec、ランダム読込680,000IOPS、書込600,000IOPSとされ、PCI-Express3.0(x4)接続のNVMe SSDとは一線を画すパフォーマンス。また書込耐性は1,800TBW、MTBFも170万時間に設定されるなど、耐久性に優れているのも特徴だ。
製品画像が大きくデザインされたパッケージ。SSDらしくサイズは実測110×133×23mmと非常にコンパクト |
なお現状ではその性能を最大限に引き出すためには、第3世代RyzenとAMD X570チップセットが必須。ただし、下位互換があるため帯域幅は32Gbpsに制限されるものの、PCI-Express3.0のプラットフォームでも利用することはできる。