エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.906
2020.09.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
CPUの純粋な性能を計測する「CINEBENCH」系では、全く影響がなかったGPUモジュール。続いて、PCの総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 10 Extended」を使い、その違いを確認していこう。
GPUの性能がスコアに直結する「Gaming」では実に7倍以上もの差がついた。それ以外のテストでも「Digital Content Creation」では約2倍、最も差の小さい「Productivity」でも9%。総合スコアも2倍以上と大きな開きがあり、総合的なシステム性能はもはや別物と言っていいほどの違いがある。
ここからは、より差が広がるであろうグラフィックス性能を検証していこう。まずは3Dベンチマークテストの定番である「3DMark」から、APIにDirect X12を使用する「Time Spy」を確認する。
Graphics scoreはIntel UHD Graphics 630の約10倍、CPUの影響が大きいはずのCPU scoreも1.4倍以上スコアが向上。総合スコアも約9倍と大きく伸びており、「Time Spy」についてはGPUモジュールの効果はかなり大きい事がわかる。
続いて、APIにDirect X11を使用する「Fire Strike」のスコアも確認していこう。
「Time Spy」に比べると差は小さくなっているものの、Graphics score、Physics score、Combined scoreのいずれも順当にスコアが上昇。総合スコアの伸びも約8倍と大きく、やはりグラフィックス系のベンチマークではGPUモジュールの効果は非常に大きい。
「3DMark」系のベンチマークのラストは、比較的負荷の軽い「Night Raid」のスコアを確認しておこう。
Graphics scoreの傾向は「Time Spy」とほぼ同じで、その差は約10倍。このことからGeForce GTX 1650は、Direct X11世代のAPIより、Direct X12世代のAPIの方を得意としているようだ。また本来はCPUの性能が重要になるCPU scoreでもその差は大きく、GPUモジュールは基本的にはつけたまま使う方が良さそうだ。
実際のゲームプレイを想定したテストとして、人気オンラインゲーム「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」の公式ベンチマークもチェックしておこう。今回は解像度をフルHDに固定して、描画品質は「最高品質」「高品質(デスクトップPC)」「標準品質(デスクトップPC)」の3種類を選択した。
Intel UHD Graphics 630では、「標準品質(デスクトップPC)」でも判定は“設定変更が必要”、それ以外は“動作困難”の判定で正直ゲームを動かすのは難しい。一方、GPUモジュールを装着すると「最高品質」でも最高判定となる“非常に快適”の7,000ポイントを大きく上回るスコアを記録。このことからフル解像度までなら、よほど重量級のゲームでなければ十分楽しむことができるだろう。