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最終更新日 2026年7月19日 9:00

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エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.22

SilverStone「Fortress SST-FT02B-W」徹底レビュー

2009.12.26 更新

文:GDM編集部 松枝 清顕

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Fortress PCケース SilverStone

エアフローレイアウトチェック

内部構造が非常に特徴的な「Fortress SST-FT02B-W」だが、ここではエアフローレイアウト構造をチェックすると共に、SilverStone社が提唱する「正圧」状態を選択する理由までを掘り下げて行く。
 ちなみに「正圧」型は前回お伝えした「RAVEN 2」等にも共通した特色となるため、そこを念頭にした上で参考にして頂ければと思う。

ボトム面に3基配列された180mm口径吸気ファン部。この画像からボトム部はほぼ全面に渡り、ファンで埋め尽くされている事が分かる。もうこれ以上の良好なエアフローレイアウトは考えられないと言っても過言ではない
吸気ファンはケース内部にエアフローを送り込むだけでなく、埃を侵入させる元凶となるため、フィルターが設置されている。ネジ不要のワンタッチ着脱が可能で、メッシュ部は目の細かい“網戸”調。金物が無い事でそのまま水洗いもできてしまう。なお着脱はサイドパネルを外さなければならない
ボトムファンからトップ面を見た所。左側からHDD・光学ドライブ部、中央の拡張スロット部、右側電源ユニット部の3つの見えないパーティションに1基ずつの180mmファンが各々を担当するイメージ。しつこいようだが、これ以上のエアフローレイアウトは無理
吸気部は約18mmの取り込み口が設けられている。もちろんボトム部も一体成型の一部分、“Uの字”の最底面にあたる 取り外した180mmボトムファン用フィルター。フレキシブルな樹脂製枠が使用されている
ハードディスクケージ部。ボトム180mmファンが最大5基搭載可能はハードディスクを垂直エアフローで効率的に冷却できる事がよくわかる 拡張スロット部と電源ユニット部をそれぞれ“担当する”180mmファン。電源は3pin仕様で、パルスセンサー対応
(画像左)トップ排気ファンは120mmで1200rpm/19dBA。その横にある3列のツマミは、ボトム3連180mmファン用の回転数切替スイッチで、トップカバーを外すことで容易に設定ができる。(画像右)羽形状は静音重視の丸羽が採用され、表面は窪みにより低速でも風量が増すと言われているディンプル仕様。エルミタでは“極たまに”懐疑的な見解が掲載されているが、一時お忘れ頂こう。ちなみにGLOBEのOEM品となる
拡張スロットブラケットはスリッドが設けられ、筐体内の熱を外部に逃がす事ができる リアエアフローには電源ユニット用吸気孔が用意される。メッシュ仕様の蓋はABS樹脂製で、着脱が可能。メンテナンスも容易

もうひとつのキーワード。正圧とはなにか

前回取り上げた「RAVEN」シリーズ同様、今回のモデルにも共通したキーワードがある。それは「正圧」だ。

ケースファン等で用いられる事がある「静圧」という綴りはご存知の方も多いと思われるが、ケースで使われている「正圧」(positive pressure)とは一体どんな意味になるのだろうか。これに関して、SilverStoneの日本語サイトに解説ページが用意されているので、それを噛み砕きつつ、エルミタ的に考察してみたい。

吸気のエアフローが排気よりも大きい場合に生成される「正圧」

PCケースは、メーカーがデザインするさまざまなエアフローレイアウトが存在している。数年前のPCケースのように最大口径が120mmという時代も過去のものとなり、200mmを超える大口径ファンも決して珍しく無く、試行錯誤の上さまざまな吸気および排気ファンが搭載されている。

ちなみに、PCケースは当然の事ながらどんなに精巧で音漏れが防止された静音モデルでも、ファン搭載部を除き、完全な密閉空間ではない。
 また、意図的に吸排気孔が用意されていたり(リア拡張スロットの通気孔スリッド、また電源搭載部下の通気孔やファン非搭載時のサイドパネル等)、工作精度上にできた隙間(ドライブベイの蓋の隙間等)は、内部エアフロー状態によって風の流れが変化する。

「正圧」状態により、トップ面はフィルター不要の自然排気部が多い

さて、SilverStoneが推し進める本題の「正圧」についてだが、端的に解説すると、吸気量が排気量よりも大きい場合に生成される状態を指す。ちなみに排気量が吸気量を上回った状態を「負圧」(negative pressure)と言い、現在のPCケースでは「負圧」状態のエアフローレイアウトを採用するモデルは非常に多い。

ちなみにドライブベイの蓋の隙間、さらにリア拡張スロットの通気孔スリッド、また電源搭載部下の通気孔やファン非搭載時のサイドパネル等の“自然吸排気箇所”は、「正圧」「負圧」いずれかの内部状況により、自然排気または自然吸気状態が作られる事になるが、「Fortress」シリーズでは「正圧」エアフローが選択され、「負圧」ケースよりも内部圧力が大きい事は、ボトムファンの口径および搭載個数とトップ排気ファンの個数で容易に想像できるだろう。

「正圧」(positive pressure)状態のメリットとは

「負圧」状態の場合、グラフィックスカードからの排熱が逆流する恐れがある(画像は「RAVEN 2」)

では「正圧」状態を作り上げるPCケースにおけるメリットを考える。これを説明するには、「Fortress」を例に挙げると非常にわかりやすい。
 しつこいようだが、このモデルではボトム部に180mm口径の吸気ファンが3基並べられており、外部から強力なエアフローをケース内部に送り込まれ、トップ部に1基搭載された120mm口径排気ファンが内部の熱を排出し、「正圧」状態が常に保たれている。
 このレイアウトを採用する事で、埃の侵入を減少させる事ができる。つまり自然排気箇所となった隙間からは埃が入り込む余地は無く、さらに唯一の吸気部となるボトムファン搭載箇所にエアフィルターを設けるだけで良い。逆に「負圧」状態のモデルの場合は、自然吸気箇所ができてしまう分、ファン搭載箇所にフィルターを装着しただけでは、これをシャットアウトする事はできないという仕組みだ。

次にグラフィックスカードの冷却効率を最大化させるというメリットもある。
 現在主流となっているリファレンス2Slotレイアウトの外排気VGAクーラー搭載モデルでは、「負圧」状態のケース内に搭載した場合、せっかく排出した熱をケース背面の自然吸気箇所から再度ケース内部に逆流してしまう恐れがある。そしてこの状態は非常に“作り上げられ”易い。

これは、VGAクーラーの外排気部近辺には、「負圧」により吸気状態になり易いスリッド付き拡張スロットや、自然通気孔が設けられているケースが多く、この目に見えない“悪循環”が出来上がってしまうと、非常に短いサイクルでVGA外排気ファンからの熱が逆流し、十分にグラフィックスカードが冷却できないという訳だ。当然温度(負荷)可変ファンの場合は高回転が維持されやすく、静音状態から逸脱するだけでなく、高い温度での連続稼働では、起こりうる経年変化によるトラブルを未然に防ぐ事ができないばかりか、パフォーマンスにも影響を及ぼしかねない。

極端な例ではない、「負圧」状態が作り上げる外排気型VGAクーラーの“悪循環”エアフローレイアウト

「Fortress」が採用する「正圧」状態についての主なメリットを解説したが、意外にも見落とされている部分のように感じる。これを期に、現在稼働させているPCケースのエアフローレイアウトを再確認してみてはいかがだろうか。意味をなさない(100%とは言えないが)ファンフィルターの装着や、むやみに装着した拡張スロット通気孔等、改善する余地が見つかるかもしれない。

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レコメンド電源ユニット、SilverStone「SST-ST1000-P」は80PLUS SILVER認証の高出力電源ユニットで、フルモジュールタイプを採用
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