エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.517

HHKB級の超小型サイズで分離型。夢がつまったフリースタイルキーボード「Barocco」を試す

2016.09.26 更新

文:GDM編集部 絵踏 一

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 「COMPUTEX TAIPEI 2016」に登場したキーボードの中で、一際強烈な存在感を放っていた「Barocco」を覚えているだろうか。Happy Hacking Keyboard(HHKB)を連想させる超コンパクトサイズのメカニカルキーボードにして、左右独立の分離レイアウトを採用した意欲作だ。ギーク集団のMISTEL co,.Ltd(本社:台湾)が送り出した魅惑の鍵盤、なんと近く国内向けにも取り扱いが開始されるという。早々に国内正規代理を担当する株式会社アーキサイト(本社:東京都千代田区)より発売前のサンプルを借り受け、その魅力の一端を一足先に堪能させてもらうことにした。
MISTEL「Barocco」(型番:MD600)
製品情報(MISTEL

MISTEL最初の本格的プロダクトは、とんでもない野心作

レビューサンプルが手元に届くと聞いて、6月に開催されたCOMPUTEXでの出会いを思い出していた。Vortexgearブース内で一際目を引く存在が、今回主役の「Barocco」だった

「Barocco」と出会ったのは、「COMPUTEX TAIPEI 2016」におけるVortexgearブースだった。Vortexgearといえば、日本でも発売され人気を博したコンパクトキーボード「Poker」シリーズ(国内では「CHERRY MINI」)を生み出したことで知られている。HHKB的な配列のメカニカルキーボードとして熱烈なファンを獲得した「Poker」、その系譜を受け継ぐ新モデルが、同社の関連ブランドMISTELからリリースされたというワケだ。
 MISTELにとっては「Barocco」が実質的な第一弾製品ながら、それが左右分離型の超コンパクトキーボードとは驚かされる。同社サイトの自社紹介からは、寝食を忘れてキーボード設計に没頭するギークの集団という側面が窺えるが、そうした同社の性格が色濃く反映されたプロダクトと見るべきだろう。

おお、HHKBのようなミニサイズのメカニカルキーボードを発見した・・・と思いきや、まさかの左右分離型モデル!こんな製品を第一弾として送り出したMISTELとは、なんとギークな野郎たちなんだ

分離型キーボードの新境地「Barocco」

その「Barocco」は、フルサイズピッチのミニキーボードにおける代表作・HHKBを連想させる62キー英語配列モデル。主要キーをベースに搭載キーを厳選、19mmピッチながら可能な限りの省スペース化が図られている。UNIX文化を強く意識したHHKBに比べ、Windowsキーを標準で備えるなど、こちらはより一般的なWindows向けのレイアウトだ。キースイッチには、愛好者も多いZF Electronics製のCherry MX茶軸が採用されている。

HHKBをWindows向けにリファインしたような、極小レイアウトの「Barocco」。このサイズでCherry軸搭載、さらに分離型という、かつてない要素が組み合わされている

ただしここまでは、あくまで“合体状態”における話。「Barocco」最大の特徴とは、左右ユニットを真っ二つに分割して使用可能な左右分離型レイアウトだ。そもそも一般的なキーボードの場合には、入力時の姿勢からどうしても手首や肩に負担がかかってしまう。身体の構造上窮屈な姿勢を強いることになり、長時間のタイピングが必要な職業にとっては、腱鞘炎も現実的な脅威。そこで肩幅をくつろげてフリースタイルで入力することにより、身体への負担や疲労の軽減を狙ったのが、分離型レイアウトというワケだ。

完全分離型ではないものの、一般的な入力姿勢の負担がよく分かる「Truly Ergonomi」の使用イメージ。肩幅広げて手首をまっすぐ伸ばせる分離型レイアウトは、“キーボード使い”の職業病である腱鞘炎防止にも効果的だ
MX5000
分離型のエルゴキーボードは、とかく大柄になりがちなところが難点。変形機構をもつ「Matias Ergo Pro」やCherry唯一のエルゴモデル「MX5000」もまた、とんでもなく場所をとるキーボードだった

同様の分離型モデルとしては「Matias Ergo Pro」「Kinesis Freestyle2 Keyboard」「μTRONキーボード」など、複数の製品が知られている。もっともこの手のエルゴノミクスキーボードはその性質上大型になりがちで、小型のモデルでもピッチが狭かったりと、ややクセの強い製品が多かった。フルピッチ入力可能な小型モデル(しかもHHKB級)で、なおかつメカニカルスイッチ搭載モデルとくれば、およそ「Barocco」が初めての存在だろう。

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