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Vol.1 「OCZ Vertex Series SSDを試す」
〜SSDを選ぶポイントはI/O性能〜

2009年3月10日 テクニカルライター Jo_kubota

待望のSSD、OCZ「Vertex Series」を一刀両断


 発表されてから随分待たされた,OCZのSSD「Vertex Series」。これのナニが注目かと言えば,ともかく圧倒的な速度だ。それでいて価格は控えめなのだから,まさしく「待望」されていたわけで,ようやく先週末に販売が始まったと同時に売れきれ店続出という人気ぶり。そんななか,エルミタージュ秋葉原特派員の尽力により120GBの「OCZSSD2-1VTX120G」をゲットした次第だ。(もちろん編集部の自腹である)

 では,Vertex Seriesを紹介する前にSSDとは何ぞや?という点を紐解いておこう。
  端的に言うなら,フラッシュメモリ,SDカードやメモリスティックに使われている書き換え可能な自己保持型のメモリ(Flash EEPROMとも言う)を,HDDとして使うのがSSDだ。SSDとはSolid State Driveの略で,Solid State(固体)とは半導体素子のことだ。

 そしてSSDが注目されているのは,HDDのように駆動分がないため衝撃に強いこと,低消費電力であること,そして高速という点が,最大メリットだ。
 HDDと比較してSSDのデメリットは2つ。それは容量あたりのコストと,大容量製品が無いことだ。HDDは現在2TBという製品が存在するが,SSDは最大でも250GB程度で,HDDの容量とコストに追いつくにはもう少し時間が掛かるだろう。とはいえ,起動ディスクをSSDに,データディスクをHDDという使い分けることで,コストパフォーマンスを追求することができる。
OCZSSD2-1VTX120G
OCZ Technology Vertex Series
「OCZSSD2-1VTX120G」 120GB


2009年3月5日発売開始
実勢価格税込42,000円前後
サイズ:2.5インチ
インターフェイス:SATA
キャッシュ:64MB
リード:250MB/sec
ライト:180NB/sec
OCZSSD2-1VTX120G OCZSSD2-1VTX120G OCZSSD2-1VTX120G
●アルミ製ボディながら,ブラックでシックなOCZ Vertex ●SAMSUNG製の「K9HCG08U1M」が使われている。MLCのNAND Flashメモリで,1チップあたり64Gbit(8GB)でこれが表裏16チップ搭載され128GBの容量となる
OCZSSD2-1VTX120G OCZSSD2-1VTX120G  
●Indilinx製SSDコントローラ ●ELPIDA製のSDRAM 166MHz/64MBキャッシュメモリ  
 
OCZ Vertex、SSDコントローラはIndilinx製「IDX110M00-LC」

  OCZも以前のモデルもJMicron製のコントローラを採用していたが,OCZ VertexではIndilinx製のSSDコントローラ「IDX110M00-LC」を搭載している。このコントローラの核はCPUにARM7を内蔵し外部にキャッシュメモリを接続することができ,OCZ VertexではELPIDA製の64MBキャッシュメモリを搭載している。ちなみにARM7は32bitのRISCプロセッサで,Nintendo DSのサブCPUや,iPodのCPUとして搭載されているほか,ディスクコントローラとしても使われることがある。

  さて価格だが,Vertex Seriesの価格は,現時点で120GB「OCZSSD2-1VTX120G」は4万円強,60GBモデルが半額の2万円強となっている。これまでの円高から円安になったため,次回入荷より価格が上がるという。さすがに4万円の120GBモデルを買うには若干勇気がいるが,起動ディスクに使うなら60GBでも十分だろう。


PhotoFastの「G-Monster V2シリーズ」との比較テストを実施

 では,速いと言われるOCZ Vertex Series(以下,OCZ Vertex)はどのくらい速いだろうか?というわけで,現在OCZと人気を二分するPhotoFastの「G-Monster V2シリーズ」(以下,G-Monster V2)の128GBモデルを入手し,比較してみることにした。またHDDには,HGSTの「HDT721032SLA360 (320GB/SATA-II/7200rpm)」を用意し,HDDとSSDがどのくらい速度差があるのかを見てみよう。その前に、PhotoFastの「G-Monster V2シリーズ」のスペックを見てみる事にする。
G-Monster V2 PhotoFast G-Monster V2
「PF25S128GSSDV2」128GB

2008年12発売開始 実勢価格税込37,000円前後
サイズ:2.5インチ/インターフェイス:SATA
リード:230MB/sec
ライト:160NB/sec
G-Monster V2 G-Monster V2 G-Monster V2
●アルミ製のボディはレッドアルマイト加工がされている ●OCZ「OCZSSD2-1VTX120G」とまったく同様、SAMSUNG製の「K9HCG08U1M」が使われている。MLCのNAND Flashメモリで,1チップあたり64Gbit(8GB)でこれが表裏16チップ搭載され128GBの容量となる
G-Monster V2 ●G-Monstar V2は,コントローラにJMicron製「JMF602」を2つ使い,RAID 0のようにアクセスすることで転送レートを稼いでいる
 
■テスト環境
CPU:Core 2 Quad Q9650/3GHz
M/B:ASUSTeK Computer Rampage Formula(Intel X48 Express)
Memory:PC2-6400 4GB
VGA:GeForce 9600 GT
OS:32bit版Windows Vista Ultimate
 
FDBENCHで見る転送レート

 まずはディスクベンチマークの定番,FDBENCHによる結果を見ていこう。テストサイズは1000MBと2000MBの2つでテストを行った。いずれもデータディスクとしてテストを行っている。FDBENCHはバラつきが大きいため,テストは5回行ってもっとも高いスコアを採用している。単位はKB/secだ。

FDBENCH

 パッと見の数字だけ見ると,G-Monster V2の方が優勢のように見えるが,細かく見ていくと,シーケンシャルリードは互角,同ライトはG-Monster V2の方が大きく上回っている。
 そしてランダムリードはほぼ互角ながら,同ライトは圧倒的にOCZ Vertexが速い。なお言うまでもなく,HDDはSSDに大きく劣っている。もっとも,今回使用したHDDは,かなり使い古してバットセクタもそれなりに発生しているため,という理由もあるがスコアを倍にしても届かないことから,SSDが圧倒的に速いことに変わりない。

 起動ディスクとして,あるいはOSのページファイル(仮想ディスク)で重要視するのはランダムアクセスだ。シーケンシャル性能も確かに重要だが,Windowsで使うことを考えるならランダムアクセス性能に優れるものを使うのが鉄則である。FDBENCHでもその片鱗は見えているが,大雑把すぎて本当にOCZ Vertexが速いのかどうか分からない。
 そこで以前コラムに書いた「I/O」性能について見ていこう。


IOMeterでIOPS(I/O per second)を計測してみる

  具体的には,IOPS(I/O per second),つまり1秒間に処理できる命令数を計測するため,「IOMeter」というベンチマークソフトを使用し,結果を見ていきたい。IOPSに優れるということは,それだけ同時にアクセスが発生しても処理に遅延が生じないことを意味する。1秒間にそんなに命令が発生するの?という疑問もあると思うが,HDD(というかディスクアクセス)はリードにしろライトにしろ1回のアクセスを完了するのに4〜10程度の命令が必要であり,1命令で済むということはほとんどない。
 その結果がこちらだ。
■IOMeter
 
OCZ Vertex
G-Monstar V2
HDD
IOPS
176
104
46
MB/s
130
97
35
Response Time(ms)
5.6
8.7
21
CPU %
1.24
0.71
0.34

  実のところ,IOPS性能はテストの方法によってかなりスコアが変わる性質がある。今回はファイルサイズを512KBと1MB,それぞれリード0%/ライト100%,リード25%/ライト75%,リード50%/ライト50%,リード75%/ライト25%,リード100%/ライト0%という配分で10GB分の読み書きさせるテストをしている。(これだけでも1日近く時間がかかる)その割りに出てくるスコアはパッとしないのが難点だが,テストスコアの信頼性はFDBENCHよりも遥かに高い。
 IOPS性能はHDD比でOCZ Vertexは約3.8倍,G-Monster V2は2.3倍という結果となり,今時のSSDは本当に速いことが分かる。
 同じくIOMeterでの転送レート測定では,圧倒的にOCZ Vertexが早く,そしてレスポンスタイム(応答時間)もOCZ Vertexが圧倒的に短い時間を記録している。

 最後のCPU使用率だが,OCZ Vertexが最も高く1.24%となった。CPU使用率が低ければ低いほど良いのは当たり前だが,Windowsでのディスクアクセスの場合,性能の高いストレージほどCPU使用率が上がる傾向がある。これは馬力の大きい車は速いけど燃費が悪いのと似ている。このあたりはある程度,スピードとのトレードオフとなるわけだ。もっともPCの場合,遅いよりも速い方がメリットが大きく,また1%台のCPU使用率ならPCに与える影響はほとんどないだろう。

 というわけで,噂のOCZ Vertexは本当に速かった。

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