2026.09.16 12:02 更新
2026.09.16 配信
Socket AM4が登場したのは2016年。それから10年が経過し、後継のSocket AM5もすっかり定着した2026年になって、AMDはまた新しいAM4向けCPUを投入した。その名も「Ryzen 5 5500F」だ。
AMDの製品ページによると発売日は9月10日。既に海外ではいくつかのメディアが取り上げているため、ニュースとして紹介するには少々時間が経ってしまった。しかし改めて仕様を確認してみると、単なる「Ryzen 5 5500の派生モデル」と片付けるには少々興味深いCPUであることがわかる。
まず基本スペックは、Zen 3アーキテクチャを採用する6コア12スレッド。ベースクロック3.0GHz、最大ブーストクロック4.4GHz、L2キャッシュ3MB、L3キャッシュ16MB、TDP 65Wで、DDR4-3200およびPCI Express 4.0をサポートする。CPUクーラーには「Wraith Stealth」が付属し、CPU倍率もアンロックされている。
なおAMDは同日、Socket AM5向けにも6コア12スレッドの「Ryzen 5 7500」を追加している。こちらも最新世代ではなく、Zen 4世代の「Raphael」を採用。新旧両プラットフォームのエントリークラスを同時期に拡充している格好だ。
|
Ryzen 5 5500Fと同じ9月10日に追加されたRyzen 5 7500。AMDでは大々的な事前プロモーションを行う場合もあれば、ひっそりとラインナップへ追加するケースもある。今回は後者で、いつの間にか登場していたのがこの2モデルだ |
ここで気になるのが「5500F」というモデル名だろう。既存のRyzen 5 5500も内蔵GPUを搭載していないため、単純にGPUを無効化した「F付きモデル」というわけではない。実際、Ryzen 5 5500がAPU由来の「Cezanne」ダイを採用するのに対し、Ryzen 5 5500FのコードネームはRyzen 5 5600などと同じ「Vermeer」。CPU演算ダイ(CCD)とI/Oダイ(IOD)からなる2ダイ構成で、Ryzen 5 5500では非対応だったPCI Express 4.0も利用できる。その一方でL3キャッシュはRyzen 5 5600の32MBではなく16MBに抑えられており、少々変わった位置付けのCPUに仕上がっている。
海外で報じられている価格は99ドル。Ryzen 5 5600より下の価格帯を担うエントリークラスの6コアCPUという位置付けで、AMD自身も「日常使いに最適な性能を提供するエントリーレベルのプロセッサ」と説明している。なお製品ページでは地域別の提供状況を「グローバル」としているものの、現時点で国内販売についてのアナウンスは確認できていない。
そして今回Ryzen 5 5500Fをあえて取り上げた理由がもうひとつある。
既にお伝えしている通り、国内ではASUSのAMD B550搭載MicroATXマザーボード「PRIME B550M-K ARGB-CSM」が9月17日より販売開始予定。市場想定売価は税込7,480円と安価で、奇しくもRyzen 5 5500Fの登場とほぼ同じタイミングで、Socket AM4向けの新たな選択肢が国内市場にも加わることになる。
もちろん、これから完全な新規環境を構築するのであれば、DDR5メモリやPCI Express 5.0に対応するSocket AM5という選択肢がある。それでも既存のDDR4メモリやAM4環境を活用したアップグレード、あるいは低価格なPCを組む用途では、AM4プラットフォームが現在も選択肢として残っているというワケだ。
初代Ryzenが登場した2017年よりも前、2016年に世に出たSocket AM4。10年を経た2026年になっても新しいCPUが加わり、さらに新品のB550マザーボードまで市場へ投入されるとは、当時誰が予想しただろう。Ryzen 5 5500Fが国内市場へ投入されるかは現時点では分からない。しかし「Socket AM4はまだ終わっていない」そんなことを改めて感じさせる、ちょっと面白い新CPUだ。
文: 編集部 松枝 清顕
AMD: https://www.amd.com/

