エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1317
2023.07.27 更新
文:編集部:池西 樹・絵踏 一/撮影:pepe
簡単に製品の概要を把握したところで、ここからは「Modern MD271UL」が搭載する機能や際立った特徴について、個別にチェックしていこう。
「Modern MD271UL」が搭載しているのは、3,840×2,160ドットの高解像度表示に対応した27型サイズのIPS液晶パネルだ。一般的なフルHD解像度に比べて4倍の情報量を表示できることから、本格的な画像編集などのタスクには4K環境がほぼ必須。「Modern MD271UL」はディティールが潰れることなく高精細な画像を表示できるという、クリエイティブ向けディスプレイの条件をしっかり満たしている。
また、単純に表示エリアが広く確保できるため、ビジネスシーンでも複数アプリケーションやウインドウを並べて表示可能。様々なタスクの生産性向上にも繋がるだろう。
こうした用途がメインで想定されていることから、リフレッシュレートは一般的な60Hzまで。ただしティアリングやスタッタリングを解消するAdaptive-Syncのディスプレイ同期に対応しており、滑らかな映像を表示できる点は動画鑑賞時などに有利に働くはずだ。
クリエイティブ向けの運用を考える際、正確な色表現は生命線と言っていい。「Modern MD271UL」は最大約10億7,300万色を表示可能な10bitカラーの階調表示に対応するほか、広い色域をカバーする豊かな色再現性を備えている。
具体的には、Windows標準のsRGBを99%、より広色域なAdobe RGBは95%、デジタルシネマ向けDCI-P3を99%カバーする広色域表示が可能。様々な階調におけるわずかな色の違いも正確に再現できるため、よりリアルな色彩のコンテンツが制作できる
利便性の面では、USB PD給電に対応したUSB Type-Cポートを搭載している点は要チェック。リアのインターフェイスにはDisplayPort Alt Modeの映像入力に加えて、最大65WのUSB PD給電に対応したType-Cポートを搭載。ケーブル1本でノートPCの映像出力と電源供給を担うことができる。
メインマシンがノートPCの場合、お手軽に接続して(本体のディスプレイではなく)「Modern MD271UL」の広色域環境を作業領域として使える点は嬉しい。外出先でのタスクにノートPCを使用している場合なども含め、ノートPCを絡めたデジタル環境ならもれなくメリットがある便利な機能だ。
「Modern MD271UL」には、目の疲労度を確認する簡易的なチェック機能である「Eye-Q Check」が搭載されている。OSDメニューから呼び出せる機能で、グリッド線の表示で休憩が必要かを判別したり、乱視の度合いを確認したり、さらには最適な姿勢を確認できる機能まで備えている。
グリッド線がぼやけたり歪んで見えるようだと目が疲労しているため、20分間ほど休憩することが推奨される |
乱視のチェック。片目を覆った状態で正確に見えない状態であれば、やはり20分の休憩が推奨されている | 正しい姿勢に矯正してくれる機能。目の位置を画面の1/9程度に調整することで、正しい姿勢で画面に向かうことができる |
アンチフリッカーやブルーライトカットといった、定番のアイケア機能も搭載している |
「Modern MD271UL」は、MSIディスプレイ専用のカスタマイズユーティリティ「Display Kit」に対応している。ディスプレイに関する複数の設定にOS上からアクセス可能なアプリで、ウインドウの分割ルール、ディスプレイの向き・解像度といった基本設定、カラー設定、さらにマウスのポインタ速度や電源関連の設定までを用意。サポートページから無償でダウンロードできるため、インストールしておけば役に立つはずだ。