エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1245
2023.01.22 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
エントリークラスの製品ながら電源回路には50A Dr.MOSを採用する「B760M Pro RS/D4」。テストセッションのラストは、電源回路の能力を確認するため、Power Limit 1(PL1)を標準設定の65Wから、Core i5-13400のMax Turbo Powerである148Wに変更した状態で動作をチェックしていこう。なおストレステストには「CINEBENCH R23:10 minutes(Test Throtting)」を使用している。
マザーボードの標準設定時はテスト開始直後こそPackage Powerが90W前後、Pコアクロックは4,100MHz前後まで上昇するものの、約1分後にはPackage Powerは65W前後、Pコアクロックも3,600MHz前後まで低下し、「CINEBENCH R23」のマルチコアスコアも約10%低くなる。一方、Power Limit 1を148Wに設定するとPackage Power、Pコアクロックとも低下することなく、「CINEBENCH R23」のマルチコアスコアも単体チェックと同等のレベルを維持することができていた。
PL1=65W:アイドル時のサーモグラフィ | PL1=65W:高負荷時のサーモグラフィ |
PL1=148W:アイドル時のサーモグラフィ | PL1=148W:高負荷時のサーモグラフィ |
またサーモグラフィの結果を確認すると、PL1=148W設定時はPackage Powerが約35W、システム全体の消費電力は約50W増加しているが、電源周りの最高温度の差は約4℃とわずか。さらに今回はCPUソケット周りにエアフローが全くない過酷な条件ながら、不安定な挙動を示すこともなかった。
Intel B760チップセットを採用する製品の中では最安クラスとなるASRock「B760M Pro RS/D4」。しかし、このクラスの製品では珍しい高効率・低発熱なDr.MOSの採用や、2ブロック構成のアルミニウムヒートシンクを搭載していることもあり、コア数が増えた新型Core i5のPower Limit無制限設定でも安定動作が可能だった。
また廉価モデルでは2本に制限されることも多いメモリスロットだが「B760M Pro RS/D4」ではしっかりと4本搭載し、最大128GBまで増設が可能。加えてオーバークロックメモリにも対応しており、高速なメモリが有効なゲーミング用途や、大容量メモリが要求されるクリエイティブな作業でも不満が出ることはないだろう。
さらにM.2ヒートシンクやメタルシールドで補強した拡張スロット、一体型のI/Oシールドなど、イマドキのマザーボードに求められる機能も網羅しており、マルチスレッド性能が大きく引き上げられた新型Core i5で、価格を抑えつつPCを組みたいなら注目のモデルになるだろう。
協力:ASRock Incorporation