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最終更新日 2026年7月11日 21:43

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エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編 Vol.15

サイズ 「スサノヲ」検証

2011.02.10 更新

文:GDM編集部 松枝 清顕

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CPUクーラー サイズ

総評 「ユーザビリティ」ってなんだろう

外装パッケージに大きく謳われた「上級者向けCPUクーラー」の表記

サイズから出された「スサノヲ」のリリース文には、これまでにないほど多くの事前注意事項が書かれている。大型CPUクーラーならではの物理的制約(PCケースサイズや、グラフィックスカードの補助電源コネクタ方向など)については本稿で紹介してきたが、それとは別に、言うなれば“メンタル面”での条件が付けられているのだ。
 「スサノヲ」を使用するにはサイズ曰く、“自助努力と自己解決の要素を多分に含む”ことから「ある程度の自作経験とスキルをきちんと持った人」を諸条件とし、「上級者向け」と謳われている。
 事前にこの文章を読めば、「うまく搭載できるのだろうか?」と少しでも不安に感じるエントリー自作ユーザーは購入を控えてしまうだろう。本来ならば、メーカー側はそんなユーザーをもターゲットとし、マイナスイメージが付くような文言は開示しないはずだ。しかしサイズでは敢えて「上級者向け」と位置付け、製品がユーザーを選ぶという立場を明確にする販売戦略を打ち立てている。
 サイズオリジナルとしては決して手頃な価格とは言えない「スサノヲ」は、そんな特殊性を持ち合わせて市場に投入されるワケだが、「大きめのミドルタワー以上のPCケースを使えば“たいていは問題なく組めるはず”」としている点もご紹介しておかなければならない。

思えば自作が始まった頃は、現在のようにインターネットを使って事前に情報を“瞬時に”仕入れるという事はできなかった。限られた情報の中から自分で考え、時には人柱精神を発揮し、大枚はたいて失敗する、、、という経験が、自ずとスキルを上げて行くことになる。また失敗ばかりではなく、時にギャンブル要素を含みつつもチャレンジし、うまく動作した時の喜びたるや代え難く、これこそが本当の自作の楽しさだった。

リスクと表裏一体な自作など今は昔、「動いて当然」が本流の市場に投入される「スサノヲ」は、確かにサイズが言うとおり「上級者向け」かもしれないが、ここはひとつ「上級者」を、「自作好き」に置き換えて解釈したい。
 ここまで紹介してきた通り、一般的CPUクーラーに比べれば、諸々の注釈がついてしまう製品である事はお分かり頂けただろう。つまりそれが分かっていれば、なんら問題なく使用する事ができる。
 純正CPUクーラーからの初換装にチャレンジするユーザーなら特にそのギャップが鮮明で、自作の楽しさに開眼するだろう。また自作経験が豊富なユーザーならば、これまでの汎用CPUクーラーとの大きな違いを楽しむ事ができると思う。
 完璧なユーザビリティまで販売価格の一部だと解釈するユーザーは回避すべきだが、純粋に自作の楽しさに触れたいならば、一考の価値は十分にあるモデルだった。

【静音性】 5.0ポイント(条件付き)
 低速設定時の静音性は極めて高い。100mmファン「KAZE-JYU」の最低回転時(500±30%、9.42dBA、50.05CFM)は、4基稼働ながらバラック状態でのテストでも十分に静かで、フィンの風切り音も気にならない。恐らく耳が“聞きに行かなければ”生活騒音状態での稼働では、停止状態との音の区別はつきにくい。これは文句なく満点でよいだろう。一転、最高回転時(2000rpm±10%、37.69dBA、200.21CFM)は、それなりに豪快な音が発生する。
 ここで5.0ポイントとしたのは、最高回転時の騒音値に無視を決め込んだワケではなく、テスト構成での最低回転時でも十分な冷却能力が得られているからだ。騒音値を下げるために、冷却能力が犠牲になる事もなく、汎用CPUクーラーとしての仕事を十分に果たしている。
【冷却性能】 5.0ポイント
 これだけの押し出しでありながら、万一冷却性能が低ければ、8,000円台の市場想定売価はおろか、お蔵入りになるはずだ。
 実際のテストにおいても高い冷却性能は証明され、サイズが標榜するシステムファンとしての役割も果たされている事が分かった。相変わらずのサイズオリジナルモデルらしい鋭利な放熱フィンは熱離れが良く、ベース部からの高い受熱能力とヒートパイプの確実な熱移動、放熱フィンへの伝導が行われれば、低速回転のファンでも冷えてしまう。ライバル他社にとっては、なかなか厄介な構造と言えるだろう。
【取り付け易さ】 3.5ポイント
 “こちらで提示しておきながら”を前置きに、総合ポイントはあくまで目安にしかならない。合計数で判断しては製品本来の善し悪しを見誤る事になってしまう。こと「スサノヲ」で言えば、「取り付け易さ」のジャッジは苦手とする項目となり、総合ポイントの足かせになっている。
 「スサノヲ」で採用される搭載手順および部材は、「峰2」と同様。ただし「峰2」での評価は満点の5ポイントとしている。その理由は、クーラー本体の自重と大きさから、シーンによっては1人で作業できない事がある。本文でも触れたように、いわゆる“CPUクーラーメンテナンスホール”を利用しての搭載は、どんなに器用な人でも単独での作業はできない。ユーザビリティはこのような部分にも触れなければならず、「取り付け易さ」だけにスポット当てると 3.5ポイントの判断は致し方ない。
 それでも「峰2」で満点を獲得しただけあって、F.M.S.B.3(Flip Mount Super Back-plate 3)は完成度が高い。
【コストパフォーマンス】 4.0ポイント
 市場想定売価8,000円台のライバルと比較するには、あまりにもスタイルがかけ離れているため、どこをもってコストパフォーマンスのジャッジを下すかは悩ましい。ここは他社モデルの事は忘れ、「スサノヲ」の冷却性能と製品自体の作り等を考慮した結果から4.0ポイントとした。
 工作物として見た場合の「スサノヲ」は、3つのヒートシンクと12本ものヒートパイプ、さらには100mmファン4基で構成されている事から、部材代を含む製造コストは安くはないはずだ。さすがにサイズと言えども、オリジナルモデルは既存モデルのようなワケにはいかなかったのだろう。しかしながら、他社でこれを作らせた場合、1万円超えもあり得る。その点で言うならば、十分コストパフォーマンスは高い部類と言えるのではないだろうか。
サイズ 「スサノヲ」総合評価

機材協力:株式会社サイズ
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