エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1482
2024.12.05 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/池西樹(テストセッション)
まずは冒頭から繰り返しとなる「ようやく順番が回ってきた」について触れておかなければいけない。今回の主役「SHURIKEN3」の製品版が編集部に到着したのは8月上旬のこと。エルミタではお馴染みの、サイズオリジナルCPUクーラー仕掛け人S氏から一報が入り、いち早く入手できたものの、10月11日に国内販売がスタート。さらに本稿の公開は12月までずれ込んでしまった。
実は撮影および検証+検証セッションライティングは済んでいたものの、あれやこれやと基幹パーツの販売解禁が重なり、今日までスケジュールの空きが無かったというのがその顛末。サイズオリジナルCPUクーラーのほとんどを検証しているだけに、公開を心待ちにして頂ける読者の皆さま、さらに仕掛け人S氏にはお詫びしなければならない。
サイズ「SHURIKEN3」(型番:SCSK-3000) 市場想定売価税込3,980円(2024年10月11日発売) 製品情報(株式会社サイズ) |
さらにさかのぼること、今から約半年前。COMPUTEX TAIPEI 2024開催中に行われた、”サイズ専用ブース”でのこと。その存在は事前に聞いていたものの、ゲンブツを見るのはこれが初めてだった。既にパッケージもできており、詳細はブースレポートに詳しい。
COMPUTEX開催期間中、「南港展覧館」近くの喫茶店を貸し切る格好で”専用ブース”を設けたサイズ。ここの主役は「SHURIKEN3」で、レポート記事ではサイズS氏による生解説が視聴可能 |
ちなみに「SHURIKEN3」は、「手裏剣弐」(型番:SCSK-2000)(2019年12月発売)の後継機で、全高は前作の58mmから39mmへ、実に19mmも低くなっている。両者の大きな違いは、放熱フィンと受熱ベースプレートのスタイルにある。まずは前作を画像で振り返ろう。
手裏剣弐(型番:SCSK-2000) |
手裏剣弐は放熱フィンに貫通した4本のヒートパイプが外へ露出し、受熱ベースプレートはヒートシンクから離れた位置にレイアウトされている。そしてSHURIKEN3ではこれを一体型したことで、全高を大幅に抑える事に成功している。単なる外観上の小型化はこの手法が最良かもしれないが、前作より冷却性能を落とす事は当然許されない。果たして設計の見直しにより小型化されたSHURIKEN3は、限られた内部空間の中でCPUを安定的に冷却できるのだろうか。
11月に実施した全高31mmのロープロファイル型CPUクーラー「CC-10」(アイネックス)。見た目の印象を覆し、思いのほか冷える事が分かった。SHURIKEN3と同じロープロ&トップフローだけに、マークはしておくべき存在 |
次にスペック表を確認してみよう。対応ソケットはIntel LGA1700/1200/115x、AMD Socket AM4/AM5。ちなみにこれは製品発表時(2024年9月25日)のリリースに準拠しているもので、その後10月25日にCore Ultra 200Sが発表されたため、LGA1700とネジピッチが同じLGA1851が追加されている。
外形寸法については全高39mmはお伝えしている通りで、縦横は92mm。そしてCPUソケットに収まる小型クーラーの最大サイズである92(90)mmの冷却ファンが搭載されている。なお受熱ベースプレートおよびヒートパイプについては、詳細セッションで画像を見ながら解説しよう。また冷却ファンを含めた重量は320gで、製品には1年間の保証が付く。
外装パッケージ寸法は公称で幅125mm、奥行き125mm、高さ100mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は482gとされる |