エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1403
2024.03.14 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ずいぶんと久し振りに検証を行うSilverStoneのPCケース。「SUGO」も世代が進化し、いつの間にか新作には「17」の番号が付けられている。実際に1番から順に進化しているのかは未確認だが、数はシリーズの歴史を表し、その数字から同社の看板シリーズである事は間違いない。
SilverStone「SUGO 17」 市場想定売価税込40,480円(2024年2月16日発売) Black(型番:SST-SG17B) 製品情報(SilverStone Technology) |
「SUGO 17」は、2023年9月26日(現地時間)のグローバルリリースを経て、今年2月からようやく国内市場での販売がスタートした。ラインナップはブラックとホワイトの2色で、編集部にはブラック(型番:SST-SG17B)が届けられている。ちなみにひとつ前の「SUGO 16」は2021年11月の発売だから、2年数ヶ月で新モデルへ移行された格好。リリースサイクルとしては、比較的早く世代が代わったことになる。
なおSilverStoneの製品サイトを確認すると、「SUGO 16」は「シューズボックス/キューブ」、「SUGO 17」は「タワーケース」にそれぞれ分類されている。前者はMini-ITX/DTX規格専用に対し、後者はMicroATX規格が新たに加わったことでカテゴリが変わってしまったようだ。
SilverStone「SUGO 17」White(型番:SST-SG17W) 市場想定売価税込40,480円(2024年2月16日発売) |
ここで少し過去を振り返ってみよう。2012年10月、マーケティング・マネージャー(当時)であるSilverStoneのTony Ou氏へインタビューを行った。エルミタとは何かと縁が深い今やSilverStoneの重要人物だが、当時の会話で「SUGO」のシリーズ名に触れている箇所がある。それによると「SUGO」は宮城県にある「スポーツランドSUGO」のレーシングコース名にちなんで名付けられたとある。
SilverStoneのTony Ou氏(インタビュー当時)。かれこれ11年以上前のTony氏だが、今もあまり変わらない。現在はアメリカ 西海岸在住 |
「スポーツランドSUGO」のサーキット場はコースがコンパクトであることから、小型筐体にはピッタリという事らしい。モータースポーツ好きのTony氏らしい発想だが、そもそもSilverStoneの社名もイギリスにあるシルバーストン・サーキット(Silverstone Circuit)に由来しているとか。そういえばその昔、SilverStoneを検索すると、必ず上位にシルバーストーン・サーキットのサイトがヒットし、なかなかたどり着けなかった事を記憶している。
実機に触れる前に、スペック表からSUGO 17の概要を見ていこう。冒頭でも触れたとおり、対応マザーボードはMicroATXを筆頭に、Mini-ITX/Mini-DTXに対応。基板の規格だけを見るとミニタワーと呼びたくなるが、実際には幅202mm、奥行き451mm、高さ286mmあり、内部容積は26.1リットルとされる。高さこそ300mm以下で”立派なコンパクトサイズ”だが、幅と奥行きはちょっとしたミドルタワーPCケースと同等。特に設置場所を確保する際には、小型筐体の概念は捨て去った方が良さそうだ。
なお外装パッケージサイズは実測で幅約540mm、奥行き約300mm、高さ約390mm。重量は緩衝材および付属品を含め、箱には6.75kgと記されている。カテゴリーはタワーケースだが、外装パッケージ自体は比較的コンパクトで(長方形ではあるものの)店頭購入からの持ち帰りは十分可能なサイズ感だった。