エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1040
2021.08.19 更新
文:撮影:松枝 清顕(解説)/ 検証セッション:池西 樹
ここからは「CNPS10X PERFORMA BLACK」をPCに組み込み、その冷却性能をチェックしていこう。まずはIntelのメインストリーム向け最新フラッグシップCore i9-11900Kの検証から進めていく。ストレステストは「OCCT 9.0.2:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」の2種類で、CPU温度およびファン回転数は「HWiNFO64 v7.07」で計測。なお新ブースト機能であるAdaptive Boostを有効にした状態でもテストを実施している。
第11世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルCore i9-11900K。今回は定格とブースト機能「Adaptive Boost」を有効にした状態で検証を行った |
CPUクロックや温度、ファン回転数の取得には「HWiNFO64 v7.07」を使用した |
まず「OCCT 9.0.2」実行時の結果を確認すると、定格では突発的に80℃を超えることはあるもののおおむね75℃前後で推移。ギリギリまで性能を引き出す「Adaptive Boost」を有効にした場合でも95℃前後で、動作クロックも規定の5.10GHzで安定している。
より負荷の高い「CINEBENCH R23」でも定格であれば80℃前後までしか上がらず冷却性能には全く問題なし。ただし、「Adaptive Boost」を有効にすると許容温度の100℃でほぼ貼り付き、動作クロックも4.90~5.00GHzにとどまる。とは言え、これは「Adaptive Boost」の問題。Intel公認のチューニングながら消費電力は100W以上もアップしており、一般的な冷却方法では安定して動作させるのは難しいだろう。
定格のファン回転数は「OCCT 9.0.2」で1,250rpm前後、「CINEBENCH R23」でも1,400rpm前後で、まだ冷却性能にも余裕がある。一方、「Adaptive Boost」有効時は、いずれもフル回転となる1,600rpm前後まで上昇しており、余力は全く残されていない。
騒音値はアイドル時、および「OCCT 9.0.2」の定格時はいずれも40dBA以下にとどまり、バラック状態でもほとんど気にならない。しかし、1,400rpm辺りから急激にノイズが増え、定格でも「CINEBENCH R23」実行時は41.7dBA、「Adaptive Boost」有効時は約46dBAを記録した。ノイズ自体は低音が中心のため、小型ファンほど耳障りには感じないが、最近のCPUクーラーとしてはノイズは大きめ。PCケースに入れても完全に抑えることは難しいだろう。