エルミタ的業界インタビュー「オピニオン」 Vol.11 

自作ユーザーが満足するBuilt To Orderとは? BTOのサイコム訪問記

2012.10.01 更新

文:GDM編集部 Tawashi/絵踏 一

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サイコムの肝“サポート”を支えるのは経験に基づく判断力

    工場長の中谷 誠吾氏。同社のウリともいえるサポート部門の責任者。日頃行っているサポート業務を分かりやすく丁寧に解説してくれた

  • 編集部:
     ここでサポートの話が出たので聞かせてください。サイコムさんのBTOというと“お客様にできる限りのことをする”をモットーにサポートには定評があります。そのあたりのポイントがあれば具体的に教えてください。
  • 中谷氏:
     サポートについては私が担当していますのでお答えします。基本的にですが、BTOの保証内で問題が生じた場合は、該当パーツを新品の正常品に交換後、動作チェックをしてすぐにお返しします。そこでお客様を待たせるようなことは極力しません。
     例えばですが、グラフィックスカードが壊れたというお客様がいらした場合、製品到着前に代替え品を用意しておきます。さらにお客様で交換作業をしていただけるということでしたら、新品のグラフィックスカードをすぐにお送りすることもあります。
  • 編集部:
     えっ?本体を検証もせずに、カードをいきなり送ってしまうのですか?
  • 中谷氏:
     はい。それもサポートの一部だと思っています。やっぱり本体を発送するのは大変ですから。なかには大きいPCケースもありますので。
  • 編集部:
     グラフィックスカードやHDD、SSD、電源など全てのパーツにおいても同じ対応なのでしょうか。
  • 中谷氏:
     例外としてShuttleのベアボーンなどがありますが、弊社オリジナルのBTOについては、全て新品交換します。その際、基本は在庫で対応できるのですが、なかには1年保証ギリギリで故障する場合もあります。在庫がない場合などは、同等品以上のものと交換させていただいています。メーカーさんや代理店さんの修理や交換を待って対応するということは、まずありません。
サポート専用ルームの様子。独自の7日間という納期ルールに沿って対応すべく、効率よく作業が進んでいる印象だった
  • 編集部:
     修理期間の規定などはあるのでしょうか。
  • 中谷氏:
     はい。該当製品がお客様より到着後、7営業日(土日祝を除く)以内に弊社を出荷するというのが決まりとなっています。ですので、修理で1カ月お待たせするなどということは絶対にありません。
     さらにお客様の指摘する故障やトラブルが、弊社では再現しないということも多々あります。その場合は、なにもせずに送り返すわけにもいきませんので、見込みで交換することになります。たしかに出にくいトラブルもありますので。
  • 編集部:
     やはりパーツ販売がメインのショップとは明らかに対応が違ってきますね。
  • 中谷氏:
     はい。価格競争の激しいパーツショップさんなどでは、どうしてもできない対応ですよね。ただ、弊社のようなBTOを扱う場合は組み込みとサポートは一体だと考えています。
  • 河野氏:
     お客様によっては「逆算すると選択したグラフィックスカードがアキバの価格設定より高すぎる」というお叱りも受けます。そこはパーツ販売のみと、弊社のように組み込みまでするBTOとは異なるという点をご理解いただければと思っています。
  • 編集部:
     秋葉原を毎日取材していると、店員さんとバトルするお客さんを見かける機会も少なくないのですが、サイコムさんではお客さんと揉めるなどということも少なそうですね。
  • 中谷氏:
     そうですね。たまにお叱りを受けることもありますが、比較的スムーズに対応させていただいています。逆にショップさんのように対面でお話しできないからこそ、非常に気を使っている部分です。
  • 河野氏:
     修理対応については完全に全てのお客様を満足させることは出来ていないかもしれませんが、常に100%の満足度を目指してお客様本位の立場で対応させていただいています。そこでサポートにかかるコストも正直相当あります。だからこそ、先ほどの話に戻りますが、信頼性の確保されたパーツを使っていきたいと思うのです。
     ただし、サポートコストも入っているのでこの価格ですというのは、あくまでこちら側の論理でお客様には関係のないことです。ですから声高に言うことでもないのですが、サイコムのBTOは価格第一主義ではなく、購入後の安心も含まれている、と感じていただければ嬉しいですね。

まさに“僕の代わりに”組んでくれるBTO

とかくパーツ単体にスポットを当てて話を進めることの多い、我々自作系メディア。自作を前提にするユーザー同士の会話でも、BTOの存在は、ややもすれば選択肢から忘れがちだ。だが今回サイコムBTOについて聞き、さらに現場を取材することで、BTOに対するイメージはガラリと変わった。
 特に、プライベートブランドPCの流行以来、誰もが夢に描いてきた「注文時に相性を自動判定するシステム」は、限りなく“神システム”に近い。パーツの組み合わせのシステム化はそれ自体もなかなか複雑な仕組みだが、さらに相性まで同時に出すとなると知識や継続的な情報更新などシステム以上にソフト面も重要になるからだ。
 言うなれば“自作ユーザーのためのBTO”。選べるパーツが自作派寄りですべて開示されているという点はもちろん、実際に1台1台丁寧に組み立てられる様子は、まるで各担当者自身のPCを自作しているような光景だった。加えて、河野氏が最後に言った「長年にわたり、納期とサポートという2つのポリシーをしっかりと継続してきたからこそ、今があると思っています」という言葉。“Built To Order”をまさに地でいくサイコムは、自作の専門家集団が好みのPCを確実に提供してくれる、そんなBTOメーカーだった。

協力:株式会社サイコム
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